約束と友情の証のペンダント ローレンスとクリスティーナ
少し遅れて、私は約束の時計台の下に着く。二人に遅刻を詫びる。彼らは笑って許してくれる。彼らから服の右袖を気にされたが、私は派手に転んだと告げる。ただでさえ、彼らは心配してくれている。なので、私は本当のことなんて言えるはずかない。
私は滅多に街には来ないので、建物を見る度に新鮮さを感じる。行き交う人の多さに戸惑う。すれ違う人と肩が当たってしまうほどである。
二人に案内されて、いろいろな店を見て歩いている。私たちは服屋に入る。そして、私たちは互い試着して、お互いの服を見せ合っている。すらっとした体型のローレンスは、とても服が似合っている。クリスティーナは可愛らしい服と合っていて可憐である。
ローレンスに誘われ食堂に入る。学院を除いて外で食べるのは、私にとって初めての出来事である。それなので私はメニューを見ても、どれを選んでいいか分からない。
彼が自身のお勧め料理を教えてくれたので、それに決めることにする。人気の肉料理だそうだ。クリスティーナは魚料理を頼むそうだ。それは、野菜と一緒に煮付たものらしい。彼らたちと会話を楽しんでいると、料理が運ばれてくる。
「さぁ、いただこう」
「そうしよう。ローレンス」
「そうね」
スパイスと香草の香りが食欲をかき立ててくれる。初めての料理を口にする。
「アンドゥー、お味はどうだい?」
「口中に肉汁が広がるね。とても美味しいよ。ハーブとコショウが効いているのかな」
「そうだよ、よくわかったね」
「たまたまだよ。クリスティーナの料理は、どうなの?」
「おいしいわよ。一口どう?」
そう言うと、彼女が皿に取り分けてくれる。味が浸みてて美味しい。
私たちは食事を堪能して店を後にする。クリスティーナが行たい店があると言うので、彼女について行くことにする。そこは装飾品店である。予約した商品があるというので、私たちは店の外で待っている。
「何を買ったんだい?」
「気になるの?」
「ちょっと興味があって気分を害してしまったかな?」
「そんなことは無いわ。これよアンドゥー」
彼女は、それを手のひらに乗せて見せてくれる。それは花のトップのシルバーのペンダントだ。
「へぇー、綺麗だね。クリスティーナに合ってるよ。さっそく、かけてみるといいよ」
「アンドゥー、これはアナタのよ」
「えっ」
「そうだよ、アンドゥー。誕生日プレゼントさ。二人で買ったんだ」
「ローレンスと二人で選んだのよ。さぁ、首にかけてあげるね」
私は少しかがみ、それをかけてもらう。私は照れくさいが、それには彼らの優しい想いが詰まっている。私は思わず目頭が熱くなる。
「クリスティーナ、ローレンス。ありがとう」
「友人じゃないか」
「そうよアンドゥー。トップの裏を見てみて」
私は手に取り裏返してみると、そこには私の名前が刻印されている。
「見てアンドゥー、ローレンスも見せてあげて」
すると、二人は服の襟に手を入れ取り出す。それは同じペンダントである。裏には彼女らの名前が、それぞれ刻印されている。
「これは友の証さ」
「そうよ、アンドゥー」
「本当に二人ともありがとう」
私は余韻に浸りながら、しばらく街を散策した後に二人に別れる。私は大変嬉しくて、ずっとペンダントを眺めながら帰り道を歩いている。そのせいで、私は転んでしまう。しかし、痛みなんて感じない。