25.撤退
――Hayato
翌朝、CVは恐らく全員退却した。
キョウジさんの話では、ジュンナさんが恐らく超人化した結果、相手を倒したとのこと。肝心のジュンナさんは、その時の記憶が無いと言う。
そして、カエデちゃん提案のステータスの項目について、RESISTの方が適しているのではないかという話もあったけれど、半分、どうでもいい話と言えばどうでもいいと言える。
念のため、クルセイダーの方々の調査で、恐らくもう安全だという保証を得た上で、まずは帰宅した。
テレビでニュースを見ると、今回の件では自衛隊も動いたらしい。
街にはかなりの被害が出たらしい。それについては、寄付を募るという情報もあったから、僕もそれなりの金額を寄付しようと考えている。
自宅に帰り、とりあえず食事。明日は出社しようと考えて床に就いた。
会社のビルは、ほぼ全ての窓ガラスが割れていた。
だが、逆に言えば、それ以外の損害は少ない。不幸中の幸いと言えるだろう。
間違いなく、国際問題の火種だが、CVは、アメリカ国内でも問題視されているとのこと。アメリカ出資の上で、共同で対策を練ることになるのではないか、とは同僚のスラーさんの話。スラーさんの名前に関しては、本当は濁って、更に言えば”ス”ではなく”ツ”なのだと言われたが、どうやら、それを話のネタにして笑いを取る、面白い人らしい。
会社も、瞬間的な出費が痛く、僕に寄付を求められたので、素直に応じて、1億。但し、新しい『Dark Cat』が売れたら、本来は最初の報酬のみの予定だったが、寄付した額が額なので、多少は支払うと約束してくれた。正直、最初に貰った額がおかしかったので、寄付した額を差し引いてもお腹一杯ですという気分なのだが……。
とりあえず、損害に対する復興が終われば、この一件は、ひと段落、といったところらしい。
そして、僕の役目は、まだまだこれからという話なのだが……。
ひとまず、今はここまでのお話。
第一章 完