迷宮レベル33 開戦準備
「……これは、酷いな」
ゼロの用事を手早く済ませ、迷宮へと帰ったフィルは、その目を疑った。
いないのだ。
セカンドやフォレスト――支配下にある悪魔――ではない。彼らは出掛けた時と変わらぬ体勢で佇んでいた。彼らに休息という概念があるのか疑問に思う。
そんなことよりも問題は、迷宮に配置しておいた魔物が極端に減っていることである。
特に被害が大きいのはオーガ。たった一日迷宮を開けていただけで、完全に狩り尽くされていた。そう、一体残らずいないのだ。
誰が、どうやってオーガを全て殺したのか。
オーガ自体がそこそこ強い、というのもあるが、なによりもこの広い迷宮にいたオーガをたったの一日で探しだし皆殺しにするなど、不可能に近い。
「……私が、迷宮を開けた間に、一体、何が起きた……?」
オーガというこの迷宮でもトップクラスに強い魔物が全て狩り尽くされているということは、それだけで相当に大きい損失。だが被害はそれだけに留まらずトロールが二体、死んでいた。
何より勿体無いことはフィルが改造を施したトロールが既に死んでいたこと。
「……面倒だが、また補充せねば、な。だがヴォルグさえやられていなければ、実質、そこまで問題ではない」
この迷宮で、フィルが唯一本気で製作した生物。それがヴォルグ。
今後支配する迷宮がより強力になれば、トロールやオーガ等といった低級の魔物ではまるで歯が立たなくなるのは必至。来るべきその時の為に、迷宮の標準機能に頼りきるだけではなく、進んで独創的な個体を創れるようにならなくてはならない。
故にその練習として、大量の魔力を掛けて産み出した個体だ。迷宮の機能不足により魔力を相当に使わなければならなかったが、その身体能力や特殊能力はこの迷宮でずば抜けて高い。更にある習性もこの迷宮の構造上、かなり有利に働くといってもいい。
その魔物が未だ無事である以上、まだ復興は可能。
「……しかし、やらねばならないことが多いな。――ゼロ、セカンド、フォレスト。ついてこい」
フィルは迷宮内の魔物を大量に増やし終わると、眷属の三体を引き連れ外へと向かう。
◇◇◇◇◇
「あと四日後。Cランクへの昇進試験――拙者腕がなるぞッ! うおおおおお!」
「はいはい、分かりましたから。皆情報収集やら調整やらと忙しいのにあなたはそればっかりですね」
Dランクパーティ『クライシス』。彼らは四日後に昇進試験――元『宝物庫』と呼ばれていた迷宮で、現在『魔窟』の最深部調査――を控えていた。
それを受け、昇進試験そのものが楽しみなのか、それとも昇進が楽しみなのか、昇進してからの迷宮攻略が楽しみなのかはよく分からないが、イガルデはとにかく五月蝿かった。
自慢の肉体で様々なポージングを決め、拠点とする宿の庭で装備を整理していたアデルに見せつけてくる。
「そんなに暇なんですか?」
「ウム! 拙者は常に万全の状態を保っている! 装備などとっくの昔に整えたわ!」
「そうですか……ならエディシスを外周でもしてきたらとうです?」
「ウム、それも悪くない。では行ってこよう! フハハハハハ」
裸で走り出したイガルデを、アデルは冷めた目で見つめていた。
――溜め息を吐く。
あと四日後には昇進試験。試験自体に問題はない。むしろ願ったりだ。問題はその条件にある。
先日ギルド長は条件に『レッドクラブ』とベェネ・オルグレリアの同行を入れてきた。
Cランクパーティである『レッドクラブ』が同行することは理解できる。試験官を兼ねていると思えばいい。しかしソロとは云え同じDランクの者が同行するなど理解が出来ない……いや、違う。解釈の仕方は様々ある。ソロでDランクはそう簡単な事ではない。特に昇格に関してある程度の細かな規定を設定しているこの国でならば尚更だ。その実力者を試験官につけるのはさして不自然ではない。
もしくは同様にベェネの昇格試験も兼ねているのかもしれない。
――本当の理由はベェネのランクがどうとか、実力がどうとかではない。
ただ嫌なのだ。アデルは噂でとある不気味なベェネの話を聞いたことがある。あくまで噂。証拠もなにもない話だが、もしもそれが本当だったらと思ってしまう。
「全く、その時はその時ですね。用心はするに越したことはありませんが、いくらベェネでもCランクパーティと僕らのパーティを相手取って戦うはずかないでしょう」
陰鬱な気分も打ち払うため、ぱしっと顔を叩く。関係ないが見た目のせいで、無駄に可愛らしい仕草となった。
「さて、あとは足りないものを買ってくるとしますか」
「なー、さっきの女の子めっちゃ可愛くなかったか?」
蒼い髪が特徴的な美青年。Dランクパーティ『クライシス』のメンバーである人物バルドゥルは、隣で武器を眺めて唸っている『クライシス』のリーダー、ハデルバートにそう話し掛けた。
「悪いが見ていないな」
ハデルバートは武器屋に来てまで女性のことばかり見る話題にするバルドゥルの言葉を適当に流す。同時にアデルを誘うべきだったと後悔する。いや、アデルはアデルでまだ道具の整理に時間がかかるようであったから、一人でくるのが正解だったのかもしれない。
「いや、それはツラいな。めっちゃツラい。あの子を見れなかったのはハデルの一生の失敗だな」
「ああ、それはツラいよ。……しかし、お前がそこまで云うのに声をかけないのは珍しいな。彼氏でもいたのか?」
「かれしー……というよりはヤクザがいたな。しかも二人」
「……お前は久々に正しい判断をしたよ。そこまでバカじゃなくてよかった」
いつもの調子でバルドゥルがその女性に話し掛ければ間違いなく面倒事は必至。心底よかったと溜め息を吐く。
「よゆー。で、武器は決まったのか?」
「今回は昇格という特別な意味も込めてな、少し奮発しておこうと思う。ちょっと高いがこの魔法武器とかどうだ?」
「悪くないねー。あ、じゃあ俺はこれでも買うかなー」
「待て待て。それならこっちの赤いやつの方がよくないか?」
「いやー、こっちの青の方がデザイン的にもよくねーか? 性能だって使えそうだし。云っとくけどな、俺は後衛も担当できんだぜ?」
「全く、分かっていないな。確かに魔法に関してはお前の方が一枚上手かも知れんが魔法とそれが付加されたものは全くの別物だということを教えてやろう……!」
そういうと二人はその武器の性能がどう役に立つか、魔法と魔法武器では使い所が全く違うなど、様々なジャンルでお互いの意見を熱くぶつけ合った。
あまり合わなそうに見える二人だが、何だかんだで仲は割といいのかもしれない。
◇◇◇◇◇
「おい、ベェネさんよ」
「どうしたオルガン。まさか、今更になって怖じけずいてきやがった、なんて云わせねえぞ? てめえのために俺がどれだけのリスクを払ってると思う」
オルガン・ルルシュ。年齢は五十にもなりそうな見た目の男性だ。しかしその顔には普通の人間とは違う、死線を幾度も潜り抜けてきたのが分かるほどの風格があった。そして若い冒険者にも負けないほどに鍛えられた肉体。
経験豊富な冒険者――一言で云えば、所謂ベテランである。
ここはエディシス内にあるオルガンの家。あまり大きい家ではない。ベテランといえど、Dランク冒険者であるオルガンに、家という高価なものはそう気軽に買えるものではない。よって、経済的に苦しくないようにそこまでの広さを持たないこじんまりとした家を建てるしかなかった。
逆に云えば、冒険者で家を建てるだけの安定性を持っているとも云える。冒険者は一日一日を安い宿で過ごす、という者も多い。何故ならその日の稼ぎがその日の内に消える、ということも珍しくもなんともないのだから。原因は酒や女、無駄な買い物と、誘惑が多いことにある。
そんな中で自身の家を持つのは、やはりベテランなのかもしれない。無論中には財宝を数多く見つけることでオルガンよりも良い家を持っている冒険者もいる。
そんなオルガンの自宅に客人が一人。
鋭い目付きを持つ青年。彼こそベェネ・オルグレリア。ソロでDランクまで登り詰めた、オルガンに云わせれば、文句のつけようのない本物の実力者である。
「やめてくれベェネ。ただあの話が本当か、確認したかっただけだ。なにより本当ならこれはまたとないチャンスでもあり、またとないピンチでもある。だがここで黙って傍観していれば痛い目を見るのは奴等だ。ここで現実というものを、キッチリと教えてやるのが先輩として、いや、人としての筋ってもんだ」
「ハッ、それでこそだ。やっぱりあんたに教えてよかったぜ。それで、賛同者はどれくらいだ?」
ベェネは机に置かれたグラスに入ったビールを飲みながら、そう訊ねた。
――まるで、年齢的な立場が逆転したかのような光景。
しかしオルガンは気が付かない。自らが無意識的にこの人物を格上と断じているのを、彼は気が付かない。
「大体三十に届くか届かないかって所だな。ま、これから何人か増減するかもしれんが、これだけの数が揃えば攻略は当たり前。その後のギルド長へのアピールにも繋がるだろう」
「計画通り、って訳か」
今から約四日後、ギルドからの内密の依頼で『クライシス』と『レッドクラブ』の二組が元『宝物庫』、現『魔窟』に挑み、核を回収する。急成長する迷宮の危険性を考慮した上での判断、らしいが、問題はそこではない。その依頼が、『クライシス』の昇格試験を兼ねている、ということ。
長年。それこそ『クライシス』など比べ物にならないほど長年Dランク冒険者としてやっているオルガンからすれば、それは由々しき事態である。ついこないだまではただの新米冒険者だったのが、気が付けば自分すら追い抜こうというのだ。
許せるわけがない。口では本人のため、などと云うも、実際は大した経験もしていない若造に抜かされたくない。ただそれだけ。嫉妬や見栄、とも云える感情。
ただでさえ他に比べ短期間でDランクまでこられた上に、数日前にベェネから、ギルド長が『クライシス』昇格試験を早めて行うと知らされた。
実質的この町のトップランクであるCランク冒険者。何年も前から試験に挑むも上がれなかったそのランクに、若造に先を越される。あり得ない。
そこでオルガンは考えた。ベェネの幾つかのアドバイスのおかげで。
簡単な話だ。
ならば、先を越せばいい。先を越して核を取ってしまえばいい。
だが、オルガンのパーティにはそこまでの実力はない。他の迷宮と比較しても魔物の強いあの迷宮の最深部まで辿り着ける自信はなかった。
そこでベェネのアドバイスにより他の冒険者に協力してもらうことにした。
幸いなことに、オルガンには人望がある。故に、言い方は悪いが『クライシス』の昇格を止めてやろう、という流れを言葉巧みに作り出すことに成功した。
どちらにせよ、一時しのぎにしかならない。しかしオルガンは気付かない。本気で『クライシス』がしくじれば、ギルド長が自分に目を向けてくれると信じている。
「しかし悔しいな。もっと早くから準備しておけば『クライシス』よりも早く迷宮核を回収出来たってのに。……よりにもよって日にちが被るとはな」
「仕方ねえ話だ。俺も最近知ったしな。それに
急に迷宮の最深部を目指すっていわれてもそう簡単に準備出来る訳がねえ。それに三十人も冒険者が集まりゃ、準備期間は短すぎるといってもいい」
「なんにせよ、今回はわりと有名どころの奴等も参加する。まあ、なによりも心強いのはあんただぜ。ベェネ」
ベェネはその言葉に、笑いを必死に抑えていた。
元々このオルガンという男はベェネのことを認めている節があった。というよりも、ある意味どこか力に憧れを持っているのかもしれない。
だからと云って、ベェネはそれについては大した興味もなかった。
――あのトロールと迷宮の異常性に気が付くまでは。
ベェネはまず、トロールを倒し当時Eランク迷宮であったあの迷宮にてボス部屋を発見したとき、ギルド長にはボス部屋があったことのみを伝えた。
その直後迷宮のランクが拡張するとは思ってもみなかったが、それでもなんとか望む展開に持ち込めた。
――――数日前。
『今日、迷宮でおもしれえモノを見つけた――教えてやってもいいが、いくつか条件がある』
ベェネがトロールを倒してボス部屋を見つけて帰ってきた日。証拠の提示をすることを約束し、ベェネはギルド長にそう告げた。
怪訝な表情でベェネを見ていたギルド長であったが、条件によって……というところまでこぎ着けた。
『条件は簡単だ。まずクライシスに宝物庫の調査、及び核を回収の依頼を出すこと。これに関してはあんたも賛成だろ? あの迷宮は色々と様子がおかしい……違うか?』
『それは確かに思ってはいるが、何故てめえがそれを気に掛け、更にはどうしてクライシスをてめえが推薦する?』
怪しんでいるのが一発で分かるような、鋭い眼光がベェネを捕らえる。流石は元高ランクの冒険者。その威圧感は、ベェネでさえ寒気を覚えるほど。
だがベェネは表情一つ崩さずに続ける。
『それはもう一つの条件が理由だ』
『云ってみろ』
『ああ――俺をその依頼に参加させること。それがもう一つの条件』
『……は?』
『これは完全に個人的な事情なんだが、俺はどうやらクライシスの面々に嫌われている。だがな、俺はあいつらの実力の程を見てみたいんだ。俺がいくら頼んだところで聞く耳を持つわけがないが、あんたからの依頼なら俺が同行するのも可能……そうだろ? それに核の回収ならそれだけあいつらの全力を見ることが出来る可能性もある。これが理由だ』
『…………』
『俺からの条件はそれだけだ。あとはあんたが他にどんな条件をつけようが構わねえ。俺は純粋に、Cランクに行けるだけの冒険者の実力をこの目で見てみたいだけだ』
『それなら、俺からも条件がある。その任務にはレッドクラブを監督役として置く。加えてその依頼をクライシスの昇格試験とする。これでどうだ?』
『レッドクラブだと……』
『なにか問題でもあるのか?』
『……いや、問題はねえよ』
あまりに愉快。喜びが顔に表れそうになるのを必死に抑える。
恐らくギルド長はベェネの言葉など信じてはいない。だがそれでいい。
ベェネが『クライシス』に危害を加える可能性を危惧したのか、Cランクパーティである『レッドクラブ』を同行させるように条件を加えるとは……つくづく運がいい。
あとはそれを顔に出さず『レッドクラブ』参加に僅かに怪訝な、戸惑ったような表情を作ればいい。
あと残る問題はこれが実現するか。
『では本題だが、俺が迷宮内で見つけたのはボス部屋。ちゃんとそこへの行き方も覚えている。Eランクでボス部屋なんてよ、前代未聞じゃねえか? これは早めに潰しておかないとなぁ。で、条件をのむかのまないか――どっちだ?』
――――
これで確認しにいったらいつの間にか迷宮が拡張していた訳ではあるが、それでもなんとか条件を飲ませベェネの思惑通りに運ぶことが出来た。
現在はオルガンを利用したこともあり、四日後元『宝物庫』に挑むのは『クライシス』、『レッドクラブ』、『ベェネ』、そして何故かたまたまその日に迷宮の最深部を目指していたオルガン率いる『冒険者達』。
(たまらねえ。たまらねえな。四日後が楽しみだ――)
オルガンの確認の問いに適当に答えながら、ベェネは四日後に思いを馳せる。
◇◇◇◇◇
「いたいいたいたいたい痛いぃぃぃ、いっ、ひっ、ぎ、ギィィィイ」
エディシスの外にある広大な森の中。
木造の椅子に縛られた男性が一人、唸っていた。
見た目は普通の中年の男性だ。それがまるで拷問の後のように、指一つ一つに五寸釘が丁寧に打ち抜かれ、体の至るところに殴られたかのような殴打の後があった。
そこへ一人、美しいウェーブがかった髪を持つ女性が茂みから出てくる。
「あらぁ、痛かった? でも大丈夫よ。もうすぐで終わるから」
「姉御。無事、始末終わりました」
更に茂みからもう一人。今度はスキンヘッドの男だ。そんな男が物騒なことをその女性に報告する。
「そう。よかったわぁ。まさかここに冒険者が来るなんて――ま、大したこともなかったし、とっと始めましょ」
「ええ。それに今度はカーベの奴が見張りをしているので大丈夫でしょう」
美しい女性は、その悲惨な姿の男の前に立ち、首を鳴らす。彼女はメリハ・ミハルチーク。
エディシスに到着し、準備運動がてらに適当な迷宮で愛弟子である『ジェイク』を殺した忌々しきオーガを皆殺しにした後、エディシスにて自らの能力の適合者を見つけると気絶させ、エディシス外の森へと運び込んだ。
メリハは男に近付き、手を額に翳す。
『冥界の王よ。問いに答えよ――さぁ、私の愛しいジェイクを殺した真犯人には、どこで会えるの?』
「ぐ、ぐぁあ婀ああぁアアァア」
絶叫と共に、男の目が黒く染まる。
『そのモノ、日出ルこと四、暴虐の鬼が、死滅した地獄に現れる』
「あ? 今、どこに、いるか、きいてんだよぉおおおおくそがぁああ」
『――――』
「チィィッ、使えねえ。なら、どんな人物?」
『そのモノ、先刻、貴様の手に刻まれしモノ。漆黒の水晶を宿す。無が点在する闇の王』
「あ――――」
聞かされたその人物のヒント。それに一瞬で気が付いたメリハは、先程ぶつかったあの人物を思い出す。
手をとり、更に漆黒の髪と瞳を持っていたあの男。
既に会い、更に手まで取ってしまったことに、言葉に出来ないほどの怒りを覚える。
「ぁあああああああ――てめえええええかァアァアあああッ!! ぶつかったあの野郎かぁああァアア! ぎぃいいいいい、ぶちぶちぶちぶちぶち殺すぅううううう! ァァァィィィイぃいいい」
魔女が笑う。
「ぜっっっったいにぃぃ、楽には殺さねえ。生まれてきたのを後悔させて後悔させて後悔させて後悔させて後悔させてッ! 永遠に地獄を味合わせてやるよぉおおお!」
魔女が不気味に笑う。怒りに狂ったように、はたまた楽しんでるように。
「よぉーし。あと四日後――楽しみねぇ。あ、そうだ。ボルグ、あんたこっから少し行ったところにわりと有名な盗賊団が居たわよね? そいつら引っ張ってこい」
ボルグがその言葉に耳を疑う。急激に冷静さを取り戻したことに。
以前のメリハなら、ここまで早く怒りが消えることなど無かった。最悪丸一日は嵐が収まらないのを覚悟していたほど。
――――なにがあった?
しかしここでメリハの言葉を無視するわけにもいかない。
「わ、分かりました。なんとしてでも引っ張ってきます」
「うふふ。楽しみねぇ――ホントに」
ボルグはその笑みに未知の恐怖を感じながら、ここから少し行ったところに拠点を置いていたはずの盗賊団の元へと走り出した。