表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
凛として咲く花  作者: 秋桜
序章
1/9

1

一番古い記憶にあるもの…。

周りが祭りで賑わっている風景。

そこで泣く幼い子どもの姿。


お囃子の音で泣き声が消され、誰も子どもの様子に気がつかない。

子どもは心細く辺りをさ迷う。



ドンッと目の前の大人にぶつかり、子どもはその場で尻餅をついた。


「大丈夫かい?」


そう言ってぶつかった男性が、子どもを優しく抱き起こした。

見れば子どもは目に涙を溜めている。


「ああ、どこか怪我でもしたのかい。」


その言葉を聞くと子どもはボロボロと涙を溢し始めた。


「どこかいたいのかい?」


いくら尋ねても子どもは首筋を振りながら泣くばかり。

困った男性は連れの女性に子どもを預ける。

女性は子どもに名前を訪ねた。


「僕、お名前は?」


「……い、伊織。」


子どもはしゃっくりをあげながら自分の名を伝える。


「伊織君かぁ。迷子かな?パパやママのお名前も教えて?」


「パパ…マ…マ…?」


子どもは首を傾げる。

まるで女性が何を話しているのか分からないといんんばかりに。


「…お父さんやお母さんは?」


その言葉に再び子どもは瞳に涙を溜めた。


「とぉさま、かぁさま、あにうえ…。どこぉ。」


男性と女性は顔を見合せた。


父様に母様?

今時の子どもにしては珍しい言葉遣いてである。


「どこぉー!」


わー、と子どもは泣く。


「怖いよぉー。」


男性と女性は子どもを宥めながら家族を一緒に探した。

しかし結局見つける事ができず、子どもを警察へと預けた。

その頃になると子どもは泣き止んでいた。

そして呟く。


「とぉさまとかぁさまって誰?あにうえって誰?」


子どもから自分の名前以外の記憶は全て失われていた。


「思い出せない、分からない…。ここはどこ?」


警察も子どもの両親は見つけることはできなかった。

やがて子どもは施設へと入る。



これが田中伊織の覚えている一番初めの記憶である。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ