23 すごい子達です
スキル相談は続いていきます。
「私が一番気になってるのは次の《審判》です。いったいどこまで見えるんですか?」
「見ようと思えば、どこまでも、だそうです…」
そう、どこまでも。
それは例えば個人の記憶や思考なんかまで含んでいる。
基本は何が知りたいなという目的に沿ってそこだけを教えてくれるけど、たまに私に関係あるものや知っとくとお得なことも出てきたりする。
その辺は《看守》さんが調整してるのかな。
「私の他にも見るスキルを持つ職員はいますけど、それでもうちに欲しいくらいですねー。よければどうです?」
「私にできることなら、いつでも力になります…!」
それはもう、お世話になりっぱなしですもん。やらせていただきますよ。
「ではでは、その時になれば是非ー」
どことなく、獲物を狩る目をしていた気がしました。
「あとは《看守》と《監獄島》ですね。《看守》は自動支援、《監獄島》は絶対防御って感じですか。くやしかったなー」
《看守》は私の代わりに色々やってくれてる。
夜中の《警衛》なんかは、私がスキルを使おうと思ってない時に、知らせてくれたりスキルを使ってくれたり。
どうにも私より上手にスキルを使ってそうに感じるよね…
《監獄島》は剣や魔法、スキルすら効果無しにするとんでもなく過保護ちゃん。
それでいて、この子たちは私自身にも効果がある。
「《看守》はシャルちゃん自身を動かせて、《監獄島》はシャルちゃんから外への繋がりを消せる、でしたね」
「おいおい、嬢ちゃんの代わりに動くってのはなんとなくわかるけどよぉ。後のやつはどういうことだ?」
「それは、こういう感じです」
《監獄島》を私に使う。
私からすると特に何も変わってないんだけど…
「おぉ!?嬢ちゃんが消えちまった!?」
「びっくりしますよねー。私の目も当然効きません。シャルちゃんだけ切り取ったみたいにわからなくなるんですよー」
なんと言えばいいのか、私がここにいるっていうことが分からなくなるらしいです。
それは目で見えなくなって、匂いもしなくなって、存在感が消える感じです。
とんでもないけど、私だけがいなくなったって孤独感がすごいからそんなに使いたくないのよー。
「これは、結構心に負担があるのでできれば使いたくないです…」
「大体わかった。嬢ちゃんはちゃんとスキルとうまいことやってるみてぇじゃねぇか。まあなんだ、昔は大変だったってな」
「うぐぅ…王様にはやっぱり天敵みたいなスキルですもん、今は大丈夫かもしれませんけど…」
「シャルちゃんはいい子ですから咎められることはないですって。スキルをこんな短い間で手足のように使えるのも才能かもしれませんよ?」
怖いものは怖いんですぅー。
「なので、むしろ見せつけていきましょー!」
どぉしてそうなるんだい、サーナさんヨォ!!!!
シャル「派生は見たままの読み方しかしないみたいです」




