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身の危険を察知する少年と卑怯な騎士

「でもね、お兄ちゃん。でも、他のところは、あのお姉ちゃんが全部大きいから勝ってるんだよ」


 ナニヲイッテイルンデスカと焦る。マチルダは今にも襲いかかってきそうな勢いである。そして、先程の出来事を思い出す。


 アンはニコラの耳元で何かを囁いていた。それは、この事だったのだ。


 私は素早くアンを見る。彼女は察知していたのか、もうすでに私は関係ないという感じで天井を見上げている。


「ニコラ。お嬢様たちの前で、そんなことを言ってはいけないよ!」


「そうなの?」


「そうなのっ!」


「わかったです」


 そう言いつつも、納得していない様子だ。彼女は良かれと思い私に教えてくれたのに、そんなことを言わなければならないことに心が痛む。


 私は再びアンを見るが、その姿勢を崩していない。彼女は、後ろにでも目がついているのだろうか。


 私は恐る恐るユリアとエリーザを見る。彼女たちはゴミでも見るような眼差しを向けている。


 彼女たちはニコラへの言葉が気に入らないのは理解できる。しかし、そのような眼差しを向けられる程、悪いことをしたのだろうか。


 そのような態度とコレまでの疲れからか、涙がでそうになるが堪える。


 ニコラが、ユリアとニコラの元へ向かっている。この時点で嫌な予感しかしない。ニコラは手に巻き尺を持っている。


 ニコラが手で屈むようにエリーザに催促している。彼女は笑顔でこたえ、屈み両手を挙げている。


 私は、この場にいてはいけないと察し店から出ようとする。


「あら、アンドゥー! 何処へ行くのかしら?」


「暑いので外で涼もうと思いまして」


「外の方が暑いと思うのだけど。まぁ、いいわ」


 外に出ると安堵する。そのせいなのか、体の力が抜け倒れそうになったので壁にもたれかかる。


 気のせいなのか、開放感からなのか、暑いはずなのに涼しく感じている。私は体に異常をきたしてしまっているようである。


 しばらくすると、体に力が戻ってきた。私は両手で壁を押して立つ。


 周りを見ると、各家の馬車が停まっている。すると、マチルダの警備主任と目が合ったので逸らせる。


 下を向いていると私に影がが伸びてくるのが見え、鎧をつけた足が見え、ゆっくりと顔をあげると奴がいた。


 私は顔を見るのも嫌なので、背けると覗き込んできた。私は目をとじる。早くこの場を立ち去って欲しいものだ。


「オイ! 使用人ごときが無視してんじゃねえぞ!!」


 耳元で大声で叫ばれた。そのせいでキーンと耳鳴りがしている。まだ何か言っているようであるが、聞き取りづらい。


 私は、うんざりしていて、その姿勢を意地でも崩すつもりはない。まだ何か言っているが無視し続けている。


 その態度が気に入らないのか、胸ぐらを掴まれ激しく揺さぶられいる。今日の私には、この程度どうって事無い。


「坊ちゃん」 


 ヨハンさんが、もの凄い形相でみている。私は手で来なくても良いと合図する。


 ヨハンさんなら、コイツ程度なら一捻りであろう。しかし、問題を起こして、ヨハンさんが何らかの処分を受けるなんて耐えられない。


 私は、しょうがなく口を開く。


「決着は試合で決めませんか? それとも負けるのが怖くて、ここで怪我させて棄権させるつもりですか? 誇り高き騎士さん」


「なんだと!! このクソガキ、舐めやがって!」


 コイツは拳を高く振り上げ下ろそうとしている。私も、これを甘んじて受け入れる気はさらさら無い。その時、扉の開く音がした。

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