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EP1.サービス終了

こちらのページを開いて頂きありがとうございます!


 私ことチヨは元情報教師で流行に後れないようにアニメやラノベを見ることはかかさずにいた。ある時生徒から勧められたMMORPGゲームを始めて、あまり時間は作れなかったが余裕のある時にプレイをしていたの。


 定年後は時間に捕らわれずにいっそうMMORPGゲームをプレイする時間も増えて、かつての生徒だった子達も続けている子は一緒にプレイをしてくれていたわ。


 自分で作ったキャラクターで皆と一緒になってゲームをしていると若返った気持ちになれてとても楽しかった…


「あら?もうこんな時間…」


 時計を見ると夜の12時を指している。


「少し寂しいけれど、ここまでにしておきましょうか…」


 生徒に教えてもらえい始めたオンラインゲームも30年以上のサービスを続けていたがついにサービスを終了する事となった。


「何もこんなに急に終わる事も無いのにねえ…せっかくなら私の最後まで続いてて欲しかったわ…」


 様々な思い出がつまったゲームからログアウトしようとしたその瞬間、背後の仏壇から声が急に聞こえてきた。


『その願いを叶えて進ぜよう』


 背後から急に聞こえてきた声に気づいてチヨはゆっくりと振り返った。


「何でしょう?おじいさんでもお迎えに来たのかしら…?」


 チヨが振り返り仏壇を見た瞬間に仏壇が光り始め、チヨは光に包まれてしまう。


「これは…何事かしら…そう、そうですね。私もおじいさんの元に行く時が来たのかしらね…」


 チヨはどこまでもおだやかな顔で薄れゆく意識の中でゆっくりと目を閉じたのだった。



「…ちゃん、お姉ちゃん!起きて!」


「あら…?」


「ガタガタと音を立てて体を揺らす振動と少女の声でチヨは目を覚まし、チヨが周りを見渡すと荷物が積まれた木製の馬車の荷台にチヨと少女が乗っているようだった。


「やーっと起きた!そろそろアルタ村に着くよ!」


 チヨは急な事に内心混乱していたが聞き馴染みのある村の名前を聞き、心を落ち着かせるために一息おいてから口を開いた。


「おはようございます…あの、アルタ村とは周囲をダンジョンに囲まれた村ですか…?」


 発せられた声が自分の声ではなく身体もやけに軽かった。


「もうお姉ちゃん寝ぼけてるの?そのダンジョンが目的でうちの馬車に乗ったんじゃないの?」


「お、お姉ちゃん…ええ…そうだったわね。少し変な夢を見ていたから寝ぼけていたみたい…」


 自分の事をお姉ちゃんと読んだりと今のこの状況の方がよっぽど夢のようだが、どうやら仏壇から聞こえた声と光によってここへ飛ばされてしまったようだ。


「アイリ!もう着くから荷下ろしの準備をしておいて!」


 馬車前方の布が開いて顔を覗かせたのは長い髪を後ろでまとめた物腰の柔らかそうな女性で、その雰囲気に反して体格はがっちりとしていた。


「お嬢さんって…」


「はーいお母さん!それじゃあお姉ちゃんも荷下ろしの準備を…っていってもお姉ちゃんはストレージ持ちだよね、ほとんど手ぶらだし…よいしょっと!」


 アイリは立ち上がり荷物の縄をほどき始めた。どうやらこの馬車は親子の物でどう言う訳かチヨは親子の乗る馬車に乗せてもらいアルタ村に向かっていると言う状況のようだ。


「ストレージ…?」


 チヨはさらに聞きなれた言葉に思わず声にした。するとチヨの脳内とも目の前とも言えない場所に見慣れたアイテムや所持金を保管するためのストレージが出現した。


「あらびっくりした…手持ちのお金は残っているけれどアイテムは残っていないのねえ…」


 チヨは驚いたと言いつつ冷静でアイリに聞こえない程度の小声で呟く。その後まもなく目的地に着いたようで馬車が止まった。


「お疲れ様、あなたアルタ村は初めてみたいだし、まずは役場に向かうと良いよ!あたしが案内してあげたいけど店の事で手が離せないからねぇ」


 チヨは荷馬車からアイリの母親から差し出された手を握り下りた。


「いえいえお構いなく、それよりも運賃はおいくらでしょうか?」


 チヨは先ほどストレージ内で確認した所持金には十分な額があったので試しにそこから銀貨を数枚手に取りだした。


「乗り合い馬車なら銀貨5枚の距離だけど、護衛の代わりにここまで乗せるって話だったんだし要らないよ」


 目覚める前のチヨはそういった理由で荷馬車に乗っていたようだ。


「それでも何事も無かった訳でしょう?受け取ってくださいな」


 チヨは取り出した銀貨から5枚をアイリの母親に握らせた。


「安心を買ってるんだから何事も無かったって立派な護衛なんだけどねえ、分かったよ、あんた強情そうだし頂いておくよ!そうだ、代わりじゃないけどアイリに村の案内をさせるよ、いいねアイリ?」


「もちろん!お姉ちゃんもそれでいいかな?」


 チヨにとって村を案内してもらえるのはありがたい申し出だった。周りを見わたすと知っているアルタ村とは微妙に違っており、見知らぬ建物もあれば、オブジェクトとして入れなかった建物にも人が住んでいる様子で、極めつけはこの親子はもちろんNPCでも恐らくゲームのプレイヤーでも無い人々が生活しているのだ。


「それならお願い出来るかしら?」


 役場も知っている場所にあるとは限らないので案内してもらった方が確実だろう。


「うん!そうだ、いつまでもお姉ちゃんじゃなんだし、お名前を教えてもらえないかな?」


「私の名前はチヨです。よろしくねアイリちゃん」


 その後チヨはアイリに手を引かれて村の役場に向かった。



閲覧していただきありがとうございます!



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