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救出作戦実行 アンドゥー

 彼女は思ったよりも早く戻ってきた。二人も意外だという表情を浮かべている。ユリアを睨みつけていたので、そんな簡単に口を割ると思えなかった。


「お待たせしてごめんなさい。内部の情報は把握できたわ」


「……あのぅ、ユリアさん……あの男は、どうしたのかしら?」


「眠っているわよ。冷たい場所で」


「……そうなんですね」


「あら、エリーザさん。顔色が良くないようですけど。ご気分が優れないのかしら?」


「……」


「林の中で休まれては? ひんやりして涼しいですよ」


「……大丈夫です。たった今、良くなりました」


「それは良かったわ。エリーザさん」


 彼女が内部の状況を説明している。廃屋の一階では、五人の男たちが食事を摂っている。なかには一杯ひっかけている者もいるという。


 ニコラは二階に監禁されている。両手両足を縛られていて猿ぐつわをされている。そこから侵入されることは露程も思っていないので、見張りはいないとのことだ。


 もし捕まった男が期限内に戻ってこない場合には、当初予定していた場所でなく、第二候補に移動する手はずとなっている。男は、この事を持ちかけてきた者に成功した事を報告しに行くつもりであった。


 ユリアはニコラ救出の為綿密な計画を立てている。彼女は廃屋と周辺の図面を折れ枝で地面に描いている。それを指し示しながら、私たちの配置について細かく指示する。


 次に各々の動きについて、図面を指し示しながら確認する。連携を乱してはいけないので各自頭にたたき込む。


 この短時間での彼女の状況判断と救出計画の立案力には、驚かされ感心するばかりである。


 各々彼女の決定した配置につく。周囲を取り囲んでいる衛兵が、位置した場所から内部に男たちの姿を確認している。それを確認できた者は、近くの者に知らせる手はずになっている。


 その連携により、どの位置にいるかを共有し最終的にユリアの伝達される。その情報を受け取った彼女が次の作戦を近くの者に指示し、それが次の作戦実行者に連携して伝わる。


 私と衛兵二人が、男たちの居ない裏手へ回る。窓が少し開いているのが確認できる。この間ローレンスと行ったように、組んだ手を足場にして侵入を試みる。私は窓の隙間に右手をかける。


 打ち合わせ通り肩車をしている衛兵にの肩に足を乗せ、左手で窓を開け両手を使って廃屋に侵入する。下から衛兵が、つなぎ合わせた捕縛用の縄を投げ込む。


 私はそれを掴み取ると一人ずつ引上げる。私たちは剣を抜きニコラの捜索にあたる。一人は廊下の壁に身を潜め、階段から男たちが上がってこないか監視している。


 私たちは共同で一部屋ずつ、音を立てないように慎重に調べている。残り二部屋である、私たちは右側のノブに手をかけ、そっと扉を開く。


 すると、そこにはニコラが居る。彼女は両手両足を縛られていて、猿ぐつわをされている。その目には涙を浮かべている。私は、その姿を見て心が痛い。素早く手足の縄をほどく。


 私は猿ぐつわを外すのを躊躇う。それは、もし彼女が声を上げて、下の奴らによって彼女が危険に晒されるのを回避するためである。


 一方で、それは私自身が危険な目に遭うのを避けたいのではないかと、自己嫌悪に陥っている。しかし、そんな暇は無い。私は人差し指を唇に添える。彼女は理解してくれたようで頷いてくれている。


 私がそれを外すと、彼女を抱き上げ元来た場所へと戻る。衛兵が急いで柱に縄を縛り付けて、引っ張って強度を確かめている。


 私は手振りで下を監視している衛兵に、撤収の合図をする。彼が部屋に入ってくると、階段から上がってくる足音がする。


 私は彼にニコラを託す。ここの扉を開いたまま階段へと向かう。もし見つかった場合は、ユリアから殿しんがりを努めるよう指示されている。私は剣を抜き様子を窺っている。


 そうしながらも、ニコラたちを見る。彼女は衛兵に抱えられ降下していく。もう一人もそれに続く。私は、それを確認すると安堵するとともに気を引き締めている。


 一人を先頭に、その後方に二人が上ってきている。先頭の奴が上り終えた途端に、その前に出て蹴り落とす。


 残りの二人が急いで駆け上がってくる。私は元来た部屋へ駆け込むと、縄を切り窓から飛び降りる。


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