42 うちの子かっこがち?です
目が覚めました。
ここは、
ギルドにある私の部屋で、
私の布団です。
いつのまにか寝ていました。
いつの間にかって、いつからでしょう。
確か
街に魔物が来てて
一人で森に行って
急いで戻って
その時に
その時に何があったんですか?
むくり
今はいつくらいでしょうか。とりあえず起きて外の様子を…
「お目覚めですか、母様!」
…枕元に、女の子が立ってます。
話しかけられてようやく気づきました。
まっすぐな黒髪を頭の上で二つに結んで、それでもベッドの下まで伸びてます。
じっと私を見る顔はニコニコしてて、目は綺麗な赤色をしています。
…あ、左目は少し色が薄いです。
「お、おはようございます?」
「おはようございます!母様!」
「………誰ですか?」
「はい!処刑スキル《執行人形》です!」
ビシッと右手を斜めに顔の上へ。背筋もピンと立っててしっかりした子です。
じゃなくて、今なんて?
「しょけい、すきるなの…?うちの子…?」
「はい!はじめまして、母様!」
このキチッと元気な娘っ子は、うちの子だそうです。
「えっと、あなたは…マリちゃんでいっか。マリちゃんはここで何してたの?」
「母様のお世話をしながら、母様の回復を一日千秋の思いでお待ちしておりました!」
マリちゃん顔がむふーっとしてます。
話すたびに嬉しそうになるのは気のせいじゃないですね。
「そうだ、魔物はどうなったの?今はどういう状況?」
「魔物の襲撃から二日と少し経ちました街も人も被害は少なかったです。死んだ人もいません」
「それは良かった…え、私二日も寝たままだったの!?」
魔物が溢れ出るみたいに走っていったのを見て、それより後をよく覚えてません。倒れたのかな?
「とりあえず、サーナさんたちに起きましたって言いに行きたいんだけど」
「うぇ」
マリちゃんの顔がグニっとしかめます。
「…母様、私は母様の街を守りたい、魔物を許さないという熱い気持ちにとても感動しました。母様以上にあれだけ強く純粋な思いなどありません!」
なんだかとても褒められてます。私よりも立派な人なんてごまんといるでしょうに。
「だからこそ、この街は母様が守るに値するのでしょうか。母様に何か返礼をしているでしょうか。なぜ母様だけがこんなことになっているんですか!」
この子は、怒ってます。
でもこの子自身の怒りじゃないです。
私の代わりに怒ってくれています。
とてもの優しい子です。
表情とか声色とか、そういうのじゃなくとも、
わかります。
だってこの子はうちの子で。
処刑スキルは私ですから。
「…サーナさんは、苦しい気持ちを押し切って、少しでも沢山の人が助かる方法を選びました」
「…っ。はい」
だったら、この子にもきっと伝わるはずです。
「アートさんは、会ったばかりの私おを庇って、本気で心配してくれました」
「…。はい」
私は、はっきりと覚えています。
「街の魔法が使える人は、街の周りにいろんなものを作ってましたし。ギルドのみんなもすぐに準備をしていました」
「はい…」
誰もが恐怖を押し込めていました。
「戦えない人も、ものを運んだり、安全な場所に案内したり。誰かがなにかをしていました」
「はい…っ」
みんな、一緒に戦ってたんです。
「みんな、街も家族も好きだから。それぞれのやれることでみんなを守ろうとしてたんだよ。私はこんなだから、ちょっと危なかったし無茶だったかなって思うけど。私も、大切なものを守ってただけだよ」
「……ほんとは分かってます。母様は、優しいです。無茶しすぎです」
マリちゃんは私の体を優しく、強く抱きしめます。ふるふる震えてます。
ほんとに、うちの子は過保護なんですから。嬉しいですけどね。
にしても、私がお母さんですか…
マリちゃん「ママー!ママー!」
シャル「それは流石にあかん!」
マリちゃん「ばぶー!」




