エピローグ
大亀裂の破壊から数年の時が経った。
大地剣士や魔導技師たちの協力によって各地の復興は素早く進み、まるで虚無との戦いは夢であったかのようになっていた。
そんな帝都の片隅。商業区の一角に剣術道場が立っていた。
「いやぁ!」
少年の掛け声が響く。
「うーん勢いはいいけど、構えが崩れてるぞ」
「構え構えっていうけどさ、早く先生みたいな魔剣技をどわーって出来るようにさせてよ」
「構えもちゃんとやってない奴に、魔剣技なんて使えるわけないって、何度言ったらわかるんだ」
そこには少年を指導する剣術師範となったユーマの姿があった。
「でも先生は魔剣を握っていきなり魔剣技つかったらしいじゃん」
「その話、誰に聞いたんだ!」
「あ、わたしです……」
おずおずと手を上げるフィーナが居た。
「フィーナ、そのちょくちょく来てくれるのはいいんだけど、教会の仕事はいいのか?」
「はい、そこはきちんとしてますよ!それはそうとユーマは型にこだわり過ぎたと思いますよ。魔力の制御を先に教えて上げてもいいんじゃないですか?」
「そーだそーだ!魔法も教えろ!」
「いや、魔力の鍛錬の方が恐ろしく面白くないぞ……俺は嫌いだったし」
「なんだよーじゃあ魔剣士目指すの止める~」
木剣を放り出し少年は道場を出て行ってしまった。
入れ替わるようにリュウガが道場にやってきた。
「お、よろしくやってるか?今少年が道場から出て行っちまったようだが」
「おじさん、わかってて言ってるよね」
「ハハハ!また門下生に出てかれたか!どうにもお前は教えるのが下手だな!」
「ぐぬぬ、俺はおじさんに教えられたとおりに指導してるだけなのに!」
「ユーマ、普通の子は融合剣士じゃねえんだからお前みたいな狂った特訓はしなくてもいいんだよ!」
「俺の修業、狂った特訓だったの!?」
「あ?当り前だろうが、もう全部の剣技が頭にはいっちまった奴に普通の修業なんてつけるわけないだろう」
「なんだよそれ……」
「ったく、仕方ないなあ、教えるのが下手くそなお前を師匠である俺がしばらく手伝ってやろう」
「まあ打倒なんじゃないの?私も氷剣術なら教えられるから暫く居るわね」
「ティアはいつ来たんだよ……」
「今に決まってるでしょ」
「ティアもいるなら私も聖剣技を教えるために、ユーマの道場に通いますね。教団の見習いのみんなも連れてきます!」
「いや、フィーナ、そんなに人、入らないよこの道場」
「じゃあ改築すればいいんじゃないの?資材運んでこようか?」
「いやカンナ、もういつ来たのかは聞かないけどそんなお金俺にあると思うか?」
「帝都の土地取得も道場の建築にも貴様は一銭も払ってないだろう」
「だってさレイノス、道場開きたいって言ったらゼロが建ててくれたから……っていうかなんでいるんだよ」
「皇帝陛下からの書状を届けに来たんだ、魔剣士文化の復興に努めよというお達しだ」
「えーっとつまり?」
「道場は拡張していいし、師範代は複数雇用しろ、そして魔剣士を育てろということだ」
「なるほどー。国のお墨付きかー」
「そういうわけだ、弟子が逃げ出すような指導は改めろ」
「えーっと、じゃあそのみんな今後もよろしく頼む!」
ユーマが開いた道場は後に多くの優秀な魔剣士を輩出することとなる。
クルストフィアの未来は明るい希望で満ちていた。
ユニオンブレイカー~虚無を滅ぼす極光~ 完。
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ユーマの人生は著者の別作、浜辺のスローライフに続きます!




