第六話 「魔女の尊厳」
光が収束し、古の威厳を放つ巨大な刑架が、光の消えた中心から姿を現した!
これこそが『贖罪の祭壇 (アラ・クリシス)』!
刑架の主体は未知なる黒い金属で鋳造され、その表面には暗赤色のルーンの光が流れている。そして、刑架の頂点には巨獣の頭骨を磨き上げた巨大な髑髏が嵌め込まれ、その虚ろな眼窩では緑色の鬼火が燃え盛っていた!
『星辰仲裁官』たちは祭壇の上に粛然と立ち、その背から自らの「戒律の杖」を取り出した。
キンッ!——
仲裁官の一人が権杖で祭壇の基座を重々しく打ち据えた! その清らかな音は、神殿の鐘のように響き、広場のすべての喧騒を瞬時に洗い清めた。。
グランディの民衆は、この荘厳な儀式に完全に度肝を抜かれていた。彼らはついに理解した。この異郷の統帥は、冗談を言っているのではないのだと。これは、深淵より来たる、絶対の審判!
スレイアの視線は、あの恐るべき祭壇から外れ、最終的に、ほど近い場所に立つセリーヌの、決然とした後ろ姿へと注がれた。その表情は複雑を極め、怒りと不甘が瞳から溢れ出さんばかりだった。
戒律の杖を手にした一人の『星辰仲裁官』が、氷のように冷たい歩調で彼女の傍らへと進み寄り、彼女を祭壇の上へと強制的に連行しようとした——まさにその時。
「——結構よ」
スレイアは突如として口を開いた。その声は大きくはないが、疑う余地のない誇りを帯びていた。
「自分で行くわ」
言葉が終わると、彼女はもはや誰を見ることもなく、胸を張り、揺るぎない足取りで、一歩、また一歩と、あの祭壇へと向かっていった!
祭壇の前で、彼女は足を止めた。手を上げ、身に纏った華麗な長袍の留め金を外す。分厚い生地が滑らかな肩を滑り落ち、その下から、一点の瑕疵もない柔肌が露わになった。
夜風が微かに涼しく、彼女のピンクの長髪を吹き抜ける。その場にいたすべてのグランディ人たちは、息を呑み、その、あまりに痛ましく、しかし、あまりに美しいその姿に、思わず惹きつけられていた。
スレイアは長袍を丁寧に畳み、荘重に祭壇の基座に置くと、身を翻し、氷のように冷たい刑台の上へと踏み出した。
祭壇の頂点、あの巨大な髑髏の眼窩から、二条の幽玄なる緑色の光柱が猛然と迸り、サーチライトのように彼女の身を完全に包み込む!
一つの、氷のように冷たく、まるで金属と骸骨が擦れ合うかのような声が、髑髏の顎骨の間から響き、広場に木霊した。
「――罪人、スレイア・フォン・クラウエル。罪状:私刑の濫用、軍法への反逆。……フォン・クラウエルの名において、その魂の真偽を、検める!」
「ケケケケケ……良し! 罪状、しかと確認した!」
あの怪異な笑い声が再び響いた。
「——汝、‘戒律の杖’による百の懲戒を受けるべし!」
言葉が終わるか終わらないかのうちに、祭壇の両脇の金属柱の上で血赤色のルーンが点灯し、赤熱した焼きごての如き二条の光の鎖が射出された!正確にスレイアの両手首を捕縛すると、猛然と上方へ引き上げ、彼女の全身を一つの屈辱的な姿で宙高く吊り上げた!
「んっ……!」
両腕に、瞬間、脱臼するかのごとき激痛が走り、彼女は思わず苦痛の呻きを漏らした。
(いっ……たい……ちくしょう……あたしの身体、案外重いのね……)
遠くのセリーヌは、その抑えられた痛みの声を聞き、その決然とした眼差しが、ほとんど気づかれぬほど微かに揺らいだ。彼女が心を痛めていないと言えば、それは嘘になるだろう。だが、たった今宣告した法度のために、彼女にはもう、選択の余地はなかった。
しかし、もし彼女が、スレイアが此刻、脳内で考えているのが、酷刑への恐怖ではなく、自身の体重問題であったと知ったなら、恐らく、セリーヌはすぐさま全ての同情を捨て置き、自ら「戒律の杖」を手に、スレイアの身に振り下ろしたことであろう。
「ケケケケ……罪人は、しかと、その座に着いた!仲裁官、前へ!刑を、執行せよ!」




