36 学校行ったことないです
結局受けることにしました。ギルドの駆け出し支援依頼です。
内容は最近ギルドに登録した3人組の引率。年齢はみんな13で同い年。かなり熱意があり、それぞれが剣、弓、魔法のスキルを持っているそうです。
「スキルって確か10歳で持ってるんですよね?すぐにギルドに登録しなかったんですか?」
「シャルちゃん、ふつうスキルだけあっても使いもんにならないですよー。3年は学校でスキルにあった訓練をするもんですー」
スキルは技術、努力しないと意味ないんですよー、と。
そうでした。
ついつい忘れてしまいます。
私の処刑スキルは形をとって現れる上に、勝手に調節してくれる優秀な子ですので。
それと、学校。
これも大きめの街には大抵あるそうです。
スキルを良く使うために国が誰でも3年間入れるようにしています。
スキルごとの訓練だけでなく、文字の読み書きや計算などの勉強もできるので、殆どの子はスキルを手にする10歳からそこで過ごします。
「怠けたスキル持ちなんて、ただ練習しただけの人にも負けますよー。反面、努力の伴ったスキルは強力なのですが」
「よく聞く話です。自分がそこから外れてるとつい忘れてしまいますね…」
「それと、表向きはシャルちゃんを護衛しながらの依頼ということになってます」
それ初耳ですけど。
もうその3人組に伝えてあるの?
私がこの依頼受けたの今朝ですけど?
「なんでもう話がついてそうなのかは、置いときます。私の護衛なのはなんでですか?」
「いざとなったらなんとかしてくれるって油断をさせないためです。学校上がりの子達はよく突っ走っちゃうんですよねー」
「そういうことも考えてるんですね。だから一人でもみんなを守れるような人が選ばれるんですか」
納得です。頼っちゃったら成長しませんもんね。
「それでも一つ先に謝らないといけないんですけどー。シャルちゃん見た目は年齢より小さくて、可愛いふつうの女の子なので、余計なこと言われるかもですー」
「それは、子守なんざやりたくねー!戦いてー!っていう感じです?」
「そですそです。怒らずに温かい目で見てあげてくださいねー」
うぅ、たしかに。街の同い年の子と比べると若干ですけど小さいです。体も鍛えてないので強そうには見えないですよね…
「大丈夫です。うちの子は優秀ですし」
よろしくねー、みんな。
シャル「村でも一通り教わりました」
サーナ「今ではスキル頼りですよねー」
《看守》『一切の間違いもありません』




