18.Walkyrie
――Kyoji
Wyvernで空を翔けながら、CVを探す。
見つける度に立ち止まり、Salamanderで炎弾を放つ。
敵の主武装は、Dragonのようだった。最初から軍事用に開発された、ヤバいサイコソフトだ。だけど、ならば俺のSalamanderは相性が良い!Dragonで生み出すエネルギー障壁は、Salamanderの前では燃料!敵ごと燃やし尽くせる!
「墜ちろ、ヤンキー共!!」
しかし、なんて数のサイコソフトを導入していやがる!俺も、既に100を超えるDragon使いを始末したが、まだ山ほどいるようだ。……恐らく、自家生産したサイコソフトを導入しているのだろう。……恐ろしいことだ。
……そして。俺は燃料切れになった。脳の糖分が足りなくなったのだ。
歩くだけでもフラフラする。テレパシーで連絡を取り、テレポーターに回収を頼もうと思ったのだが。
「……連絡がつかねぇ」
テレパシストが、何か用事でも抱えているのか?
俺、今、敵に遭遇したら、死ぬと思うんだけど……。
「Here!」
英語で会話が聞こえる。……見つかったか?
一撃、迎撃するだけの余力はあるだろうか?既に、空は飛べない。
「リーダー!!」
俺の前に、女が立ち塞がる。俺を庇うかのように。その左手には、光の盾。放たれたDragonのエネルギー弾を全て防ぎ切る。
……見たことのある女だ。クルセイダーのメンバーなのは間違いない。だが、こんなサイコソフトに適性のある奴だったか……?
「戦えますか!?」
「いや……厳しいな」
「3名、すぐに援軍が来ます。それまでは、私が守ります。誰か来たら、テレポートで帰還して下さい!」
「悪いな」
「あ!」
彼女からは、数本のサイコワイヤーがどこかに繋がっている。テレパシーで連絡を取り合っているのか?
「エルザさんとのネットを組みました!一名、墜とします!!」
光の槍が投擲される。敵はエネルギー障壁で防ぐが――貫通した!?
「……まさか、Gungnir……?」
「ええ!……消耗が激しい!!」
敵は、残り4名。2名が近付いてくる。
「チャンス!!」
光の盾と槍を生み出す彼女は、近付いてくる1名に盾を向け、もう1名に槍を突く。
敵も馬鹿ではないらしい、盾で防ごうとはせず、回避する。
「……!ラジャー!!」
だが、彼女はこのチャンスに光の槍を消して、盾で身を守る。
「「がっ……!」」
遠距離から攻撃を仕掛けていた2人が、光の槍に貫かれて絶命する。その背後に、クルセイダーの女性が2人。
不意に肩を叩かれる。
「エネルギー切れですか?
帰還して下さい。ここは私たちにお任せを!!」
一瞬の後には、俺はエルサレムにテレポートで転送されていた。
「……どういうことだ?」
後方支援が役目の連中が、戦っている。それは分かった。
だが。
何故、その戦う能力を得たのかが分からない。
「キョウジさん!とりあえず、休んでいて下さい!
誰か、パフェ!何でもいいから!
……ひと段落したら、説明します!」
後方で補給するだけのはずのここが、まるで戦場のようだった。
……何かあった。
それは分かる。
そして、それは多分、あの連中が何かをもたらしたということなのだろうと推察した。
英語の使い方が間違っていたらゴメンナサイ……。
辞書で調べはしたんですが……。