表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/46

38話:レイノス

 帝都の北西に位置する渓谷、そこにある機械遺跡の前に俺は立っていた。

 

 ここにくるまで何度か魔剣狩りに出会ったが、最早ユニオンフレームを纏った俺の敵ではなかった。


 無人の荒野を行くように帝国領を突っ切り、ここまでやってきたが、遺跡の入り口には一人の男が立っていた。


「……レイノス」


 魔剣狩りの長、魔剣蒐集家、そして俺に立ちはだかった最初の壁。


「久しぶりですね、ユーマ。ここに来ることはわかっていたので、待ち構えさせてもらいましたよ」


 以前と変わらぬ、悠然とした態度、だがその瞳は以前とは違う執念の火が灯っていた。


「あなたの融合剣技を受けて、私の魔導理論も進化しました。その最たるものがこのあなたに砕かれた左腕に装着した魔導義手です」


 レイノスは左腕を掲げると紫電が走り、そこから紫色の光の剣が噴出した。


「魔剣を己につなぐことで効率的に魔剣技を扱えるようになりました、ああ、これだけではありませんよ」


 ガシャ、ガシャン。


 レイノスの腰部から二本の腕のようなものが伸びその手には一振りずつの剣が握られていた。


「私が蒐集した、オリジナルの魔剣、カルド・ゲイザーとクリスタル・ティアです。これで疑似的に私も複数の魔剣技を同時に操ることができます」


「レイノス、機械遺跡のことを知っているあんたなら知ってるはずだ、ユニオンソードの真実を。それでも俺と戦うのか?」


「戦いますとも、これは私の魔導技術が偉大な先人に通用するかどうかを確かめることなのですから!」


「そうか……じゃあ決着を付けよう」


 俺はユニオンソードを構え、一気に勝負を決めるため、蒼炎爆風を放った。


 ドォォォォォン!


「手応えが無い?」


「その技はもう見てますからね、正面から受けるなんて愚かな真似はしませんよ」


 その言葉と同時に三本の剣が俺に襲い掛かる。


 一つ一つが必殺の威力を持った魔剣の一撃、まともに受けるわけにはいかない。


 キィン!ガキッ!


(なにかがおかしい、そこまでの速さはないはずなのに、まるで俺の動きを先読みしてるかのように攻撃を置かれている!?)


「さっきまでの余裕はどうしましたか?ユーマ?以前とはまた立場が逆転しましたね!」


 レイノスの苛烈な攻撃が続く、カルド・ゲイザーの熱線が、クリスタル・ティアの冷気が、そして義手の雷剣が俺に容赦なく襲い掛かる。直撃は受けてないものの、少しずつ削られて行っている。


(そうか!あの義手、雷剣技、高速演算で俺の動きを読んでいるのか!)


「レイノス!お前のからくりはわかったぞ!」


 俺は体中に雷の魔力を滾らせ、レイノスの動きを演算し始める。


 「!?」


 レイノスの演算を上回り攻撃を次々と躱していく。


「そこだ!」


 ズシャァッ!


 レイノスの腰部から伸びたサブアームを切り落とす、これだけで手数が大幅に減るはずだ。


「ぐ、私の高速演算を上回っているのか!」


「レイノス、お前の技術は凄い、でもそれはお前自身の技じゃない、道具の力だ。そこにタイムラグができるんだ、それがお前の限界だ」


 残りのサブアームを切り落とし、レイノスにユニオンソードの切っ先を向ける。


「勝負あったな」


「そのようですね……技術では真の融合剣士には及びませんでしたか。私に悔いはありません」


「レイノス、集めた魔剣はきちんと持ち主に返すんだ」


「魔剣士が残っているところには返却しましょう、魔剣廃棄法も、もう無用の長物ですしね」


「どういうことだ?」


「遺跡の中に行けばわかる事です、ああそうだ、遺跡の中で用が済んだら皇帝陛下の下へ行ってください、帝都では誰も手出しをしないようにしておくので安心していいですよ。では私はこれで失礼します、虚無への対策がありますからね、あなたに及ばなくとも私の技術は有用でしょう?」


「ああ、それは間違いない、次に会う時は味方だな」


「あなたが皇帝陛下にあって無事でしたらね」


 そういうとレイノスは帝都の方へと去って行った。


 今回の戦いはあいつにとっての何らかのけじめだったんだろう。


 レイノスを見送ると俺は遺跡の扉に手をかけた。

最後まで読んでくれて、本当にありがとうございます!

もし、ちょっとでも「面白いじゃん!」と思っていただけたら、 ↓の【★★★★★】を、ポチっと押して応援していただけると、作者が、本気で泣いて喜びます…!

ブックマークも、ぜひぜひ、よろしくお願いします!

また次回、お会いできるのを楽しみにしています!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ