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鷹弘短篇集  作者: 鷹弘
14/15

『冷え症』

寒い夜、炬燵の如く暖かい布団に潜るに限る。

 ……寒い。


 羽毛布団にくるまり、膝を抱え込んで丸まって眠る。胎児のように、母の胎に戻れるように、祈りながら、丸くなる。

 足先指先は冷え症故に、常にひんやり。羽毛布団の温かさは冷え性には勝てないらしい。更には、脛には清涼感たっぷり、湿布が鎮座している。昼間に階段で強打した。患部を冷やし、布団の中身を冷蔵庫へ変貌させる。

 それでも靴下は履かない、蒸し蒸ししてしまうから。

 冷え冷えとした足先に、ひんやりとした脛。目を瞑ると、身体の中で足だけが別のものに感じる。


 こんな冬の夜、毎晩の如く私は夢想するのだ……。

 足先から身体が壊死していき、ボロボロに崩れて、明日目が覚めたら__足首から下は__何も__無い__。


 ……朝だ。

 そっと捲った羽毛布団。

 下には剥がれかけた湿布と、冷え症特有の、ひんやりとした足が覗いている。崩れた足は、どこにもない。

湿布のせいで、炬燵が冷蔵庫になった。

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