7 暇な一人旅です
うちの村は、特に秘境というわけでもなく結構近くに大きめの街がある。王都ほどではないけど、庶民や田舎者には十分すぎるほど人も物も溢れている。
村にいられないと思い切って飛び出したはいいけど、やっぱり故郷とずっと縁を切るのはできないみたいです。まあ、上手く立ち回れば問題ないからね…せっかく自分の力だけで何かを成すことができるかもしれないのに、抑え込んで今まで通り過ごすよりも夢を見たかったんだ。
小さな旅の道中、最低限の荷物とその身一つで、これまでの自分、これからの自分、そして今の自分についてぼんやり考えていた
私のスキルはとても自由に調整できる。それに派生っていう応用の型もできた。
処刑スキル《断頭台》
その手は万物を自在に断ち切る。対象は苦しみなくその刃を受け入れる。
村長さんの本には、《断頭台》の記述がこうあった。
切れ味についてはとてもよく分かってる。木も石も、子供の私の力であっさりと切れたし。《処刑人の剣》は《断頭台》の切れ味だけを発動してるってことかな。だったら剣じゃなくても、木の棒で同じことができるかもねー。
でも、断頭台そのものを出したり、一見全く別のスキルっぽい派生についてもなにも書いてなかったと思う。
材質を変えることも横や上に落とすこともできる。切れ味だけが発動するなら、鎖や台だけを出すことも…できた。できちゃったのだ。なにもないとこから鎖を出して引っ掛けて、すすーっと動いたら手ぶらで歩けるかなぁ。私を囲むようにしてただの壁みたいに台を並べたら即席の盾にもできるちゃうかも?どのくらい耐えれるかはわからないけど、なんとなくとても硬そうだと思う。
一人だし、歩いてる時はかなり退屈だ。思いついた使い方をちょこちょこ試してみる。いくつか派生としてすぐ出せるようにしたいなぁ。
やっぱり、私のスキルは自由がすぎるかもしれない。




