第三王子の婚約者とその妹は転生腹黒侯爵家令嬢。婚約破棄に向けて姉妹で頑張ります。
妹→姉と会話は進んでいきます。
「お姉様、ご婚約おめでとうございます~。」
「あなた、本当にめでたいと思ってるの。」
「一応慶事だし、お祝いの言葉は言わないとなの。」
「本音は?」
「ご愁傷さまです。私でなくてよかったわー。
でも、将来、あんなのをお義兄様って呼ばなきゃならないなんて
今から、鳥肌もんよ。」
「まだ、婚姻まで3年あるわ。その間に対策しないと。協力してよ。」
「なんの対策?」
「もちろん婚約破棄よ。あいつ有責でね。」
「で、作戦は?」
「検討中。何か良い案は無いかしら。」
「うーん。定番のハニートラップ?」
「エッ、定番なんてあるんだ。」
「うん、あと我が家の没落。」
「却下。」
「聖女とくっつける。」
「この世界、聖女なんていないわよ。」
「お姉さまが聖女になる。初代よ。すごいわ~。」
「私、聖魔法とか使えないわよ。それに、一生教会に奉仕なんて御免だわ。」
「留学して他国の王子をひっかける。
もちろん、うちの国が頭の上がらない国ね。」
「これから王子妃教育よ。留学なんて、許してくれないわ。」
「お姉様、ひっかけるなんて無理よとは言わないんですね。」
「まあね。」
「すっごい自信。少しは、謙虚を学びましょうよ。」
「嫌よ。」
「はいはい。それでは、お姉様の優秀さを見せつける。」
「それだと婿入りしてから楽でいいと喜びそうよ。
きっと、婿入り後、遊び惚けているわ。」
「う~ん。いい案がないわね。やっぱりハニートラップかしら。」
「そうね。でも、誰が仕掛けるのよ。あなた?」
「まさか。蕁麻疹がでます。だったら、お姉様が我慢すれば。
そしたら、私はすぐ結婚して、この家からおさらばします。」
「我慢なんてできません。蕁麻疹以前に、アレルギーで死ぬわ。」
「お姉様と王子って明日学院に入学でしょ。
お姉様の頭を見せつけて、他に癒しを求めさせれば。
学院生活は3年あるんだし、あの年頃の子はギラギラしているでしょ。」
「まあ、そうね。あいつって、
【俺様最高】ってやつだからやりたい放題みたいよ。」
「もう、ですの。」
「そうなの。可愛いメイドとかをベッドに引き込んでいるみたいよ。
誰か、ご懐妊しないかしら。」
「なら、期待大ね。私も来年は学院に入学だから、色々と楽しみだわ~。」
「そうなるように、かわいい子を見つけて紹介してみるわ。
うまくいくといいけど。」
「あの男、本能が先走るからいけるんじゃね。」
「言葉が乱れてるわよ。」
「あら、失礼。でも、お姉様に冤罪を吹っかけてきそうよ。
卒業パーティーで、冤罪で婚約破棄は定番よ。
お姉様は、悪役令嬢よ。気を付けてね。」
「ねえ、その定番っていつからよ。私は、知らないわよ。」
「やだー。知らないの、お姉様。婚約破棄小説って結構人気だったのよ。」
「日本で?」
「そうで~す。えっ⁈」
「やっぱり。」
「お姉様も。」
「そうよ。もしかして、貴方、日本でも妹?苗字は○○よ。」
「そうみたいですね。お姉様って、前世でも、お姉様だったのね。」
「文句がありそうね。」
「イイエ、文句はありません。ただ、納得しただけです。」
* * * * *
「入学おめでとう。」
「お姉様、ありがとうございます。」
「あなたが入学するのを待ちに待ってたのよ。」
「作戦は、上手くいかないようですね。」
「そうなの。皆さん、ちゃんと常識をもった方々ばっかりでね。
あいつの注目は、もっぱら王宮の女性たちよ。
でもね・・・。」
「でも、とは?」
「今年は、ピンクブロンドの男爵家の庶子が入学するんですって。」
「定番のピンクブロンド。それは楽しみですね。」
「期待大よ。」
「ところで、あの方ですか?ピンクブロンドですよ。」
「そうみたいね。あんなに急いでどうしたのかしら?」
「お姉様。あちらに、やんごとなき方が・・・。」
「あら、あら、あら、あら~~~。」
「定番ですね。」
「ぶつかってハンカチを落とすのが?
私って、その手の小説は読んでないのよね。なんか現実離れしすぎて。」
「前世のお姉様も、今世と同じに現実的でしたものね。」
「あなたは、全方面に手をだしてたわね。」
「ハンカチは、定番中の定番で冒頭での出番です。」
「それにしても、側近や護衛は役立たずだわ。
みすみすその定番を成功させるなんて、。今は褒めてあげるけど。」
「ピンクブロンドの物語は、そういうものなんです。気にしちゃダメです。」
「でも、ほら、殿下がハンカチを握りしめていてよ。」
「お姉様。これは、ひょっとてして、大成功の予感が・・・。」
「これからが楽しみね~。」
「楽しみですけど、鳥肌もんの奴と目があってしまいました。
お姉様、私の目は濁っていませんか。」
「きれいなお目目よ。私たちにはお目汚しだけど、ご挨拶はしないとね。
これも、婚約者の務めね。うっとしいこと。」
「さっさと挨拶して、すぐ退場しましょう。」
「殿下、ごきげんよう。先ほど、どなたかとぶつかっておいででしたが
お怪我はございませんか。無いようでしたら
妹が今年から入学致しますのでご挨拶させていただきます。」
「殿下、お久しゅうございます。
今年から入学致します。よろしくお願いいたします。
お付きの先輩方も、よろしくお願いいたします。」
「殿下、お持ちのハンカチはとてもおきれいですね。」
「その刺繍の紋は○○男爵家のものですね。」
「それでは、式に遅れますので、御前を失礼させていただきます。」
「お姉様、聞きました。殿下のため息まじりの言葉。」
「ええ。『○○男爵家の令嬢か、かわいいな。ハア、』ですって。
彼女には頑張ってもらわないと。」
「きっと大丈夫よ。定番中のド定番でしたもの。
これからも、定番が見れそう。たのしみ~。。私も、ガンバ。」
「何を頑張るのよ。それと、時々、言葉が乱れますわ。注意しなさい。」
「は~い。頑張るのは、ピンクブロンドのストーカーです。」
「結果は、教えてね。」
* * * * *
「お姉様、どんどん資料がたまりますの。」
「貴方入学してまだ半年よ。で、何がどうたまったの。」
「えーと。まず、鳥肌もんの奴とピンクブロンドは、入学式後、
数日のうちにお礼と言うプレゼントを渡しあってます。」
「早いわね。」
「ピンクブロンドからは、手作りのクッキーとかです。
殿下からは返礼として、髪飾りとか小物をですね~。」
「私は、な~んにも、いただいたことが無いんだけど。」
「ひょっとして、お姉様への予算を使い込んでます。」
「そうかも。調べてみるわ。」
「他にも、幅広く色んな令息からもいただいてます。
それも、同じものをリクエストしているようです。
ただ、経済力に応じて質を決めてますねえ。」
「なかなか、やるわね。一つだけ残して売ってるわね。」
「確実にそうですね。いただき女子の定番でしたね。」
「日本でね。」
「もしかして、ピンクブロンドも・・・。」
「可能性は大ね。」
「ねえ。あなた、飛び級して私と一緒に卒業しない?」
「めんどうですねえ~。でも、勝負は卒業パーティーでしょうから
身近に見たいですねェ。」
「そうでしょう。卒業パーティーは、卒業生とパートナーだけだから、
あなたと一緒なら心強いのよ。」
* * * * *
「お姉様。ご卒業おめでとうございます。」
「ありがとう。あなたも卒業おめでとう。今日が勝負よ。期待していて。」
「証拠は、バッチリですか。」
「あなたのお陰でね。」
「殿下の使い込みは?」
「かなりの額がピンクブロンドに流れてたわ。証拠も揃えてあるわ。」
「ピンクブロンドの交友関係は?」
「それもバッチリ。裏もとったわ。全て順調よ。
でも、あのピンクブロンドの手口、詐欺師になれるわ。プロよ、プロ。」
「何気に、お父様も燃えていましたけど。」
「苦労したのよ。証拠の資料を見せたって、
家を継ぐのは、私かあなたの子供なんだから、『ドシッと構えてろ』って
言うのよ。」
「それで、どうやって?」
「最後は、泣き落としよ。私たちに子供ができなかったら、どうするんだ。
最悪、『あれの子を当主に』って、『王家が口をだすぞ』ってね。」
「絶対、そうなるわ。」
「それにね。『我が家のお金でアレの愛人たちを養う』のかって、
お母様が詰め寄ったら、わかってくれたわ。」
「それって、お母様の力なんじゃね。」
「その通りよ。言葉、乱れているわ。」
「はいはい。それで。」
「お母様、激おこでね。
『あなたは、そういう方でしたの。娘の幸せを考えなさいませ。
それに、あんな婿など、百害あって一利なしです。』
最後はね。
『娘たちを連れて実家に帰らせていただいてもよろしいのよ』
だって。」
「さすが~。それで、お母様の実家帰りを阻止する為に燃えていると。」
「そうなの。ちょっと、斜め上の理由だけど、
頑張ってくれるのなら、まぁ、いいかと。」
* * * * *
「お姉様。やりやがりましたね。
なぜ私がお姉様の冤罪を被らなければならないのです。
それこそ冤罪です。」
「そうね。冤罪の冤罪ね。
でも、姉の為に蛮行を行った妹だってことになってるから、
家の援助はできるように手配はしたわ。」
「あたりまえです。それより、蛮行とは何ですか。身に覚えがないわよ。」
「覚えがなくて、当たり前。冤罪だからね。」
「だから~。その冤罪の内容よ。」
「アホ王子とピンクブロンドが私に擦り付けようとした冤罪よ。」
「たとえば?」
「ピンクブロンドの教材やドレス等を破いた。お茶会に呼ばれなかっり、
無視した。噴水に突き飛ばした。あと、階段から突き落とした等々ね。」
「ぜ~んぶ、定番だあー。妹を売り飛ばしたなー。」
「私は、我が家の為に、涙を吞んで実行したの。」
「事前におしえろー。だから、私に飛び級させたのですか。あんな前から。
すっごい、腹黒。」
「お褒めの言葉としていただいておくわ。それに教えたら面白くないでしょ。
あと、言葉。」
「はいはい。この計画はいつきまったのよー。」
「パーティーの前日よ。国王夫妻も交えてね。
それに、あなたも飛び級で卒業なんだから支障ないでしょ。」
「支障出まくりです。お父様とお母様は?」
「ご存じよ。あなただったら、大丈夫ですって。」
「ハア、虐待だー。と喚いたところで後の祭りだわ。」
「今なら、何を喚いてもいいわよ。」
「フン、それで、私の報酬は?きっちり分捕ってくれたんでしょうね。
お姉様の一人勝ちは許しませんよ。」
「あなたに用意していた持参金と隣国の領地よ。
あなたの名前に変更済みよ。」
「それだけでは納得できません。」
「そう言うと思って、あいつからの賠償金を折半でどう?」
「隣国の領地って?」
「昨年行った海辺の土地よ。
王妃様が持ち主だったから変更はすぐできたのよ。」
「なるほど。あそこですか。」
「どうする?王妃様の祖国だし、数年後に爵位も頂けるそうよ。」
「なるほど、なるほど。王子の失態をそこまでして隠匿したいのですね。
で、王子の処分は?それによって手を打ちましょう。
前世でも今世でも、腹黒姉には敵いませんわ。」
「イヤーね。これでも、あなたのことは信頼もしているし、
気にも掛けているのよ。
王子は、真実の愛を貫いて、
王族籍を捨てて、子爵としてピンクブロンドと一緒に僻地の領地行きよ。
ピンクブロンドが付いてくかは知らないけれど。」
「わかりました。私だって、姉妹としての情はあります。
付いていかないでしょうね。
で、私の身分はどうなるの。」
「別人になってもいいわよ。その手配もできるけど。」
「そうすると、学院の卒業もお姉様の妹ってこともなくなりますね。」
「何、その笑顔。イヤな予感が・・・。」
「さす姉。縁を切るつもりはありません。堂々と隣国へ乗り込みます。」
「では、姉思いの素行の悪い妹を
最大限の援助で追放したってことでよろしいかしら。」
「なんとでもどうぞ。でも、あっちに行った途端、暗殺されるなんて嫌よ。」
「それも、手を打ってあるわ。抜かりはないわよ。あなたが犠牲になって保たれた王家のメンツよ。お父様やお母様が許すはずが無いでしょ。」
「では、安心して侯爵家の名を利用させてもらいます。」
「ほどほどにしてよ。」
「フフフ。あそこか~。楽しまなくちゃ。海辺だと海鮮よね。
出国の準備は、お姉様、よろしく~。」
「あなたは、なにするのよ。」
「お父様とお母様に泣きついてあれこれね。頑張らなくちゃ。
おとうさま~~~。おかあさま~~~。」
読んで頂いてありがとうございます。




