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混沌なる迷宮の王  作者: しいなみずき
サバイバル編
39/44

迷宮レベル38 狂信者

 Dランクパーティ『クライシス』。先日ギルド長より、直々に依頼を受けた強者のパーティ。

 彼らは困惑していた。


「これ、は……転移結晶が使えない……?」


 反応を示さない転移結晶。通常であれば白く光り、魔方陣が発生するのだが、今や鈍く光り、反応を表さない。


「どう言うことだ? ここは条件を満たした広さはあるはずだ。と言うよりも、こんな反応は見たことがない」


 ハデルバートが怪訝な目で転移結晶を見詰める。

 転移結晶を発動する際に必要なのは、地面の一定以上の広さだ。ハデルバート達は歩き回り、出口が見付からないことから、広場を見付け転移結晶を起動してみたが。


「なんだってんだ、これは。これも地震と関係があるのか?」

「落ち込むなってハデル。原因はあんだろ?」


 バルドゥルの言葉に、ハデルバートは冷静に頷く。


「そうだ、な。これ程の現象、今まで聞いたことがない。……もしかすると、何者かが迷宮核に細工を施して、迷宮を狂わせた、とかな」

「出来るんですか、そんなこと?」

「……分からん。あくまで推測、想像にすぎん。いや、待てよ?」


 ふと、ハデルバートが難しい顔をし、思考し出す。

 ――こんなことはあっては、ならない。しかし、もしもこれが当たっていたとすると……。


「どうしました?」


 アデルが不思議そうに問い掛けてくる。


「いや、下らない、想像なんだが」

「言ってみるがいい、隊長殿。この非常時だ、意見は出来るだけ聞いておくべきであろう」


 その言葉に後押しされ、ハデルバートは静かに口を開く。


「……何者かの意図が、この迷宮にはあるんじゃないか?」


 この言葉に皆が不可思議な表情を示す。当たり前だ、迷宮とは自然の産物。完全なる未知の領域。人智の及ばぬ魔界だ。

 そこに人がどうやって介入しようか。


「聞いてくれ。まず、この迷宮には色々な不審な点が多くある。異常に早い成長速度、大量に見付かった財宝、それでいて行方不明者の多さ、ベェネの見付けたボスエリア、何より先程戦ったトロール。

 どれも怪しいが、俺が当たりをつけたのは、この迷宮で急に(・・)見つかるようになった財宝だ。俺達が見付けた財宝。この迷宮は当時は『宝物庫』と呼ばれ、そう強い魔物も居らず、それでいて財宝が大量に見付かるからと、多くの冒険者が脇目も振らず訪れていたようだ。しかし、後から見ると、行方不明が、あまりに多い。Eランクにしては、あまりに。これはまるで、餌じゃないか? 財宝を撒き餌に、冒険者を誘き寄る」


 確かに、筋は通っている。財宝を餌に、多くの冒険者を誘き寄せたのは、周知の事実。しかし、だからと言って迷宮に人が介入できるのか。


「もちろん、異変はあれど核心的なことは特にない。だが、もしかすると、この迷宮の奥底で、人知れず何か恐ろしい実験をしているイカれた魔術師がいるのかも……そんな下らない想像だ」

「なるほど……確かに、あり得なくはないかもしれない、ですね。ですが――」


 とは言え、迷宮核の研究は他でも行われている。しかしその時に問題となるのが食糧だ。実力があれど、長い期間潜っていられるだけの食糧がない。転移結晶では脱出は出来れど、元の階層には戻れない。食糧を運びながら迷宮の最深部を目指すのは危険だし、何より手間が掛かりすぎる。高位の冒険者を指名してもいいが、彼らは金がかかりすぎる。

 低ランクの迷宮なら楽ではあるが、迷宮核が小さすぎて、出来ることがない。

 国を挙げて一度大掛かりな調査に出たこともあったが、成果のなさと、研究維持費に金が掛かりすぎ、結局は中止したほど。


 故に、アデルはその可能性をやんわりと否定する。


「言っただろ、ただの下らん想像だ。ま、こんな状況だ。何かあることを信じて最深部にでも行ってみるか」

「んじゃ、結局変わらずに歩かんといけねーのか」

「ふむ、それに変わりないであろう。それにしても隊長殿、なかなか興味深い話であったぞ」


 アデルの冷静さはこの状況すら打開してくれそうな、気力を与えてくれる。バルドゥルの気だるげな様子は焦りを無くしてくれる。イガルデのいつも通りの自信は生き残れると勇気を与えてくれる。

 ハデルバートは深く深呼吸をし、この四人でなんとしても生き残れるよう決意を固める。


「……!」


 四人が、一斉に反対側の通路を睨む。

 集団だ。気配を隠している様子もない、ずかずかとこちらに歩いてくるのが分かる。


 暫くして、その集団が姿を現す。一様にして薄汚れた姿をしている。血の臭いがキツい。ここに来る前にナニかを殺したのだろう。何人かは血がこびりついている。


 ――盗賊。そんな言葉が自然と浮かんでくる。


「見掛けない顔だが、何者だ?」


 その問いかけに、薄汚い男達の先頭にいた男が前に踏み出し、下品な笑い声を上げる。小物らしい、そんな男だ。


「俺達かぁ? 俺達はなぁ、冒険者だぜぇ?」


 ふざけた口調でそう告げるのは取り巻きの男達。

 冒険者と言った。しかし知らない。見たことがない。エディシスに拠点を構える『クライシス』の面々は、彼らの顔などみたことがなかった。


「ああん、んだよその顔はよぉ、冒険者様には見えねえってか?」


 先頭に立ってニヤニヤと笑っていた男が一変、『クライシス』を睨み付け、喧嘩腰にそう言ってくる。

 しかしそこには真剣さがまるでない。ふざけている。と言うよりも状況が理解できていないのだろう。恐らく、盗賊であろう。たまたまここに居着いていて、先程恐慌に陥った冒険者を殺し、図にのってしまった輩。

 ハデルバートはそう判断した。


「イガルデ、任せる」


 下手に正当性を求めるよりも、怪しきは断じる。それが最善だと分かっている彼は、イガルデに盗賊らしき集団の討伐を命ずる。冒険者と名乗ろうが、明らかに怪しい輩である。下手に悩むよりも、討伐してしまった方が、なによりこの状況下において、最善と言える。


 ハデルバートの指示にイガルデは渋々と前に出る。明らかに嫌そうな表情の彼。それもそのはず、彼、イガルデは強敵との闘いのみを望む男。

 盗賊という、弱者をいたぶる趣味は無いのだから。


「おいおいおい、待ってくれよ。俺達はまだ何もしてねえぞ? こりゃ殺人じゃねえのか? ああ?」


 男はまだ、自分の立場を理解できていないのだろう。目の前の屈強な男に、自分達が殺せるはずがないと断じている。


「でけえなぁ、あんた」


 ゆっくりと歩み寄ったイガルデに警戒すら抱こうとしない男。そうして止まった地点は、既にイガルデの間合い。しかし両者どちらも余裕を保っている。イガルデは出来の悪い息子をたしなめる前の父親のように、盗賊の男はヘラヘラと、終始ふざた態度。


「心配するな、弱い者を虐める趣味はない。一撃で――――終わらせるッ!」


 言い終わる間際、イガルデは拳を振るった。盗賊の男はヘラヘラとしたまま、その拳を目で追うことも、認識することなく顔面にぶち当たる。

 イガルデの拳は重く、固い。生身で岩すら易々砕き、鉄すらもその衝撃で曲げてしまうほどの威力。それが盗賊程度の顔面に当たればただで済む筈がない。

 加えてイガルデの拳は意図、あるいは威力が強すぎない限り、衝撃を逃がさず、その対象に全てをぶつける。


 ――血が舞った。


 周囲が、あまりの驚愕に目を見開き、硬直してしまう。


 あり得ない。そんな筈がない。まさか、そんな馬鹿な。


 困惑のあまり、どうすればいいのか分からない。盗賊の面子は、唖然とした表現で、殴られた男を見詰めていた。



「クソォ……なんだこれ、なんだよこれは……! てめえ……いてえじゃあねえかッ!」


 生きていた。イガルデが魔力を籠めずとはいえ、本気で殴ったのにも関わらず。


「畜生、ちくしょう、ちくしょう! どう言うことだよ、なんで、なんでいてえんだ……。お、俺の信仰心は、一番のはず、なんで、なんでなんでなんで……」


 男の目が、鋭くなる。ふざけた態度はやめ、拳を握る。固く、固く。


「そうか……てめえ、悪魔か。だから、俺に痛みを……!」


 怒りと絶望。その目はその二つの感情を織り込んでいた。

 固く握った拳。それを構えると、イガルデに向かって放つ。

 無論、イガルデはそれを受ける筈もなく、男の耐久力に警戒心を一気に上げ、間合いを取るべく後退する。


 強者の雰囲気はまるで感じなかった。特に鍛え上げられた体、と言うわけでもない。武術の心得があったようにも感じなかった。そもそも、イガルデの拳を反応すら出来なかった手合いだ。まさか鼻血を噴き出させる程度のダメージしか受けてないなど、誰が思おうか。


 その時、イガルデの腹部に衝撃が走った。咄嗟に意識を腹部に向けると、拳が見える。


「これ、は……!」


 間合いをとったはずの男だ。しかし、その取ったはずの間合いを、この男はとてつもない速度で消し去った。


「く、はぁッ!」


 イガルデはそれに対して自ら衝撃と共に後ろに大きく跳び、ダメージを受け流す。

 仲間の所まで吹き飛ぶと、ようやく体勢を整える。


「なんで、あるか……これは」


 イガルデは尋常でない威力を放った男を睨み付ける。

 それに対して男はバッと両手を左右に広げ、声高々に宣言する。


「アフ様は、神だ!」


 アフ。唐突に放たれたその名前に、イガルデ含め『クライシス』の面々は困惑する。


「アフ様こそ、この世界の新たなる神ッッ! そしてえ、われわれは、我々こそが、神の使徒なりィッ! 我が名はリザルド。悪魔どもめ、この第一使徒リザルドが、貴様らをアフ様の敵と判断した!」


 涎を撒き散らし、『クライシス』にそう宣言する。


「貴様ら! こやつらは我らが神、アフ様の敵なりぃ。この悪魔共を、殲滅せよッ!!」


 後ろの集団が、その怒号に釣られてなにやら動き出す。まず十人。広場に一列に並ぶ。手に持つのは黒い布のようなカバーの掛かったナニか弓矢の形状のもの。

 それを男が手を軽く上げると、皆が一斉にそれを取り、中身を露出させる。

 案の定、それは弓矢だった。それぞれ、全く同じ形、装飾を施してあり、どう見ても盗賊が持っていい代物ではない。


 しかし、何よりも驚くべきはそれに魔力が宿っていると言うこと。魔術武装。

 通常の冒険者ですら、あまりの高さに買うこと願わない武器。イガルデを除く三人も持ってはいるが、これほどの数を用意するなど、不可能である。


「一体、なんなんだ、この迷宮は……」


 ハデルバートが冷や汗を流しながら、無意識にそう呟く。

 だが一斉に弓矢が構えられたところで、もはや思考は無意味だと悟ったのだろう。


「防御だ、急げ!」

「はい! ――『絶対城壁』」

「アフ様! 万歳ッ!」


 既に用意をしていたアデル。ハデルバートの指示に遅れることなく防御魔法を展開する。

 それと同時に響く発射の合図。


 最大級。

 そう言って差し支えない。それほどの衝撃が、彼らを包む防御魔法を襲った。


 『絶対城壁』は中級魔法に位置し、その中でも上位の強度を誇る。イガルデの拳を耐えた時点で、アデルが自分の判断で詠唱をしていた賜物である。

 『絶対城壁』の強みは、維持魔力の少なさにある。発動するまでに掛かる時間と魔力はそれなりであるものの、防壁を維持するための魔力は平均よりも少なくて済む。高度な魔法である。


 そんな防御魔法を展開し続けるアデルだが、冷や汗が止まらなかった。ダメージを修復するための魔力によって、大量にあったはずの魔力残量が、とてつもない勢いで減り続けているのだ。

 維持魔力が少ないはずの、『絶対城壁』ですら。


「なんという、い、威力ッッ!!」

「イガルデ、お前も防御魔法を使え!」

「ッ! 了解した!」


 イガルデがアデルと同様の魔法を、合わせて展開する。

 恐ろしいのは、威力。そして敵を貫こうと障壁に当たりながらも突進をひたすらに続ける持久力。


「ようやくか!」


 ようやく弓矢の突進が止まる。魔力を使い果たし、猛烈な突進を繰り返していた弓矢が、ただの矢へと変わり、地面に落ちる。


「構えぇえッ!」


 しかしホッとしたのも束の間、再度弓が番がれる。顔をしかめさせる『クライシス』の面々。既に、この弓矢の威力は自分達にすら大怪我を負わせられるレベルだと理解しているのだ。


「アフ様! 万歳ッ!」


 その号令に、青かった顔を更に青ざめさせるアデル。たった一回の攻撃でどれ程魔力を消費したか。その事実が彼を恐怖させる。


「これ以上は、持ちません! 持ったとしても、意味がない!!」


 悲鳴のようなアデルの報告。

 その通りだ。この二回目の弓矢を防げたとしても、三度目四度目と放たれればどうなるかは簡単に想像できる。


「散開だ! 各自弓矢を避けながら進めッ! イガルデ、あの男はどうする! 行けるか!?」


 ハデルバートの指示が決まると、それぞれが弓矢の進路を避けながら進む。

 速い。ギリギリで避けるのが精一杯。感じる命の危機に、冷や汗を流す。これ程までに冷や汗をかいたのはどれ程ぶりだろうかと、アデルは思う。


「うむ! もちろんである! もはや弱者とは言わぬ、歴とした強者よ! フハハハハ、ねじ伏せてくれるわァアアッ!」


 イガルデが声を張り上げる。

 既に衝撃からは立ち直り、いつも通り敵に突っ込んでいく。狙うはリーダー格であろう、先頭の男。


 今度は油断はしない。魔力をフルに籠め、戦闘能力を大幅に上げる。

 狙うは一点、先程自分を圧倒した男。



 イガルデが、冒険者として名乗りを上げてから、肉弾戦において、負けたことはなかった。そう一度として。その拳は魔力を循環させれば魔物すら容易くほふれる。どんな武器も防具も、自分には必要ない。何故ならこの鍛え上げられた肉体こそが、最強なのだから。


 武器? 持つ必要性はない。

 この拳は何よりもスムーズに自分の意を介し、何よりも破壊力を持つ。

 

 防具? これもまた、必要ない。

 防具など重いだけ。鋼並みの強度を誇る我が肉体があれば、防具など無意味。そう思っている。


 だがそれは慢心ではない。

 事実負けたことのない戦歴が物語る、イガルデの実力。それは事実に裏打ちされている故の自信である。



 『クライシス』の面々が防御を止めたその瞬間から、男は作戦を切り替える。

 逆手を振り、今度は後ろにいた男達に指示を出す。


「陣形を二番へと移せぇッ」


 その言葉と共に、弾かれたように後ろの集団が動く。皆が一様に武器を持っている。

 その全てが魔術武装。魔法剣である。


 寒気が走る。どれも同様の装備だが、これだけの人数が敵となるとあまりに厄介に過ぎる。


「あの巨体は俺が仕留める。お前らは陣形を保ち、奴らを殲滅せよ」


 真っ直ぐに突進してくるイガルデ。それを狙って男――リザルドは、魔力を循環させ突進を仕返す。

 避けるでもなく、迎え撃つでもなく、仕掛け返す。


 その行動に、イガルデは口を大きく広げ、凶悪な笑みを浮かべる。

 激突。その衝撃はリザルドを打ち負かし、大きく吹き飛ばす。


 そう、大きく吹き飛ばしたのだ(・・・・・・・・)

 強かった。人間のとは思えないような衝撃が、イガルデにも伝わっていた。故に衝撃を制御仕切れず、ただ吹き飛ばすという結果に至ってしまった。


 ――強い。その確信を、改めて得た。


 だが今度は威力勝ちした。強者への小さな勝利が気分を高揚させる。

 だが相手もそれで再起不能になるのか。そう問われれば否。即答するだろう。

 イガルデは油断はしない。飛ばされた男を隙間なく観察する。

 吹き飛ばされ倒れていた男がゆっくりと立ち上がる。何やら後ろの残った二、三人男達に指示を飛ばしたようだ。


 ――槍だ。

 それもただの槍ではない。魔法が籠められた武器、つまり魔術武装。それを男は受け取った瞬間、何の迷いもなくそれをイガルデに向けて遠投する。

 驚く暇さえなく、真っ直ぐ遠投された槍を、イガルデは反射的に柄の部分を掴み貫かれるのを防ぐ。だがその威力は抑えきれず吹き飛ばされ、広場を抜け通路へと消えていく。


「イガルデ!?」


 面々が驚愕し、呆気に取られるも、放たれる弓矢からは気を剃らさない。

 なによりイガルデから感じれる気配や魔力は未だ消えていないのだから。


 しかし問題は、この男。リザルドだ。

 単純な力比べでイガルデを圧倒し、魔力を乗せた力比べではイガルデに力及ばずではあったが、魔術武装を使う謎の男。


 リザルドは、生きている事を感じ取ったのだろう。追撃とばかりに、通路へと向かう。


 それを助けに行くことさえ出来ない。ハデルバート達はまずこの集団を始末しなければならないのだから。広場だからこそ避けてられるが、通路ではやや手狭、避けるのも難しくなるだろう。つまり、イガルデを助ける条件として、まずはこの弓矢の部隊を殲滅しなくてはならない――。








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