必要な物…それは金‼
街行く人を(魔族)眺めていると珍しい種族を見つけた。
この辺では滅多にみない猫耳族を発見したのだ…これはラッキーだな。
※名前の通り耳が頭の上部にあり猫耳の魔族のこと
ニヤニヤが止まらん‼なんたって…
「ヤバ可愛い‼」
リアルで見るとモフッとしそうで元気にピョコピョコと動く様がなんとも言えない可愛いさを醸し出す。
うーんコレは耐え難い…思いっきりモフモフしたい⁉
そんなことを考えてみていると、猫耳の子に変な目で見られた…
サーセンもう見ません…
でも一度でいいからモフモフしたいな~という思考を何とか抑えて目的地に向かうことにする。
クロトの足取りは力強く目的地が予め頭の中で決められている様だった。
先ずこの街でやるべき事は最初から決まっている。
旅をするにも何をするにも魔族に必要なものは魔石だ‼
※魔石とは要は金みたいなもの。
魔石とはその名の通り魔力の込められた石で魔物の中心核の部位の石…人間でいう心臓に当たる部位になる。
勘違いしてもらっては困るのだが、魔石はこの世界(元はゲーム世界)に生きている者全てに備わっている物で人間にもある。
この魔石によって人間や魔族は魔法を使うことが可能なのだ。勿論魔石の容量魔力の質には個人差がある。
人間でいう魔法使いになるには魔石がある程度以上の質でなければなれない。
まあつまりは生まれ持っての才能が必要になる。そのため魔法使いは少なく、魔法使いという職業は強いとされている。
さて話は戻るが…ここ魔界ではその魔石が通貨として使われている。
そのため…魔石がないと生活出来ないからなー稼がないとならない訳だ。
仕方ないクエスト受けるか…
魔石を得る方法は大きく分けて4つ
1.魔物や魔獣を倒す
2.クエストや賞金首を倒す
3.他の魔族から奪う
4.何かを売る
一番楽なのは1だが…この辺の奴だと少ない(最初だから当たり前だが)4は売る物が無いし、3は手っ取り早いが…まだ敵は作りたくないし
何より良心が痛む…かもしれない。
俺はカツアゲみたいな真似は出来ればしたく無い心やさしき魔族なんでね。
取り敢えずクエストを受けるか
目的地である街の中央広場の掲示板の前に着くと
広場には多くの魔族が集っていて
其処らで露店を開いてる者もいた。
魔族サイドではギルドというもはなくクエストや賞金首を探すのは広場にある掲示板や其処にいる情報屋に聞くしかない。
大きな掲示板の周りにはいつもゲームでみた時の様に人集りが出来ていた。
「ふーむ 」
掲示板を離れたところから見て目星いものがないか探す。
どれも最初のクエストだけに報酬の魔石が少ない。
「さてどうしたものか」
ついでに情報屋に賞金首のリストをもらう
※賞金首は冒険者意外にも魔族やエルフ達も含まれる
知ってる名も幾つかみるが大体は雑魚だな。
その中に何人か強いのがいた。
ほとんどが知らない名だ、情報屋の情報によると
名前 種族 ランク
ワイト 魔族 C
懸賞金
5000魔石
このランクというのが相手の強さを表すのだがA〜GまでありAの上にS更にその上にSSそしてSSSがある。
最初の街のため基本的にGやFが多い
のだが…
________________
名前 種族 ランク
リト 人間 B
懸賞金
10万魔石
特徴
職が剣の達人
剣技アビリティ 【達人の域】を所持している模様
________________
ふむ【達人の域】か
確か剣技スキルを多数使える様になるのと、剣を装備時の能力値が数段上がるんだっけかな?
まあ厄介っちゃ厄介だけどそれだけならなんとかなるかな、
何よりも…10万魔石は美味しいな。
賞金首のリストの似顔絵をしっかりと見る。
髪の色は茶髪でツンツンヘアー
うん特徴はそれくらいかな
可もなく不可もなく
簡単に言えば普通の青年だ。
などと思案に耽っていると何処からともなく声がした。
「兄さん やめときな」
「ん?」
声の方に反応して振り返ると痩せ細った優男が一人
凄い猫背の目立つ男でフードのせいだろうか?怪しい雰囲気がある。
何処となく鼠のような印象をうかがわせる。
「賞金首狩りの初心者だね?」
そう言って俺の服装(防具)を指差す。
成る程ね、装備が初期のままだからか…そらーそうだわな初期装備で上級者の奴なんて先ずあり得ないからな。
大体の熟練者は装備を見ただけでもその者の強さを判断することもできるのだ。
「私の名はラット 冒険者狩り兼情報屋をやってる」
ラットか…見たまんまだな。
覚え易くて助かるな。
「俺はクロト まあ確かに初心者に間違えられても仕方ないかもしれないが、大丈夫だ腕には多少自信がある」
まあ強がりに聞こえるだろうが、言うだけ言っておこう。
「ほう」
何処か不思議な顔付きで俺を見つめるとニヤっと微笑む。
正直あんまり気持ちの良い笑顔では無かった。
やめてもらいたい。
「クロトさんはどこか不思議な気配を持ってるね 確かに腕に自信ありといった感じだ」
ありゃ信じてくれるのか?
意外と良い人かもしれない…やっぱり人は見かけじゃ無いんだね。
そう言ってラットは何やら鞄をゴソゴソと弄る。
「これをクロトさんに差し上げますよ」
「これは足跡の地図か」
足跡の地図とは
一度発見した敵の居所を示す地図のこと
相手の居場所を何分か毎に教えてくれる。効力が切れるとまた見つけなくてはならなくなる。
発見する行為をマーカーとも呼ばれる。
「流石! 知ってますか これにはその賞金首リトの足跡がついてます」
「本当か⁉ それは助かるな」
賞金首の居場所は基本的に情報屋に聞くしかないのだが魔石がかかるので、文無しの俺は自力で探すしかないと考えていたが、これは思わぬ助け舟があったな。
「これでリトの居場所は分かりますな、後はクロトさんの実力次第ですわ」
「それは大丈夫だ ありがとうこの借りはいずれ返す」
俺は感謝の意を示し礼をする。
「先行投資だと思ってください貴方には何か貸しを作っておいた方がいいと感じたのでね… ではまたお会いしましょう」
と軽く答えてラットは行ってしまう。
不思議な男だな。
あんな奴ゲームにはいなかったな。
ということはプレイヤーか?と首を傾げて考えるが直ぐにどうて良くなる。
さて
早速貰った足跡の地図を見てみる。
ドルテランの街中が事細かく描かれている。
その中に自分の位置を示している青い点が広場にポツンとあり。
其処から結構離れた市街地の所にもう一つ今度は赤い点がポツンとある。
ゲームと同じで青い点は自分を赤い点は敵(目標)を示している。
つまり赤い点はリトの居場所なのだが…
「これは⁉」
驚くことにリトは既にドルテランの街中に入り込んでいた。
なんてザルな警備なんだ‼
大丈夫なのか?と心配になるね。
まあ俺としては楽に見つかりそうでラッキーなんだけど。
足跡によればここから数百メートル離れた建物の中にリトはいる。
どうやって入り込んだのかは謎だが近くにいるなら好都合だ…と意気込んで行こうとするが地図の場所を見て凍り付く。
この場所って⁉
まさか彼処かよ‼
これは一筋縄ではいけなそうだな。
☆☆☆☆
はいこの時点で彼の居場所わかる人‼
いやーわかりやすいですね‼
実にわかりやすい‼