19 今日という一日です
「えっじゃあなんです、私無駄に悩んでた!?」
「はい、あーいえ結構使い方によっては危険なので、慎重になることはいいことだと思いますよー」
ニヤニヤすんな常識お見通し受付さんよぉ…
気づけば、外はすっかり夜になってた。
「わっやばっ、泊まる場所まだ探してない!」
「あちゃーそれはすいませんでしたー。こっちの都合でかなり引き止めてしまって」
「いえ…元は隠せもしないのに隠そうとした私が悪いですし。それにいろんなことを教えてくれましたし、でもどうしよう」
「よければギルドに泊まってきますか?いつでも寝れる場所は用意してますよ」
それは、有難いです。
ちょっとだけ田舎娘一人で宿を使うのも怖かったし。甘えさせてもらいましょう。
「でも、いいんですか?贔屓とか言われたり」
「なんのなんのー、駆け出しを支援するのもギルドの仕事です。特に、シャルちゃんはいい子ですからねー」
じゃあまた明日、しそびれたオオカミの買取も朝のうちにしちゃいましょうと約束して、部屋に案内された。
もう利用者はいないのか、ギルドは来た時よりも寂しく見えた。
簡単な寝床に窓一つ、本当に寝るためだけの部屋でした。
荷物もないから都合がいいってもんです。
今日一日は、色々ありすぎました。
勢いだけで飛び出して、軽く命の危機を迎えて、すぐにばれて、教わって。
これも、返したい恩です。
私にできることがあれば、お手伝いしよう。
いや、ギルドだから依頼をすればいいのかな?
明日…聞いて…みよ…う…
「すぅー………すぅー………」
深夜、ギルド内。
「ん?誰かいんのか、サーナか?部屋の鍵忘れてんぞー」
男が扉に手をかける。その瞬間に、
『《警衛》より報告、接近者有り。《看守》が代行します。』
眠れる処刑人へ語りかける。
ガコン、チリリリリ、カチッ
「うおお!?んだこりゃああ!?動けねええええええ!!!!」
『敵意無し。代行終了。判断を仰ぎます』
シャル「あぁなんてことを…」




