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10 おーしーいーれーでーすー
「で、えっと、《鉄処女》ちゃんは結局中にものを入れるって使い方でいいんだね?」
《断頭台》さんをしまい、入れ物計画再開だ。
ひとまず、《鉄処女》の中にその辺の草をちぎって入れてみる。扉を閉める。変化なし。
うーん、なんか、もっと入れ物としてすごいんだと思うけど。《審判》先生の言ってた、出れないのと悠久を過ごす、ずっと中に入れっぱなしってことだよね。
「…入れっぱなしって、もし今《鉄処女》ちゃん自体をしまったら…」
《鉄処女》をしまってみる。
今までと同じようにふっと消える。
別の場所に《鉄処女》を出す。
扉を開けると、さっき置いた草が入っていた。
「中身ごとしまえてる、よね?」
しかも、悠久を過ごすって、つまり腐ったりしないんじゃないか!?まだわかんないけど、それはオオカミをしまってみて実験だ。
見た目こそ怖かったけど、それはもうちょちょいといじる。
とりあえずまーるい柱っぽくしておくか。無骨だけど今は良し。どうせ見えないように透明にするしね。
大変便利な押入れができたなぁ。




