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第五章 レイミ・ザ・ギャンブルプレイヤー

 「いいわ。どんなゲームかしら?」

 「この袋から最初に自分の好きなだけチョコを取り出すの。それで言葉を作るゲーム。後はポーカーの要領で文章が出来るまでチョコを交換するの。多くても少なくても難しいわよ。各文字は一文字しかないし、相手が持っている文字も使えないわよ。3回先取勝負でいいわね。

 コインチョコになったナツメの意識はあるんでしょ?出来た文章でナツメのコインをより強く光らせた、つまり何か感情に訴えられたほうが勝ち。ただし、NGワードがあるわよ。わたしが負ければチョコは溶けるわ。」

 「何それ、ナツメちゃんものすごく危険にさらされてない?とにかく、ナツメちゃんの心に触れればいいのね?」

 「何その思わせぶりなセリフ。じゃあ、行くわよ。」

 二人は袋から任意の数のチョコを取り出し、何度か交換していく。まずはいろはが先に言葉を見せる。

 『りかいしろ』

 コインチョコには何の変化もない。次にレイミが見せる。

 『なつめちゃんすきよ』

 コインチョコが真っ赤になった。レイミが勝利宣言する。

 「わたしの勝ちね。とういうより、これ、わたしが一方的に勝つんじゃない?」

 「どうかしらね。」

 次はレイミが先に出した。

 『なつめちゃんて(で)えとしよ』

 今回はもっと赤くなった。いろはも次の言葉を見せる。

 『とけたいの』

 コインチョコは心なしか震えてるようだ。レイミが逆に心配そうに話す。

 「あれ~、わたし勝っちゃうけど?いいの?あなたもコインチョコになっちゃうよ?」

 「わたしの心配してくれてるの?そうね、あと一回負ければコインチョコは溶けちゃうわね~。鼻の下伸ばしてる人は誰かな~。自分の立場分かってるのかしらね。それと、怒らせると怖いの誰だったかしらね~?」

 もはや完全に脅迫だった。ナツメはチョコの姿ながら、調子に乗ってレイミの甘い言葉に浮かれていたのを心底恐怖した。いろはが負けてコインチョコになれば、真っ先に怒りの矛先が向くのはナツメだった。その恐怖、そう、まるでお尻につららを突き刺されているかのように・・・といっても溶けてしまえば何もかもおしまいのような気が・・・

 「さあ、次ね。」

 レイミが出した言葉はとどめに近いものだった。

 『た(だ)きしめて』

 ところが、コインチョコは光りたいのを必死に我慢した。冷や汗(ブリード?)をかいているようだ。

 「あれ~?何の変化もない?どうしたの?」

 「じゃあ、わたしね。」

 『わかれは(ば)よい』

 コインチョコは安堵の青色になった。

 「今度はわたしの言葉の方が大きく変化したようね。」

 「むう、愛が恐怖に負けるわけにはいかないよ、ナツメちゃん。」

 今度もレイミが先に出した。

 『きすして』

 コインチョコは爆発寸前、と思いきや、これがNGワードだった。

 いろはは無難な言葉を選んだ。

 『よかろう』

 「次が最後ね。なかなかやるわね。よ~し、ナツメちゃん、わたしが勝ったら言葉通りのプレゼントだよ。恐怖よりも祝福を選ぼうね。」

 『た(だ)つ(っ)こして』

 コインチョコは誘惑に負けて光ってしまった。

 「よ~し、これはわたしの勝ちだね。」

 「どうかしらね。今回は文章が長いので手間取ったわ。あなたのチョコ使用が少なくて幸い。」

 「いろはかちならひさ(ざ)まくらよ』

 コインチョコは光るまいとする努力が要らないのでより強く光った。

 「何~?最後にその手使う~?それ本気なの~?」

 「とにかく、わたしの勝ちね。」

 いろはの勝ちが決まった瞬間、ナツメは元に戻った。顔は満面の笑みだ。

 「いろは、ほんとにいいの~?」

 「ええ、いいわよ。はいどうぞ。まくらにするならご自由に。」

 いろははピザをナツメに渡した。どうやらオキタが超空間デリバリーを頼んでおいたらしい。

 「・・・・ひざじゃなくてピザ~?なんてこと・・・」

 「あら、いいじゃない、なつめちゃん、一緒に食べてもいい?」

 「わ~い、レイミちゃんが一緒に食べてくれるんだなんて、夢みたい。結構大きいから、みんなで食べようよ。ねえ、レイミちゃん、キミが勝ったらほんとに抱っこしてよかったの?」

 「ええ、でもコインチョコの解除は勝負と連動してるからねえ。」

 「う~ん・・・・」

 みんながピザを楽しんだ後、アルファがかなり乗り気になっていた。

 「わたしも何か勝負したいぞ。」

 「じゃあ、スーパー・パクリ・ヒーローズでどう?そちらは四人。こっちは相棒とCP×2で行くわ。」

 「相棒って、アーノルドのことだよね。犬がゲームできんの?」

 「おいで、アーノルド!」

 すると、筋骨隆々のサングラスをかけた大男が現れた。

 「アーノルド違いじゃないか!こんなのがベッドの下にいたわけ?殺人鬼より強そうだけど?とうより、殺人マシーンじゃないか!」

 「くっく~ん。アイル・ビー・ドッグ。」

 「わ~、なんかやばそうだよ。犬になるって言ってるし。」

 「ああ、そうだ。自己紹介がまだだったわね。わたしはアムロ・レイミ、カタカナだからよろしく。」

 「ナツメで~す。こっちはアルファといろはね。ピザ頼んでくれたのがオキタ。仲良くしようね。」

 「すみません。わたしは見学者でよろしいでしょうか?」

 オキタが棄権を申し出た。

 「いいの?参加しなくて。楽しいと思うけど。まあ、いいですよ。さあ、始めましょうか!キャラを選んでね。わたしはベレス先生ね。」

 そういうとレイミは光に包まれ始めた。

 「え、本人がコスプレしてやるゲームなわけ?うわっ!いきなり来た~!網タイツにヒール履いてヘソ出しだよ。先生がこれじゃ、授業に集中できないよね。ゲームにも集中できなさそう・・・この勝負負けた・・・」

 「この変態め。こいつの前でうかつに女性キャラを選べないぞ。」

 「じゃあ、ボクは岸部露伴で行くかな。本にしちゃうぞ。」

 ナツメの体が光に包まれて変化する。

 「なんだ~?トマトとピーマン合体したお化けみたいだぞ。」

 「あれ~?パールジャムだ。これってどうやって戦うの?必殺技って何?武器はあるのかな?キッチンに入る人に包丁投げつけるくらいだなあ。」

 アルファはハマーンになってしまうのかと警戒したが、なったのはゼルダ姫だった。

 「おい、これってナツメの妄想の結果じゃねえのか?てめー、命が惜しかったら脇の下を覗くんじゃねえぞ!」

 ナツメは違うことで安心していた。

 「よかった~。ボクの勝手な感想だけど、ゲキマユ平成ゼルダじゃなくて。」

 「この変態め。」

 いろはは頭の上の髪の毛が二重輪っかになった着物姿に変身した。

 「竜宮城の乙姫かな。」

 「え?キュア・ドリームじゃないの?」

 「さてさて、キャラが決まったら、戦闘メカか武器、スタンドを決めてね。ナツメちゃんはすでにそうなってるけど。わたしはポッキーの剣ね。」

 ゼルダ・アルファのスタンドは、本人の希望かどうかは不明だがアッガイになった。いろはは何やら箱を持っているが、これが能力のようだ。何が入っているのだろうか?

 レイミがCPのキャラを決めようとしたところ、突然誰かが割り込んできた。

 「三人目なら、俺がなろう。」

 それはテルーだった。

 「あっ!さっきのぶりぶりざえもん!」

 「またそのネタか!」

 「わ~い!やった、やったー!金銀パールが当たったんだ。持ってきてくれたんだ!」

 「てめえらいい加減にしつこいぞ。」

 レイミが口をとがらせる。

 「仲間にしたくないんだけど。」

 いろはがなぜかレイミを諭す。

 「入れてやってくんない?ちょうどボコボコにしたいと思っていたところだから。」

 「ふん、えらく大きな口を叩くじゃないか。さっきのドラゴン退治、憶えてるだろ?」

 「ええ、よく憶えているわ。経験値がっぽり稼いだわりにはステータス変わってないし。レベルの変わんないドラクエⅡのお姫様より性質悪そうね。」

 「言わせておけば・・・女だからって容赦しないぜ。」

 3対3の戦いだが、パールジャム・ナツメとベレス・レイミ、ゼルダ・アルファとターミネーター・アーノルド、プリンセス・いろはとブライ・テルーの戦いになりそうだ。

 アルファとテルーが何やら文句を言っている。

 「何がプリンセスだよ!玉手箱持ってんだから、男の精気を吸い取るディメンターでいいだろ!」

 「ブライってなんだよ。」

 「トルネコの方がよかった?」

 そんなこんなでバトルが始まった。


 まずはナツメが先制攻撃を仕掛けようとしたが、レイミが先手を取った。天帝の剣の一撃!のような、長いポッキーだった。

 「どうぞ!」

 レイミが差し出したポッキーを手に取り、ナツメは食べ始めた。

 「何だこのポッキー?食べ出したらやめられないし止まらない!。ポッキーってかっぱえびせんだっけ?ポリポリポリポリポリポリポリ・・・」

 「何やってんだてめー!バトル始まっていきなり菓子食ってんじゃねえ!」

 「うわー!これってパールジャムの能力だよ。なんで自分にかかってんの?食べたら何か体にいいことあるのかな?・・・なんか頭がかゆくなってきた・・・」

 『ポリポリポリポリポリポリポリ・・・』

 「ナツメやめろ~!大量にフケが出てるじゃねえか!汚ねえんだよ!」

 そう言ってアルファはアッガイの六連装ミサイルを発射した。

 『ドッゴーン!!』

 「あれ~!」

 ナツメは場外に吹っ飛んで行った。

 「早速仲間割れね。まずは一勝!」

 レイミがアルファに笑顔を見せる。アルファが毒づく。

 「この網タイツめ。とにかくわたしはあの殺人マシーンを何とかしなくちゃね。」

 気合を入れたアルファとアッガイの周りを禍々しいオーラが包む。

 「アッガイをなめるなよ。」

 アルファは頭部のバルカン砲をアーノルドにお見舞いする。

 『バリバリバリバリ!』

 ところがアーノルドは体を液状化させてこの攻撃を難なくやり過ごした。

 「何だこいつ?物理攻撃が効かないんじゃないか?まったく、突っ込みどころのないキャラで嫌だな。こいつの相手はナツメにやらせとけばよかったな。」

 アーノルドは手に持っていたマシンガンをアッガイに撃ち込んできた。

 「くっく~ん。」

 『ダダダダダダダダ・・・』

 アーノルドの弾丸はアッガイの装甲にかなりの傷をつけた。

 「ええい!落とし所が分からん。」

 アルファはアッガイの右手を伸ばし、爪でアーノルドをつかまえようとするが、液状化して逃げられてしまう。

 一方いろはとテルーは向かい合い、お互い仕掛けどころを探っていた。

 「ドラゴンを一撃で倒した割にはずいぶん慎重ね。思った以上に臆病ね。」

 「やかましい。どの道このままこう着状態が続けば、貴様らの負けだ。あのアーノルドとかいう殺人マシーンは冗談が通じねえからな。あの凶暴女とお気楽男では勝てん。」

 「そんなこと百も承知よ。初めからわたし一人でやっつけるつもりだから。」

 「けっ、口の悪い女が三人も揃いやがって。むかつくんだよ。」

 「いいわ。あんたとしゃべっててもつまんないわね。ナツメの方がずっと男として見れるわよ。というわけで、さようなら。」

 そう言うといろはは手に持っていた箱を開けた。すると煙が出てきてテルーに向かう。

 「ナツメをなめると痛い目に遭うわよ。ブライって名前、知ってるんでしょ。あんたはナツメの妄想に負けちゃうのよね。」

 煙にまかれたテルーは爺さんの姿になった。

 「なんだこれー!?玉手箱かそれ。俺は自分で開けてないぞ。卑怯だぞ!」

 「ふん。あんた、女を見下してるでしょ。この箱はそういう男にてきめんに効くのよ。ナツメは変態かもしれないけど、少なくとも女性を見下してはいないわ。」

 テルーは戦闘不能でリタイヤした。

 「ま、ここは引き分けにしておいてあげるわ。代わりにナツメを復帰させるわね。」

 いろはの代わりにナツメがフィールドに戻ってきた。とりあえずフケは止まったようだ。

 「やっほー!いろはありがとう。ハマーン様、御苦戦のようで、代わりますよ。」

 「いちいちハマーン言うんじゃねえ。てめえはもう一回レイミの所に行って来い。こっちはやるだけやるぞ。」

 しかし、アルファは弾丸を打ち尽くした後、打撃による攻撃を続けたが、アーノルドはすべて回避し、疲れたアルファに向けてハイパー・バズーカを放ってきた。

 「こりゃいかん!」

 なつめはそう言うと、アルファの前に楯となった。

 「何やってる!試合を投げんじゃねえ!」

 アルファはアッガイでナツメを投げ飛ばしたが、アッガイはバズーカの直撃を喰らって場外へ吹き飛ばされた。

 「アルファ、降参すべきよ。後はナツメに任せればいいわ。」

 「くっそー!面白くねえ!」

 アルファは仕方なくリタイアした。

 「ベイルアウトってか。でもアルファの戦いは確かに面白くなかったかも。このネタすべってない?」

 ナツメは相変わらず能天気のようだ。

 「あいつ一人で勝てるのか?いろは、なんで交代したんだよ。」

 「あの冗談通じないアーノルドに、ナツメがどうやって挑むのか見てみたいかな。」

 ナツメがモノマネで叫び、アルファが信じられない合言葉を放った。

 「手加減はなしだー!!」

 「ダンコンさん、お願いします!」

 「女の子がとんでもねえ言い間違いすんじゃねえ!三波春子かー!」

 アルファの思っても見ないセリフに冷や汗が出たが、気を取り直してナツメは少し考えた。

 「あいつ、液状化するんだよな。なんかそういうヤツ結構いるよな。あの鬼太郎も最終回で水虎っていうのにやられたような。ワンピースでもロギア系ってそんなだよな。どうしようかな、ボク覇王色の覇気なんて使えないしな~。パールジャムの能力でどうしたもんか。なんで岸部露伴にならなかったかな~。ヘブンズ・ドアーで楽勝なのに・・・とりあえず、攻撃したらどうなるか分かんないこのスタンドで攻撃してみるか。メシャァ――!!!」

 余裕で構えていたアーノルドにナツメはとりあえずパンチのようなものを繰り出した。アーノルドはそうする必要があると思えなかったが、体を液状化させた。しかし、これが命取りとなった!パールジャムの能力で液体金属は人体の必須ミネラルの形状に変化させられ、ちょうど老化していたテルーに注入された。アーノルドはテルーの体に取り込まれる形でギブアップした。

 「なんと!ボク勝っちゃったよ。レイミちゃんに勝てばボクらの勝ちだ!けど、誘惑に負けそう・・・」

 「こらー!鼻の下伸ばしてんじゃねえ!」

 「うふふ、楽しみね。もうポッキーはいらないかな。じゃあ、お待ちかね、わたしの武器を出すわね。アムロ、行きまーす!」

 レイミが出してきたものは、いくつもの何やら大きな貝だった。

 「ああー!!クロアワビだ!ありゃー、トニオさんを溺れさせたやつだ。これは分が悪い。」

 「あらあら、うろたえてるわね。ヘブンズ・ドアーがないのが痛いわね。タコもいないし。どうするかな?ナツメちゃん。」

 と言うか言わないか、クロアワビはすでにナツメの体の各所にびっしり張りついていた。ナツメははがそうとするが、ぴったり貼りついて取れそうもない。

 「うわー!この貼りつく力、ものすごいぞ。鼻と口を塞がれたらおしまいだ。ダーク・ブルー・ムーンみたいなんだけど。見つかった間抜けはボクですか?どうしたもんか・・・。ねえ、レイミちゃん、もう一回ポッキーくれないかな?でもいちごポッキーは嫌いなんだよね。」

 「何をたくらんでるのかしら?ふふふ、いいわよ。いちごポッキーでいい?」

 「え~、うーん・・・いちごのポッキーは好きじゃないんだけどなあ・・・でも今回だけはグッドチョイスだったりして。」

 「え?」

 一瞬ひるんだレイミはポッキーを引っ込めようとしたが、ナツメは素早く大きないちごポッキーをポキッと折り取り、今回もやめられない止まらないでそれを食べ始めた。

 「ポリポリポリポリ・・・・うう~、来た来た、体がかゆくなってきた。」

 「うえ~、またあいつ汚ねえことになるんじゃねえか?」

 ナツメはかきたくてもかけない苦しみに耐えていたが、不思議なことにクロアワビがポロポロと落ち始めた。

 「うわ~、垢と一緒にアワビがはがれてるよ。またこの手のネタかよ。」

 「あ~、かゆいかゆい。よ~し。」

 ナツメは全身をかきむしって垢を落としながらレイミに向かってにじり寄る。

 「いや~ん。参ったよ~。」

 「え~?参らないでよ、もっとバトルしようよ。」

 「ううん。もういいよ。わたしは満足よ。」

 こうしてレイミとのゲーム対決は終わった。ナツメといろはは満足げだが、アルファはひどく落ち込んでいた。

 「どうしたの、アルファ?」

 「・・・悔しいよ。」

 「う~ん。ガチンコバトルやったのアルファだけだったね。それなのに、相手は特殊能力だったからね。ごめんね。ボクが浮かれてレイミちゃんにデレデレしてたから、みんなに迷惑かけちゃった。むしろテルー相手の方がよかったね。」

 「うっせーよ、てめえの慰めなんてフケ以下だ。」

 ナツメの栄養補給で元に戻ったテルーがアルファに喧嘩を売って来た。

 「その女の相手が俺だと勝てたって言うのか、ナツメ。そんなに言うなら相手してやるよ。この女が弱いだけの存在だということを分からせてやる。」

 「ほ~、ストレス発散に一役買うってか。ゲームじゃなく、決闘と行こうか!」

 アルファもテルーの挑発に乗った。テルーはブルー・ダイヤモンドの剣を発光させ、アルファは指輪の力でオリハルコンスライムの剣を作り出した。

 「「ウリャー!」」

 お互い雄叫びを揚げ、剣と剣をぶつかり合わせる。撃っては離れ、離れては撃ち込むといった一進一退の攻防が続く。

 「ほう、このブルーダイヤの剣を受け留めるとは、なかなかやるではないか。」

 「そうかい、ダイヤよりこっちの方が硬いぜ。」

 「それが使えりゃ、さっきのアーノルドにも勝てただろうに。そいつは液状化も出来るからな。実体を捉えただろうに。」

 「ふん、ルールはルールだ。制限がかかってる中でも勝つのが強者というもんだからな。」

 戦いは互角に見えたが、意外なことに快復したはずのテルーがまた弱って来ているようだった。目に見えてアルファがテルーを圧倒し始めた。

 「何だ?いろはのやつ、また玉手箱を開けたのか?」

 「違うわ。理由は分からないけど、消耗が激しいようね。戦いはここまでのようよ。」

 アルファは剣を収めた。テルーは肩で息をしている。

 「くっ、不覚。俺がここまで弱いとは・・・」

 うなだれるテルーにナツメが声をかける。

 「アルファを元気付けてくれてありがとう。テルー、何か無理してない?どんどん弱ってる気がするよ、健康がね。よかったら、一緒に旅しないかい?もうちょっとお笑いを習得すれば、もっと強くなれると思うよ。」

 「最後は励ましてるつもりか?何で貴様らの冗談に付き合わねばならぬ。」

 ここで、今まで黙っていたオキタがテルーに声をかける。

 「テルーさん、このクニ国を旅するのにあなたの力が要るんです。一緒に来てくれませんか?」

 「・・・いいだろう。しかし、こいつらのギャグに付き合うのはごめんだぜ。」

 「へっへっへ、きっとその素晴らしさに気づくよ。」

 こうしてテルーも仲間が仲間になった。

 「チャラララララ・・・」

 「言わんでいい!」

 テルーはナツメの歌を強制的にさえぎった。

 「残念・・・」

 ナツメは急にハッとしてアルファのもとに駆け寄り、手を合わせて頼みごとをした。

 「ねえ、ねえ、アルファ、一生のお願いがあるんだけど。」

 「な、何よ。」

 「その・・・さ、君の耳、触らせてくんないかな?エルフの耳ってどうなってるのか知りたくて・・・」

 「このド変態がー!」

 「わ~、お願いだよ~!」

 ナツメの願いもむなしく、全員のコスプレが解除されていった。そしてレイミがナツメに向かって笑いかける。ナツメはレイミの顔を見て嬉しくなった。

 「うわ~、かわいいなあ。」

 「ナツメちゃん、ありがと、すごく楽しかったよ。でも、ここでお別れね。これでわたしは天に帰るから。」

 「え~!?何言ってるの?天国行っちゃうの?もうお別れなの?そりゃないよ。デートもしてないのに~。ちゅーしてくれるんじゃなかったっけ?」

 「そうね。でも、いつでも会えるわ。・・・[strong]ここで振り向いたらね[/strong]・・・」

 「なんで最後だけホラーなの~!?」

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