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怖い映画

作者: 鈴木衣毬

短めです。

怖い映画を見てしまった。

見たと言っても、飛ばし飛ばし、画面酔いしないシーンを選びながら。

話の全容はわかっていない。なので、その時は怖くなかった。怖いと思われる不気味なシーンも平気で見た。


しかしまあ、家の誰もが眠ってしまった夜になってみればどうしてだろうか。話の繋がらない不気味なシーンが、まるで波のように迫ってきては少し遠ざかってを繰り返して脳内に浮かんでくる。


もう子供ではないのにな。

背筋に悪寒が走る。視線を感じる気がする。気持ちが落ち着かなくなる。

別にそんなに怖くなかったはずだ。

…なのに心霊番組を見てしまったあとに怖がる子供のように自分は暗闇を恐れているのだ。いい歳してろくでもない。さっさと寝てしまえ。

空調の効いた部屋に敷いた布団に潜り込み、目を瞑る。でも頭は冴えていて中々眠れない。寝返りを忙しなく打って異様な不安の波を避ける。それでも眠気は中々やってこなくて、耐えきれずに瞼を上げてしまう。


外が静かな為か、風呂で付けている換気扇の音がいつもよりも大きく聞こえる。

きっと耳も敏感になって、無意識に周りの音を拾おうとしてしまうのだろうか。あぁ、早く眠ってしまいたい。



…というか、先程目を開けてしまった時に見てしまったのだが、カーテンのしきれない出窓の外で何かの影が、二本一組でゆらゆらと揺れているのだ。まるで、小さな子供が高い椅子に座って足をぶらぶらするように動いていて、私の視線はそれに釘付けになってしまった。

…ここは五階のはずだぞ。いや、五階じゃなかったとしても揺れる二本の影は説明がつかないような気がする。

これは、覗きに行ったらきっとまずいかもしれない。でも、もしかしたら怖くないものかもしれないし、正体を知れば安心するかもしれない。しかし、違ったなら、あれがこの世のものではなくて、起きているのが見つかってしまったら、暗闇に引き摺り込まれてしまうのではないか。

そんなふうにぐるぐると思案しながらも、やはり最終的には眠ってしまえばどうにかなるだろうという結論にたどり着き、布団を被ってできるだけ静かに呼吸をすることにした。居なくなってくれ…!居なくなってくれ…!私に気づかないでくれ…!

祈るようにぎゅっと目を瞑って、じっとしていた。



いつの間にか眠ってしまったようだった。だから眠る前に見えた二本の影が何なのかは結局分からなかった。ひょっとすると恐怖心から見えた幻だったのかもしれない。

































と言いたかったものの、その二本の影は、今でもたまに出窓に映ることがある。

私はそれをもう気付かないふりで押し通すことにして、恐怖を忘れることに専念しようと決めた。あの怖い映画は二度と見たくない。













ここまで読んでいただきありがとうございました。ホラーを書くのは初だったのであまり怖くないかもしれないです。今書いてるやつが中々納得できなくて現実逃避で書きました(笑)

とはいえ書いたことのないジャンルかくのもたまにはいいなと思えました。


追記:少し修正しました。

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