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第三王子の婚約者とその妹は転生腹黒侯爵家令嬢。婚約破棄に向けて姉妹で頑張ります。

作者: 田舎娘
掲載日:2026/05/08

妹→姉と会話は進んでいきます。

「お姉様、ご婚約おめでとうございます~。」

「あなた、本当にめでたいと思ってるの。」

「一応慶事だし、お祝いの言葉は言わないとなの。」

「本音は?」

「ご愁傷さまです。私でなくてよかったわー。

 でも、将来、あんなのをお義兄様って呼ばなきゃならないなんて

 今から、鳥肌もんよ。」


「まだ、婚姻まで3年あるわ。その間に対策しないと。協力してよ。」

「なんの対策?」

「もちろん婚約破棄よ。あいつ有責でね。」

「で、作戦は?」

「検討中。何か良い案は無いかしら。」


「うーん。定番のハニートラップ?」

「エッ、定番なんてあるんだ。」


「うん、あと我が家の没落。」

「却下。」


「聖女とくっつける。」

「この世界、聖女なんていないわよ。」


「お姉さまが聖女になる。初代よ。すごいわ~。」

「私、聖魔法とか使えないわよ。それに、一生教会に奉仕なんて御免だわ。」


「留学して他国の王子をひっかける。

 もちろん、うちの国が頭の上がらない国ね。」

「これから王子妃教育よ。留学なんて、許してくれないわ。」

「お姉様、ひっかけるなんて無理よとは言わないんですね。」

「まあね。」

「すっごい自信。少しは、謙虚を学びましょうよ。」

「嫌よ。」


「はいはい。それでは、お姉様の優秀さを見せつける。」

「それだと婿入りしてから楽でいいと喜びそうよ。

 きっと、婿入り後、遊び惚けているわ。」


「う~ん。いい案がないわね。やっぱりハニートラップかしら。」

「そうね。でも、誰が仕掛けるのよ。あなた?」

「まさか。蕁麻疹がでます。だったら、お姉様が我慢すれば。

 そしたら、私はすぐ結婚して、この家からおさらばします。」

「我慢なんてできません。蕁麻疹以前に、アレルギーで死ぬわ。」


「お姉様と王子って明日学院に入学でしょ。

 お姉様の頭を見せつけて、他に癒しを求めさせれば。

 学院生活は3年あるんだし、あの年頃の子はギラギラしているでしょ。」

「まあ、そうね。あいつって、

 【俺様最高】ってやつだからやりたい放題みたいよ。」

「もう、ですの。」

「そうなの。可愛いメイドとかをベッドに引き込んでいるみたいよ。

 誰か、ご懐妊しないかしら。」


「なら、期待大ね。私も来年は学院に入学だから、色々と楽しみだわ~。」

「そうなるように、かわいい子を見つけて紹介してみるわ。

 うまくいくといいけど。」

「あの男、本能が先走るからいけるんじゃね。」

「言葉が乱れてるわよ。」

「あら、失礼。でも、お姉様に冤罪を吹っかけてきそうよ。

 卒業パーティーで、冤罪で婚約破棄は定番よ。

 お姉様は、悪役令嬢よ。気を付けてね。」


「ねえ、その定番っていつからよ。私は、知らないわよ。」

「やだー。知らないの、お姉様。婚約破棄小説って結構人気だったのよ。」

「日本で?」

「そうで~す。えっ⁈」

「やっぱり。」

「お姉様も。」

「そうよ。もしかして、貴方、日本でも妹?苗字は○○よ。」

「そうみたいですね。お姉様って、前世でも、お姉様だったのね。」

「文句がありそうね。」

「イイエ、文句はありません。ただ、納得しただけです。」


     *  *  *  *  *


「入学おめでとう。」

「お姉様、ありがとうございます。」

「あなたが入学するのを待ちに待ってたのよ。」


「作戦は、上手くいかないようですね。」

「そうなの。皆さん、ちゃんと常識をもった方々ばっかりでね。

 あいつの注目は、もっぱら王宮の女性たちよ。

 でもね・・・。」

「でも、とは?」

「今年は、ピンクブロンドの男爵家の庶子が入学するんですって。」

「定番のピンクブロンド。それは楽しみですね。」

「期待大よ。」


「ところで、あの方ですか?ピンクブロンドですよ。」

「そうみたいね。あんなに急いでどうしたのかしら?」


「お姉様。あちらに、やんごとなき方が・・・。」

「あら、あら、あら、あら~~~。」


「定番ですね。」

「ぶつかってハンカチを落とすのが?

 私って、その手の小説は読んでないのよね。なんか現実離れしすぎて。」

「前世のお姉様も、今世と同じに現実的でしたものね。」

「あなたは、全方面に手をだしてたわね。」


「ハンカチは、定番中の定番で冒頭での出番です。」

「それにしても、側近や護衛は役立たずだわ。

 みすみすその定番を成功させるなんて、。今は褒めてあげるけど。」

「ピンクブロンドの物語は、そういうものなんです。気にしちゃダメです。」

「でも、ほら、殿下がハンカチを握りしめていてよ。」

「お姉様。これは、ひょっとてして、大成功の予感が・・・。」

「これからが楽しみね~。」

「楽しみですけど、鳥肌もんの奴と目があってしまいました。

 お姉様、私の目は濁っていませんか。」

「きれいなお目目よ。私たちにはお目汚しだけど、ご挨拶はしないとね。

 これも、婚約者の務めね。うっとしいこと。」

「さっさと挨拶して、すぐ退場しましょう。」


「殿下、ごきげんよう。先ほど、どなたかとぶつかっておいででしたが

 お怪我はございませんか。無いようでしたら

 妹が今年から入学致しますのでご挨拶させていただきます。」

「殿下、お久しゅうございます。

 今年から入学致します。よろしくお願いいたします。

 お付きの先輩方も、よろしくお願いいたします。」

「殿下、お持ちのハンカチはとてもおきれいですね。」

「その刺繍の紋は○○男爵家のものですね。」

「それでは、式に遅れますので、御前を失礼させていただきます。」


「お姉様、聞きました。殿下のため息まじりの言葉。」

「ええ。『○○男爵家の令嬢か、かわいいな。ハア、』ですって。

 彼女には頑張ってもらわないと。」

「きっと大丈夫よ。定番中のド定番でしたもの。

 これからも、定番が見れそう。たのしみ~。。私も、ガンバ。」

「何を頑張るのよ。それと、時々、言葉が乱れますわ。注意しなさい。」

「は~い。頑張るのは、ピンクブロンドのストーカーです。」

「結果は、教えてね。」


     *  *  *  *  *


「お姉様、どんどん資料がたまりますの。」

「貴方入学してまだ半年よ。で、何がどうたまったの。」


「えーと。まず、鳥肌もんの奴とピンクブロンドは、入学式後、

 数日のうちにお礼と言うプレゼントを渡しあってます。」

「早いわね。」

「ピンクブロンドからは、手作りのクッキーとかです。

 殿下からは返礼として、髪飾りとか小物をですね~。」

「私は、な~んにも、いただいたことが無いんだけど。」

「ひょっとして、お姉様への予算を使い込んでます。」

「そうかも。調べてみるわ。」


「他にも、幅広く色んな令息からもいただいてます。

 それも、同じものをリクエストしているようです。

 ただ、経済力に応じて質を決めてますねえ。」

「なかなか、やるわね。一つだけ残して売ってるわね。」

「確実にそうですね。いただき女子の定番でしたね。」

「日本でね。」

「もしかして、ピンクブロンドも・・・。」

「可能性は大ね。」


「ねえ。あなた、飛び級して私と一緒に卒業しない?」

「めんどうですねえ~。でも、勝負は卒業パーティーでしょうから

 身近に見たいですねェ。」

「そうでしょう。卒業パーティーは、卒業生とパートナーだけだから、

 あなたと一緒なら心強いのよ。」


     *  *  *  *  *


「お姉様。ご卒業おめでとうございます。」

「ありがとう。あなたも卒業おめでとう。今日が勝負よ。期待していて。」

「証拠は、バッチリですか。」

「あなたのお陰でね。」

「殿下の使い込みは?」

「かなりの額がピンクブロンドに流れてたわ。証拠も揃えてあるわ。」

「ピンクブロンドの交友関係は?」

「それもバッチリ。裏もとったわ。全て順調よ。

 でも、あのピンクブロンドの手口、詐欺師になれるわ。プロよ、プロ。」


「何気に、お父様も燃えていましたけど。」

「苦労したのよ。証拠の資料を見せたって、

 家を継ぐのは、私かあなたの子供なんだから、『ドシッと構えてろ』って

 言うのよ。」

「それで、どうやって?」

「最後は、泣き落としよ。私たちに子供ができなかったら、どうするんだ。

 最悪、『あれの子を当主に』って、『王家が口をだすぞ』ってね。」

「絶対、そうなるわ。」

「それにね。『我が家のお金でアレの愛人たちを養う』のかって、

 お母様が詰め寄ったら、わかってくれたわ。」

「それって、お母様の力なんじゃね。」

「その通りよ。言葉、乱れているわ。」

「はいはい。それで。」

「お母様、激おこでね。

 『あなたは、そういう方でしたの。娘の幸せを考えなさいませ。

  それに、あんな婿など、百害あって一利なしです。』

 最後はね。

 『娘たちを連れて実家に帰らせていただいてもよろしいのよ』

 だって。」


「さすが~。それで、お母様の実家帰りを阻止する為に燃えていると。」

「そうなの。ちょっと、斜め上の理由だけど、

 頑張ってくれるのなら、まぁ、いいかと。」


     *  *  *  *  *


「お姉様。やりやがりましたね。

 なぜ私がお姉様の冤罪を被らなければならないのです。

 それこそ冤罪です。」

「そうね。冤罪の冤罪ね。

 でも、姉の為に蛮行を行った妹だってことになってるから、

 家の援助はできるように手配はしたわ。」

「あたりまえです。それより、蛮行とは何ですか。身に覚えがないわよ。」

「覚えがなくて、当たり前。冤罪だからね。」

「だから~。その冤罪の内容よ。」

「アホ王子とピンクブロンドが私に擦り付けようとした冤罪よ。」

「たとえば?」

「ピンクブロンドの教材やドレス等を破いた。お茶会に呼ばれなかっり、

 無視した。噴水に突き飛ばした。あと、階段から突き落とした等々ね。」

「ぜ~んぶ、定番だあー。妹を売り飛ばしたなー。」


「私は、我が家の為に、涙を吞んで実行したの。」

「事前におしえろー。だから、私に飛び級させたのですか。あんな前から。

 すっごい、腹黒。」

「お褒めの言葉としていただいておくわ。それに教えたら面白くないでしょ。

 あと、言葉。」


「はいはい。この計画はいつきまったのよー。」

「パーティーの前日よ。国王夫妻も交えてね。

 それに、あなたも飛び級で卒業なんだから支障ないでしょ。」

「支障出まくりです。お父様とお母様は?」

「ご存じよ。あなただったら、大丈夫ですって。」

「ハア、虐待だー。と喚いたところで後の祭りだわ。」

「今なら、何を喚いてもいいわよ。」


「フン、それで、私の報酬は?きっちり分捕ってくれたんでしょうね。

 お姉様の一人勝ちは許しませんよ。」

「あなたに用意していた持参金と隣国の領地よ。

 あなたの名前に変更済みよ。」

「それだけでは納得できません。」

「そう言うと思って、あいつからの賠償金を折半でどう?」

「隣国の領地って?」

「昨年行った海辺の土地よ。

 王妃様が持ち主だったから変更はすぐできたのよ。」

「なるほど。あそこですか。」

「どうする?王妃様の祖国だし、数年後に爵位も頂けるそうよ。」

「なるほど、なるほど。王子の失態をそこまでして隠匿したいのですね。

 で、王子の処分は?それによって手を打ちましょう。

 前世でも今世でも、腹黒姉には敵いませんわ。」

「イヤーね。これでも、あなたのことは信頼もしているし、

 気にも掛けているのよ。

 王子は、真実の愛を貫いて、

 王族籍を捨てて、子爵としてピンクブロンドと一緒に僻地の領地行きよ。

 ピンクブロンドが付いてくかは知らないけれど。」

「わかりました。私だって、姉妹としての情はあります。

 付いていかないでしょうね。

 で、私の身分はどうなるの。」

「別人になってもいいわよ。その手配もできるけど。」


「そうすると、学院の卒業もお姉様の妹ってこともなくなりますね。」

「何、その笑顔。イヤな予感が・・・。」

「さす姉。縁を切るつもりはありません。堂々と隣国へ乗り込みます。」

「では、姉思いの素行の悪い妹を

 最大限の援助で追放したってことでよろしいかしら。」

「なんとでもどうぞ。でも、あっちに行った途端、暗殺されるなんて嫌よ。」

「それも、手を打ってあるわ。抜かりはないわよ。あなたが犠牲になって保たれた王家のメンツよ。お父様やお母様が許すはずが無いでしょ。」

「では、安心して侯爵家の名を利用させてもらいます。」

「ほどほどにしてよ。」


「フフフ。あそこか~。楽しまなくちゃ。海辺だと海鮮よね。

 出国の準備は、お姉様、よろしく~。」

「あなたは、なにするのよ。」

「お父様とお母様に泣きついてあれこれね。頑張らなくちゃ。

 おとうさま~~~。おかあさま~~~。」


 

 




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