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妄想クラウディア~10人の異能使いと禁忌の劫略者~  作者: 藍澤 建
第一章【エンドロールの向こう側】
15/170

100『名もなき死』

第一章、始めました。

今日は二話、投稿します。

二話目は普段通り、18:00からの公開となります。

 オレは、目の前の光景に、歯噛みした。

 悔しかったのだ。

 全身全霊を賭してなお――それでも敵わない化け物がいる、現実が。


【GOOOOOOOOOOOO……ッ!】


 化け物が吠える。

 赤黒い筋肉に覆われた、巨大な異能力者。

 災躯、の異能種別だろうか。

 オレと同じはずなのに……なにが、此処まで違うのか。

 全身からあふれ出す蒸気からは、身を焼くような熱量を感じる。

 赤黒い肉体は、まるでマグマだ。

 躍動するたびに熱を上げ、常軌を吹き出す。

 その様、まるで列車だ。

 暴走列車。

 そんな表現が、よく似合う。


「クソ……ッ! せっかく、この本を手に入れたってのに……!」


 オレの手には、表紙に【肆】と記された本がある。

 この本の名前はディュゥェアルノォーゥト。

 未解の王にして純然たる深淵の闇。

 またの名を、解然の闇。

 常軌を逸した異能力者にして、最強の個。

 そいつが記した十冊の禁書、その一冊だ。


「これで……これさえあれば――きっと!」


 オレの夢だって、きっと叶う。

 それ、なのに……!


「邪魔だ……てめえは邪魔だ! そこを退け! ぶっ殺すぞ!」


 オレの言葉に、化け物は拳を振り上げた。

 その直後、オレの視界は黒く染まって、急速に意識が遠のいていく。


 あ、オレ、死ぬのか。

 こんなところで……オレは、終わるのか。

 夢も野望も叶わず、ただ、負け犬みてぇに死んじまうのか。


 ……オレの人生、こんなもんか。


 そこまで考えて、オレの意識は消えてゆく。


 ああ、くそ。

 もしも、もしも次があったってんなら。

 その時は……そうだな。


 オレが目指した、誰より強い、最強。


 解然の闇、って野郎と、会ってみたいもんだな。



話は変わりますけど、オレっ娘って……なんか、いいですよね。

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