魔族少女のマリンちゃん
結局あの後バイアスは現れなかった。
まあダイク倒しちゃったからな~
ゲームだとバイアスはダイクを殺してしまうのだが…
ゲーム開始早々殺されるシーンを見なければならないとか下手したらトラウマものだぞ⁉
とかのツッコミはしたいとこだがちゃんと公式でそういうシーンもあると書かれている。
※ダイクを助けることも可能らしい
助けると後々手助けしてくれる wiki参照
だがバイアスは現れなかったので、ここは殺さずに見逃すことにする
きっと後で助けてくれることを祈って。
ただここで
またゲームスタッフの性悪設定が出てくる。
この世界では人間と魔族が相入れない関係なため人間NPCを助けたりしていると仲間内の魔族に嫌われたり敵対されたりもする。
余りに人間側を助けすぎると仲間内で孤立してしまうのだ、調節していかないとならない…面倒だが。
そんなことを考えながら月明りのもと歩いていると最初の街ドルテランが見えてくる。
人口はそこそこの中型の街で住んでいるのはもちろん魔族になる。
そのため治安が悪い…と思われがちだが実際は結構治安はいい方だ、他の街に比べてだが。
まあ最初の街だからというのもあるだろうが。街を治めている統治者のマダルガスの力が大きい。
「さて最初の難問の街だな」
普通のゲームでは最初の街では簡単でレベルの上がりやすいクエストを受けていくのが主流となる。
しかしこのゲームはスタッフの悪意盛り沢山‼
色んな凶悪なイベントがプレイヤーを襲うようになっている。
例えばこの三つが俺が考えるこの街で起こる最悪のイベントだ。
【盗賊 ダイナスの襲撃】
【魔族少女の願い】
【奴隷達の反逆】
などなど様々なクエストが強制イベントとして発生する。
どれも始めて間もないプレイヤーには難しい…とかでは無く無理なものばかりだ。
何よりも強制的にイベントが発生してしまうというところに製作者の悪意を感じる。
特に【魔族少女の願い】これは曲者クエストだ。
名前の通り魔族の少女であるマリンちゃんの依頼がクエスト内容になる。
クエスト内容は簡単に説明するとマリンちゃんの病気の母のために万能薬になると言われているカレクナ花をとって来て欲しいという内容だ。
クエストのために向かう洞窟には少し強めの魔物が住み着いており、途中に幾度となく魔物が行く手を阻むというありがちで王道で定番の依頼になっている。
しかしここから製作者の悪意が込められていく。
洞窟を潜り抜けなんとかカレクナ花を手に入れて街に戻るとそこで、待っていたかのように盗賊に襲われてしまうのだ。
この盗賊 の首領はダイナス
つまり【盗賊 ダイナスの襲撃】が強制イベントとして発生してしまうのだ‼
先ずこの盗賊達によって確実に殆どのプレイヤーは死ぬ。
※盗賊ダイナスが結構強いため
なんとかここを切り抜け街に着くと奴隷商人達の扱っていた奴隷が一斉に反乱を起こす…まるで狙っているかの様なタイミングでそれは起こる。
強制イベント【奴隷達の反逆】が発生。
※ここでの奴隷とはほとんどは人間のこと 他にも亜人やエルフや魔族も例外ではない。
奴隷達には奴隷の焼印が施されており一生消えることはない。
この奴隷達の反乱に巻き込まれてしまうと生き残るのは難しい。
不可能というわけでは無いが…正に運次第だ。
というのも死に物狂いで襲いかかってくる奴隷達の中には強いのが何人か混ざっている。
いろいろ地方から強者の奴隷として連れてこられている者もおり、そいつらに当たると先ず助からないからだ。
その中の一人
嘗てはその腕一つで名を馳せた冒険者字名は 白狼のガラント又は老雄ガラントと呼ばれている。
彼は見た目は齢60くらいのおっさんの癖にやたらと強い‼
更に、希少で非常に高い戦闘力のため捕まえるのが大変で有名なダークエルフのアシェリート
コイツとは顔も合わせたくない‼
などなど他にもヤバイのがいるがこの二人が一番ヤバイ。
まあなんとかこいつらを切り抜けて魔族少女のところにいくと…
実はこれらの強制イベントの手引きをしていたのがこの魔族少女マリンちゃんだった⁉
という衝撃の事実を突きつけられ
その上マリンちゃんが見た目に反して強くて殺される。
という恐怖の三段構えクエストなのだ⁉
なんとかクリアをしたほとんどのプレイヤーが激怒したことで有名なクエストでもある。
何に激怒したかって?最初の街のクエストの癖に難易度が高過ぎるからだ‼
因みに完全クリア目安は少なくとも50レベルは必要になる。
ふざけんなーといいたくなるな…
というか実際公式掲示板で言ってる奴がたくさん現れたほどだ。
50レベルはギリギリマリンちゃんを倒せる目安になる…つまり
奴隷の反乱イベントで強敵を倒すには更に高レベルが必要となる。
マリンちゃんのクエストを受けると他のクエストも強制イベントとして発生するが、受けなければランダム発生なので運が悪くなければ大丈夫らしい。
まあ運が無ければ死ぬんだけどね。
この三つのクエスト以外はこれらに比べれば全然普通のクエストが多い。
とまあゲームではそんな感じだったが…現実になるとどうなるのか
ドルテランの門番というか見張りと目が合う。
「そこの君 」
お?声かけられたな…ゲームでは素通りさせてくれるんだけど、こんな夜中にやっぱり怪しいよな。
「はい?」
「いや 最近人間がやたらと襲ってくるようになったから もしかしてと思ってな…君は魔族のようだし大丈夫だな」
と言って笑っている。
なんとも物騒な話だな…さすがに単身で攻めてきたりはしないだろうに。
にしてもゲームから現実になるとモブキャラ同然の門番すらしっかりと会話出来るんだな。
街に入ると懐かしい最初の街並みが見えてくる。
当たり前だが歩く人皆魔族だ。
頭に角やら背中に翼が生えてる者など多種多様だ。
因みに魔族と人間の区別の仕方は特にない。ただ魔族には人間にはない特徴がある事が多いが人間ににている魔族もいる。
俺は魔族だが人間とほとんど変わらない容姿だから気を付けないと間違われるかもな…
そういえばなんでダイクは俺が魔族だってわかったんだろ?仕様かな?
まあいいか…深く考えないでおこう。
一応魔族の証である初期装備
魔族の腕輪を付けているから大丈夫だとは思うが。
※魔族の腕輪
魔族の証になる、しかし人間も着けることができるため奪われてしまえば区別はほとんどつかなくなる
そのため最近では余り意味をなさない。
色んな姿形の魔族を見ていると本当にファンタジーの世界に入ったみたいだな。
って一応ファンタジーの世界に入っているのか?
道行く魔族達を眺めながらクロトは
面白そうだし、もう少しここで人間観察(魔族観察)していこうと思うのだった。
なんか説明みたいのばっかな気がしますが、こんなんばっかかもしれない!
そして遂に最初の街ドルテランです。
ここからどうなって行くのか…