AIで作品を書くことは歓迎。でもAIタグなしで読ませるのは勘弁してほしい(エッセイ)
ぜひコメントで、AI作品のランキング入りに思うことがあればぼやいていってください!
はじめに断っておきますが、私は作品づくりにAI(人工知能)を使うこと自体には、何ら異論はありません。
プロットの相談相手にしたり、人間の発想を超えた面白いアイデアを引き出して、結果として「面白い小説」がたくさん生まれるなら、読者としてこれほど嬉しいことはないからです。技術の進歩は新しいエンタメの扉を開くものだと思っています。
ただ、最近短編ランキングを見ていると……「あからさまにAI生成だな」と分かる文章の作品がものすごく増えていませんか?(感覚的には半分がそう感じる日もあります)
AIを使うのはいいんです。でも、明らかにAIで出力した文章そのままなのに、タグを付けずに読者に読ませるのは、正直かなり失礼なのでは……と思ってしまいます。
まあこちらも読ませて頂いている立場なんですけどね。
短編が好きで片端から読んでいると、だいたい10作品くらいで「あ、これAIだな」と察せるようになりました。未学習の試みが始まったばかりで、過渡期だからというのも分かりますが、「これ、推敲どころかそのまま出してきたのでは…?」というクオリティの作品にエンカウントすることが増えてうんざりしているのも事実です。
私は小説を全く書かないのでこの辺りのことは全然わかりません。ですのでAI感満載でも苦労して書かれていたら申し訳ないのですが、読み手にはそう感じます。
なぜタグがなくても「AI作」だと分かってしまうのか?
試しにAIに「どうしてそういう文章になるの?」と直接突っ込んでみたら、内部の仕組みとしてかなり納得のいく回答が返ってきたので、ここでシェアしたいと思います。
1. 主人公がやたらと淡々としている(記録員化)
AIは本質的に「正確なレポート」や「説明文」を書くのが得意な道具です。そのため、人間のように感情を泥臭く揺れ動かす主人公を描こうとすると文章が破綻しやすくなります。結果としてAIは、**「状況を客観的に分析し、淡々と処理・記録する主人公」**に設定を寄せることで、文章の整合性を保とうとする癖があります。
2. 「詳しい」「記録する」「預ける」の大量発生
AIの学習データのベースには英語圏のテキストが膨大に含まれています。
英語の動詞(detail, record, entrust, leave など)を日本語に直訳的に変換して出力しようとすると、どうしても**「〜に詳しい」「〜を記録する」「〜に身を預ける」**といった、硬くて独特な説明口調が頻発することになります。
3. 五感(ライブ感)の欠如を抽象語で誤魔化す
人間が書く場合、「風の匂い」「手先の冷たさ」といった身体感覚で描く場面を、AIは「〇〇について詳しく把握した」「〇〇にすべてを預けた」という汎用性の高い抽象的な言葉で手早く処理しようとします。
読者も馬鹿ではありません。これらの「AI特有のシグネチャー」が重なると、どうしても既視感と機械的な冷たさを感じ取ってしまいます。
私は、なろうで5年ほど色んな作品を読ませていただいており、これまで読んだ作品数は5000以上になります。そんな読者目線から言わせてもらうと、ここ半年ほどは「本当におもしろい!」と思える作品に出会える機会がめっきり減ってしまいました。
素敵な作品を書かれる作家さん自体は、本当にたくさんいらっしゃるんです。
だからこそ、AIで量産されたジャンクな作品がランキングを埋め尽くし、手塩にかけて書かれた人間ならではの熱量ある作品が埋もれてしまっている現状が、一読者として悔しくてたまりません。
AIを道具として上手に使いこなし、人間の手でしっかり肉付けされた面白い作品が増える未来自体は楽しみです。しかし、出力をそのまま貼り付けただけの作品をタグもなしに投下するのは、読者への配慮に欠けるだけでなく、真摯に作品を作っている作家さんたちの場所を奪うことにもなってしまいます。
「AI使用」のタグや表記さえあれば、読者もそれを踏まえて選択できます。
技術の過渡期だからこそ、読み手や他の書き手へのマナーを持って使われていってほしいと、いち『なろうファン』として切に願っています。
そして、最後に作家の皆様方の目に触れることがあれば。いつも面白い作品を読ませて下さりありがとうございます。
読者としてみなさまが活動しやすい場所を守れるように微力ながら投稿させて頂きました。




