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プロローグ 運命を書き換える決意

はじめまして。

面白いと思ってくれたら嬉しいです。

今日も今日とて、講義室の窓から差し込む午後の光は、私を睡魔の世界へと誘っていた。

佐藤さとう 美咲みさき、趣味は読書、特に異世界ファンタジー小説が大好きな、ごく普通の女子大生だ。


ついさっきまで、必死にノートに文字を書き込んでいたはずなのに、ふと顔を上げると、視界はぼんやりと霞んでいた。

(やばい、寝てた……?)

慌てて辺りを見回すが、見慣れた講義室も、隣で居眠りしている友人の顔も、まるで遠い世界のことのようにぼやけている。

そして、その光景の中に、なぜか、昨晩読みふけっていた小説のシーンが重なり始めた。


『勇者と聖女、そして魔王の物語』。

その小説の主人公は、正義感あふれる勇敢な騎士。ヒロインは、世界を救うために命を捧げる聖女。

そして、物語の結末は、悲劇だった。

聖女が、仲間たちのために自らを犠牲にして世界を救い、騎士は、彼女を失った悲しみと共に生きていく。


なぜだろう。

その場面が、やけに鮮明に頭に浮かぶ。

聖女が光に包まれながら微笑み、騎士が絶望の淵に立たされる、あのシーン。

……あんな悲しい結末、どうして誰も変えられないんだろう。


そんなことを考えているうちに、ぼやけた視界は、やがて真っ白な光に覆いつくされた。

そして、全身を襲う、形容しがたい浮遊感。

頭の中で木霊するのは、聞き慣れない、だけどどこか懐かしい声。

「――運命の歯車が、今、動き出す」


気づけば、私は、ふかふかの天蓋付きベッドに横たわっていた。

豪華な装飾が施された部屋。

手足は小さく、華奢なドレスに包まれている。

そして、窓の外からは、聞き覚えのない言葉で誰かが話している声が聞こえてくる。


その声を聞いた瞬間、私は全てを理解した。

ああ、ここはあの小説の世界だ。

そして私は、この世界の「聖女」になってしまったらしい。


だが、あの悲しい結末は、絶対に避けなければならない。

私は、この世界の「運命」を書き換えて、必ずハッピーエンドにしてやる。

その決意を固めた瞬間、心臓が大きく高鳴った。

もう一度、あの悲劇が繰り返されるなんて、絶対にごめんだ。

ポイント、感想をいただけると日々の励みになります。



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