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しゃる・ざ・りっぱー  作者: ゆずこ
ギルドで働きます
39/53

33 解体のお手伝い?です

「お、お腹いっぱいです」


「大満足ですねー。お値段からも考えられない満足感ですー」


お腹いっぱい元気いっぱいです。

それじゃあまたお仕事を頑張って…


「おい!シャルってやつはいるか!」


食堂に大きな声が響きます。


声の主は、誰ですか?

声も息も荒げて食堂に飛び込んできました。


これ、答えなきゃいけないです、よねー…


「あの…」


「あ!?お前かシャルってやつは!!!」


はいいぃぃぃぃ!そうですうううぅぅぅ!!!!


「ちょっと、ちょっと。いきなりこんなところで騒がないでくださいー」


「あ…わりぃ…でも、それもこいつが!あーもーとにかくこっち来い!」


何がどうなってるんです!?また迷惑かけてます!?今度はどのうちの子です!?あーそんなに引っ張らないでー!!



着いたのは、買取のとこの作業場でした。行くとこおんなじじゃん!引っ張らないでも来たよ!


「先生!連れてきたぞ!!!」


先生?どの人が先生?というかこの子なんでこんなことしてるの?


「ねぇ、私なんで引っ張られてきたの?」


「なんだミア、もう戻ってきたのか。ってそいつがシャルってやつかい?」


先生と呼ばれた人は手に刃物を持ったままこっちに来ました。

ぎゃー赤いです!怖いです!


「ミア、またお前勢いだけで連れてきたな?すまんね、うちのが」


「あっいえ…それで、私はなんで連れてこられたんですか?」


「先生が、お前が解体したやつを見てすごいって褒めてたんだよ。俺だってあんなにいわれたことねーのに…」


羨ましいとかずるいとかそういうのです?

いやいや、ありゃうちの子がやったことですから、うちの子に言ってください。


「だから、お前の解体を直接見たいんだ!見せてくれ!」


まさかのお手本だったー!この子ちょっと乱暴だけど、すごく頑張り屋さんです。

でも、うーん…私自身の力じゃないしなぁ…


「良ければ、俺にもみせてくれないか。あれだけ無駄のない解体ができるやつはそうそういない」


先生さんにも頼まれてしまいました…

そうですね…


そうだ。《看守(ワー)》ちゃん《看守(ワー)》ちゃん。私の代わりに動きだけでもやってくれない?ほかの子とも協力してさ。


『受理しました。《看守(ワーダー)》が代行します』


よし、いっしょにがんばろ!


「わかりました。私もスキル頼りですが、話せることは話しながらで。いいですか?」


「ああ!ありがとう!よっしゃー!」


お礼もできるいい子です。お弟子さん。



それで、運ばれてきたのはオオカミがいくつかと、シカかな?どれも魔物だそうです。血抜きはされてるから、前やった血ぃどばぁはしなくていいですね。


オオカミはともかくシカってどうやるんだろう、おんなじじゃまずいかな。


『《審判(ジャッジ)》より、オオカミとシカの解体情報を取得。これより代行を開始します』


早速、解体用の刃物を《看守(ワー)》ちゃんに動かしてもらいながら、私は《審判(先生)》の説明を伝えます。

今回は《断頭台(相棒)》も《処刑人の剣》も無しです。いい道具じゃなくて技術が見たいんだもんね。


「…だいたいこんな感じです」


いくつかの解体を終え、話せる事も一通り話しました。


「なるほど、刃物の動きに無駄がない。余計に力も入ってない。いい腕だ」


先生にも褒められました。

みんなで頑張ったからだもんね。嬉しです。


「…なぁ、お前、もっと上手くできるだろ?それもみせてくれねーか?」


え、なんのこと?

もしかして《断頭台(相棒)》のやり方です?でもあれは私本当に何もしてないし…

でもでも、やらないと引かなそうですね…


「あーじゃーはい、わかりました。でもこれはほんとにスキル頼りですからね?」


オオカミを一つ持ってきて。

さあ《断頭台(相棒)》、やっちゃいましょう!


縦横無尽に、中を刃が走ります。

チリリ、チリ、と鳴って、はいおしまい。

さすが《断頭台(相棒)》です。手際も器用さも最強です!

シャル「ミア君は言葉遣いが直ればもっといい子です」

ミア「親父ゆずりだし変えねぇよ。それに君ってなんだ」

シャル「・・・え?」

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