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しゃる・ざ・りっぱー  作者: ゆずこ
ギルドで働きます
44/53

38 危ない状況です

飛び出してきたオオカミとアートさんは牙と剣を向け合いながら、動かずにいます。


その間に、タリさんが弓を構え、オオカミを狙います。


一本、二本刺さると、オオカミがひるみました。


その隙にフィカさんは風を鋭く吹かせ、オオカミは全身から血が出ました。


周りの風を払おうと暴れるオオカミに、アートさんの剣が一突き。多分心臓のあたりに入りました。


オオカミはそのまま動かなくなります。


初勝利です!


「すごいですね、お互いの戦い方がよく噛み合ってる感じがして」


「そうか?へへっ、いつかこうして戦う時のためにいろいろ練習してたんだよ。じゃあ、シャル。このオオカミをしまってくれ」


オオカミのそばで腰につけた魔法鞄…に見せかけた袋を取り出します。

実際に使うのはもちろん《鉄処女(メイ)》ちゃんです。ギルドの魔法鞄に見せかけるように、オオカミをしまいます。





それから、オオカミを五体倒しました。一度だけ二匹同時に出てきましたが、アートさんが一人を足止めして、もう一体をタリさんとフィカさんの少し強い魔法が倒しました。


「これで、半分ですね。アートとフィカは大丈夫?」


「大丈夫よ。まだまだ魔法も使えるわ」


時間は、ちょうどお昼頃でしょうか。パンを食べて、ここからは戻りながらオオカミを探すことになりました。


「思ってたよりオオカミがいないな」


私もそう思います。

平原オオカミは弱い分小さくとも群れで行動しています。この街に行く途中に私が襲われた時もそうでした。

それが今日は一体ずつです。はぐれも珍しいことじゃないですけど。

すこーし違和感です。


『《看守(ワーダー)》より進言。《警衛》の範囲を森全体に拡大。異常を調査します』


おぉ、《看守(ワー)》ちゃんちゃんと相談できてえらいえらい。こちらこそお願いします。


『許可を受理。《警衛》を強化します』


森全体を見るとかふつう考えつかないです。でもうちの子ができる、したいって言うなら応援しますよ!


『調査結果を報告。森の中心部で魔物の群れを確認。総数1768。強力な魔物を確認』


「なぁ!?」


1768ってなに!?

ここそんな危ないことになってたの!?

これは…依頼中断してすぐに戻るべき、ですね。


「どうしたのシャルちゃん?」


「…みんな、今すぐ街に戻りましょう!ここは危険です!」


「どうしたんだよ急に」


「説明してる暇はちょっとなさそうなんです!」


『《看守(ワーダー)》より報告。10体の魔物が接近』


こんな時に!?《看守(ワー)》ちゃんに任せ…


「いや、みんなが見れるところで倒せる!?」


『申請を受理』


「おいシャル!さっきから何言ってんだ!」


私が《看守(ワー)》ちゃんとやりとりしている間に、10体の魔物がもうすぐそこに来ていました。


「うそでしょ、なんで急に!アート、すごい速さで魔物が来た!」


「まじかよ、シャル下がって…」


言い切る前に一体の魔物が飛びかかってきます。


「《断頭台(だんとうだい)》!《鉄処女(メイデン)》!」


チリリリリリリリリ、ずばばばばばばしゃり


目の前の魔物とすぐ後ろからついてきた残りを見えない《断頭台(相棒)》と《鉄処女(メイ)》ちゃんで、断ち、しまう。


「なん…!?いきなり切られたの…?風魔法、いや魔力もなにもなかったし…」


「いい!?森に今のが200倍いるの!早く逃げるよ!!」


「にひゃっ!?どういうこと、いやシャルお前今のは…」


今答えてる暇ないの!騙してたのも後で謝るから!走る走る!!

《看守》『《断頭台》《鉄処女》《審判》《看守》《監獄島》より進言。《    》他処刑スキルの一時的行使を試行します』

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