37話:それぞれの道
「ここは……」
意識が戻るとそこは大地の迷宮だった。
「戻ってきたのか。ユーノ……クロノ……そして過去の剣士達……俺は」
まだ思考が纏まらない。そんな時ユニオンソードが紫色に輝き、俺に語り掛けてきた。
「聞こえるか?ユーマ。サイファーだ。私たちの過去の過ちは見たな?」
「あ、ああ。ユニオンブレイカーの力に耐えられずユーノが犠牲になったことだな?」
「そうだ、あれは私の最大の過ちだった、力の逆流について何も考えられていなかったのだ。今のままではユニオンブレイカーを使いこなすことはできない。命と引き換えに使うこと自体はできるがな。」
「……対策はできているんだろう?」
「もちろんだ、二度と過ちは繰り返されてはならない。ユーマ。お前は帝国の機械遺跡にある、ディメンションギア、つまりユニオンブレイカーの制御装置を取りに来るんだ。私もそこで待っているぞ」
ユニオンソードの光は消え、サイファーの声は聞こえなくなった。
「帝国の機械遺跡か……次の目的地が決まったな」
俺は少し気合を入れ、大地の迷宮から脱出した。
大地の迷宮の入り口には、フィーナとティア、そしてディノスが待っていた。
「ユーマ!良かった!無事に帰ってこれたんですね」
フィーナが駆け寄ってくる。
「それがユニオンアーマー?白くて目立つわね」
ティアは隣でユニオンアーマーをまじまじと見ている。
「ユーマ?どうかしたんですか?」
フィーナは心配そうに顔を覗き込んでくる。
「……なんでもないよ。それよりフィーナにはこの剣を受け取って欲しいんだ。大地の迷宮で俺が鍛えた剣なんだけど」
「え?剣ですか?それならティアさんの方が適任なんじゃ……」
「これは守るための剣なんだ、だから治療師であるフィーナに持っていてほしい」
「確かに私が使うには刃の幅が広すぎるわね。受けるのは盾でするし」
「そういうことでしたら、わかりました。この剣は預からせてもらいますね」
俺はアンブレイカブルをフィーナに渡す。
ズシリ。
「少し……重い。ユーマの思いが詰まってるんですね」
「それで、鎧も手に入れたし次はどうするの?」
「次は帝国の機械遺跡に向かおうと思ってる」
「それって帝都北西の?敵のど真ん中に行くつもり?」
「ああ、だから俺一人で行こうと思ってる」
「私たちは足手纏いだとでも?」
「そうじゃない、機械遺跡には、ユニオンソードを完成させるために行くんだ、その間に二人には虚無へ対抗するための準備をしていて欲しい」
「虚無って500年前に封印されたやつよね」
「ああ、もうすぐその虚無の封印が解ける、正確な時はいつか分からないけど、聖都や東方にも備えをしていて欲しいんだ」
「ユーマ、遺跡の中で何を見たんですか?」
「どうしてその話になるんだ?」
「遺跡に入る前のユーマは上手く言えないけど、今と違いました、だから……」
「……過去を見ただけだよ。そしてそれは俺が、俺にしか背負えないことなんだ」
「そんなことは!わたし達だって!」
「そうよ、仲間でしょ、何遠慮してるのよ」
「仲間だからこそ、ユニオンソードのこと以外のことを任せたいんだ。俺がもし失敗した時、世界を守れるのは二人や剣士のみんなだけなんだよ」
「……わかったわ、機械遺跡のことは任せる、でもね、失敗なんて許さないから。絶対また私たちのところに戻ってきて」
「ユーマ、あなたは独りじゃありませんから。私もできる事をしながらあなたの無事を祈っています」
「二人ともありがとう。それにディノスさん、今までユニオンアーマーを守ってくれていて、ありがとうございました」
「いや、儂の方こそ、実物を目にできるとは思ってなかった、ありがとう。若き剣士よ」
「じゃあ、俺は行きます。」
「気を付けるんじゃぞ」
3人に別れを告げると、俺は帝国の機械遺跡を目指し、大地の里を後にした。
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