22 私のスキルについてです
オオカミを引き渡し、銀貨4枚を受け取りました。
初めて自分の力だけで稼いだお金だー!!!
絶対無くさないように《鉄処女》にいれとこーっと!
「買取はおしまいですね。じゃあシャルちゃんのスキルについて、もう一度確認していきます!」
ここからは私のスキルについてです。
今朝も変なの出てきたし、やっぱり詳しい人に相談するのが一番だと思うし。
サーナさんもギルド長さんもかなり期待して見てくる。
そんなに期待しないでください…
ただの田舎処刑娘です…
「最初に出たのは《断頭台》、断頭台を部品単位で具現化するスキルでしたね。その切れ味も扱い方も自由自在、攻撃力は言うまでもなく高いと」
「正直この子だけでも壁は作れるので、最強ですよー!」
胸を張って言いますよ。
憎いほど可愛いし助けられてるし。
「その上、刃の威力だけを他のものにつける派生《処刑人の剣》ですもんね。ちょっとこれでつついてくれます?」
手渡されたのは紙を棒に丸めたものと、机の端を指差してます。
本当にいいの…?
紙を持って《処刑人の剣》を使う。
優しく机に触れさせると、サクッと沈むみたいに切れ込みが入りました。
サーナさんとギルド長さんから拍手をもらいました。いやいや一応人の家の家具に傷つけたんですけど…
「シャルちゃん自分で武器だせるのになんでも武器にしちゃえるんですね、それを私が使っても…はできないですかー」
さっきの紙をひたすらぺこぺこ叩くサーナさん。
少なくともうちの子が誰かに悪用されることはなさそうで良かったです。
「では、次です。さっきも使った《鉄処女》は魔法鞄の上位互換。容量無制限で時間も経たない。物資管理する人から見たら垂涎もののスキルです」
スキルとして、魔法鞄を効果以上に使いこなすものはあるらしい。
その場合、容量が増えたり熱をそのままにするなどがある。
うちの子どっちもできちゃうんですなー。かしこいかしこい。
「生き物は入れねぇのか?誘拐し放題じゃねぇか」
がっはっはと笑ってるけど、笑いごとじゃねーんですよギルド長さんよぉ。
多分、できる。
でも入れられた方の気持ちを考えると、絶対やっちゃいけないと思います。
中どうなってるかわかんないけど怖いじゃん!
「《鉄処女》だけで、うちにある荷運びの依頼はほとんどシャルちゃん一人でこなせます。食料とか入れておけば遠くに行くのもできますし、素材を最高の状態で回収・保存ができるしで最高の支援要員ですねー」
よせやい、照れちゃう。
そうです、うちの子最高に有能なんです。
まあ私の体力はダメダメなのでそんなうまくはいきませんけどー。
シャル「スキルには普通っぽい読み方とスキルっぽい読み方があるんです。《断頭台》なら『だんとうだい』でも『ギロチン』でも大丈夫です」




