44 シャル様をだらけさせ隊?です?
マリちゃんず大集合です。
寝床に座ってる私の周りにべったりとくっついて離れません。
うちの子はこんな可愛げのある姿に…!
「もしかしてと思いましたけどー、シャルちゃん、お目覚めですか?」
扉からひょっこりと見知った顔が出てきます。
「さ、サーナさん…!?えっと、これは、あの、またあれです…!」
「分かってます。処刑スキルの《執行人形》さん達ですよね?助かってますよー」
「へ?助かってる、ですか?」
「シャル様にはまだ言ってませんでしたね。シャル様がお休みの間、わたしたちがギルドでお仕事してました!」
私スキルに仕事させて眠りこけてたの?
それは悪いことをしてしまいましたね…
「シャル様はお気になさらず。むしろでーんと構えていてください」
マリちゃんず一斉に頷きます。私いらない子ですか…?
「その辺はおいおい。ともかく、シャルちゃんが無事なようで良かったで…す…」
一歩、サーナさんが部屋に入ると、
マリちゃんずがキュッと力を込めました。
この人数だと流石にちょっと痛いです。
それに気のせいじゃなくてもサーナさんを睨んでます。
「ちょ、ちょっと、マリちゃんずどうしたの?」
「…この人いやです」
そう呟いたのはどのマリちゃんかな。
さっきも私だけ突っ込んで行けって言われたからどうのって怒ってたしね。
サーナさんも見るからに落ち込んでます。
「シャルちゃんそっくりな子にはっきり嫌って言われるのは、とてもきますね…」
「そんなに似てますか?」
自分の顔よく覚えてないけど、
そうなのか。
「どっちかというと…娘は言い過ぎですけど、妹と言われたら納得します」
ちっちゃシャルちゃんですって。
私さっきまで自分と同じような姿の子をなでなでヨシヨシしてましたが!?恥ずかしい!!!
「私は気にしてません。それにマリちゃんも、あの時にああすることは仕方ないって分かってます。この子たちはちょっと過保護なだけですから」
もう終わったことだし。
あの時の被害を聞いても、
誰も大変なことにならなかったみたいで良かったです。
じゃあ、気になってたことも聴いておこっと。
「マリちゃんずはなんでギルドの仕事を手伝ってたの?」
「シャル様をダラダラさせるためです!」
はいー?
ダラダラのため?
代わりに働いてお金を稼いでるの?
私ヒモ処刑田舎娘です?
「シャルちゃん、この子達はマジですよ。動機はあれですけど、とても助かってます」
助かってはいるんですね…
さっきまでのを聞いてると逆に邪魔とかしてないかとも思いましたけど。
「シャル様のより良い生活のためならどんな敵地でも戦います!」
軍隊ですか。
いえ、本物は知りませんけど。
マリちゃん「シャル様に一切の労働の隙を与えるな!」
マリちゃんず「やー!!!」
サーナ(まあ、ギルドは回るからいいですか…)




