12 街です
もうすぐ街に着きます。少し大きな石の壁で囲われているけど、隙間や門、聞こえてくる音から街の様子が伝わってきます。やっぱり村よりも多くの人が行きかい、賑やかな日々を過ごしているんだなー。
街の出入り口の門には門番さんらしき人がいいました。そこへ、門番さんよりも個性的な格好をした人たちが度々挨拶して出たり入ったり。そのだれもが帯剣してててるし、多分ギルドから街の外の依頼をこなしているのだと思う。
「あの、すいません」
少し緊張してるけど、意を決して門番さんに声をかける。私の一人暮らし第一歩だ。
「ん?なんだい嬢ちゃん、外行ってたのかい?」
「あ、いえ、この街の人じゃなくて、えっと、向こうの村から来ました」
「向こうってーと…ああ、あの辺か。その様子だと、街は初めてかい?お父さんやお母さんは?」
「一人で来ました」
そう言うと、門番さんは少し顔を険しくした。
「…うん、そうか、まあ嬢ちゃんは悪いやつじゃなさそうだしな、初めてなら身分を示すもんも無いだろう、街に知り合いは?」
「あ、そうか、身分…えーっと、私はシャルっていいます!あと、知り合いはいません…」
「ははは、そうかシャルちゃんか、だったら生活はギルドで稼ぐつもりだな?そこでギルド証を作ってもらえば今度からそれで大体の街はいけるぞ」
簡単なギルドへの道を教えてもらい、今回は特に何もせずに通れることになった。
「ありがとうございます!」
「いいってことよ、大変なこともあるだろうが頑張れよぉ!」
村の外、私にとって初めて体験。不安もあったし、何より自分が厄介なことを抱えてることが怖かったけど、ただ人と話せただけで少し救われた気がしました。




