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四月三日

四月三日早朝

目覚まし時計が七時を指して大きな音を部屋中に響き渡らせる

目覚ましをセットしたものの実際昨日は眠れなかった

昨日の少女のことを考えると胸が痛い


うん、もうこれあの子のこと好きなんですね。僕

それが一晩考えた結論でした

まあ、とりあえず起きようか

頭痛がひどいけど頭痛なんかで学校は休めない

しかもあんなことをやっちまった後で学校を休むと完全に不登校コースだ


俺は風呂⇒着替え⇒朝食⇒歯磨き⇒ヘアチェックをスムーズに済ませ玄関を出た

登校中机に「キモ男死ね!!」などの陰湿な落書きがされていないだろうかと心配になり少し足早になり学校に向かった



教室に入ったとき一瞬冷た~い視線を感じた

心配が膨らみ確認を急いだ



書かれてなっかた

もし書かれていたなら泣きながら消しゴムゴシゴシだったよ

消しゴム真っ白になるとこだったよ

 

安堵した俺の目の前に夢の少女が現れた


おはよっと俺に笑顔を向けてくれた


ヤバい、可愛すぎる

俺はその笑顔に見とれ、ろくな挨拶もできなかった

「う、うん」


自分でも情けない

女の子の前では普段いいかっこしちゃうのだがこの子はどうも…


「今日も一緒に帰ろうよ」


今来たばかりなのにもう帰りの話

そんなに俺と帰りたいのかな

男子が女子に気になるなどと言われて色んな妄想をしてしまうのは致し方ない

これはもう決定的ではないのか!

おれは幸せになっていいんだよな!!


頑張って表情を変えずクールで言う


「うん、いいよ」


これが精一杯だった


すると少女   霧崎あおいは笑みを崩さないまま

やった、と小さく弾むように言うとスキップで去って行ってしまった

呼び止めようとしたがもうすぐHRが始まるところだったので諦めた

HRまで帰り二人で何を話そうかと考えたが今は思いつかなかったのでネタをそれまでに探そうと決めた




チャイムが鳴りそれとほぼ同時に近藤先生が教室に入ってくる

見た目とは意外に時間厳守の性格らしい

しかし先生はだるそうにHRの開始を告げる

「おはよう諸君、HR始めますよ」

目が死んどる!!

そう思ったが昨日のこともあっておそらく俺は目をつけられている

だからこれ以上目立つわけにはいかないので何も言えなかった

先生は昨日食べ損ねたサバのような目をしながら

「その前に昨日言い忘れてたんだけどな、部活のことでな」


部活の話か…

俺には関係なさそうだなー


そう思ったがその内容は少し奇妙だったため自然と耳を傾ける

「この学校には近づいちゃならん部活があるんだ、青春を楽しみたいなら近づくんじゃないぞー」

先生はそれだけ言うと出席を取り始めた

それが教師のいうセリフ?

疑問だったが部活に入る気のない自分にとってはやはり関係ない

そのままHRが終わるまでぼーっと過ごした



HR終了後

一限目まで読書でもしようかと思い、鞄から半分くらいの所にしおりを挟んである本を取り出した

その時近くで男子の集団ができ、何か話をしている

彼らの声は十分聞こえた


「昨日のジャンポ見た?」

「ああ、見た見た。すごかったな、今週のにゃると」


話はどうやら昨日俺が買った週刊誌のことのようだ

男子達は当然のようにいくつものマンガのオチを語りだす


ここにいたら読む楽しみがなくなってしまう

最後が分かっているものを誰が心から楽しめようか

そんなのは7歳までだ

地球を救う異星人の特撮でも見ていろ


俺は持ち出した本を机にしまい、急いでその場を離れた

しかしなぜだか涙があふれてくる

心はブルーだ


…そうか、ハヤシ先生死んだのか…


気持ちを切り替えるのに少し時間がかかった

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