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しゃる・ざ・りっぱー  作者: ゆずこ
プロローグ ある日のシャル
4/53

落ちていく 落ちていく

「…《断頭台》」


私が言葉を紡ぐと、ワイバーンを縛っている拘束が姿をあらわす。ちょうど首のあたり、そこからまっすぐ上に仕掛けが伸びている。その断頭台は、ところどころ赤く汚れ、何年も経っているように古ぼけている。しかし、捉えた首は決して離さない。


その真上、今も、チリリ、チリリ、チェーンが巻き上がっていく。ゆっくりと、確実に、首を、命を、断つために上がっていく。


がこん、と断頭台の動きが止まる。私は、ワイバーンをまっすぐ見つめる。


「ごめんね」

一言つぶやいた。


まっすぐ、まっすぐ(ギロチンが)、落ちていく。

じゃららら チェーン(まっさかさまに)、落ちていく。

あっという間に(ギロチンが)、落ちていく。

ざくり、どたんと(首をとらえて)、落ちていく。

どすん、ぶしゃりと(分かれた首が)、落ちました。

今日の処刑はだーあれ(罪ハ断タレタ)


役目を終えた断頭台はふっとその姿を消した。

残ったのは私と首と体だけ。

私は静かに手を組み、ただ彼の魂に祈る。どうか、どうか…


「じゃあ、あとはよろしくお願いします」


呆けて見ていた兵士さん達に一声かけて、元来た道を歩きだす。

兵士さん達は、はっと我に帰り慌ただしくいろんな方向に走っていった。適当に売ってくれればいいからね。



「あ、あの、シャルさん、待ってください!」


姫さんの声は少し震えていた。私は足を止めて振り返る。


「じゃあね、姫さん。もう会うこともないけど。

…お姫様にギロチンなんてもってのほかですから」


微笑みながら別れの挨拶を済ますと、姫さんはその場でしゃがみこむ。口を動かしているけど、何も言えないまま悲しそうにこっちを見ている。



ごめんね。

シャルやりすぎだ!ステイステイ!!!!

シャル「うるせー!こうでもしないとまた来ちゃうかもでしょ!!!!わーーーん!!!!!!」

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