04 すやすや
我が家の平和を守るためにも、穏やかな暮らしを妨げる要因があるなら即刻排除せねば。
まあ、こんなひょろ男でも一家の主人ですので、やるときはやりますとも。
というわけで、元々この家に備え付けられていた魔物避け結界発生魔導具に、
眼鏡ずらしの"若仙人"パワーで、ちょいとひと工夫。
要は、結界に紫外線カットの効果を付与、なのです。
SPFとかはよく分かりませんが、
魔導具への"日焼け知らずの結界発生"の付与は、いつも通り効果的面のはず。
これで思う存分、お外でお昼寝ハンモック出来ますよ、皆さま。
「サイリ殿は、なにゆえここまでお昼寝ハンモックにこだわるのだろうか」
「プリナさんは理由をご存知か?」
「詳しくは存じませんが、サイリさんが穏やかに生活する上で欠かせない要素、としか……」
「メイドとして出来ることは、いつでも快適なお昼寝が出来るよう常にハンモックを清潔に保つことくらいです」
「確かに、清潔なハンモックから漂うほのかな花の香りに包まれながらのお昼寝は格別であった」
「おかげで熟睡してしまい、気付いた時には全身ヒリヒリのかゆかゆ……」
「……申し訳ございません」
「いや、プリナさんのせいでは無い」
「あえて責任を問うなら、このような怠惰な快楽に誘なうきっかけをもたらしたサイリ殿に」
うわっ、濡れ衣濡れ濡れですよ。
本当、隙あらば圧を掛けてくるのですよ、このちっちゃなミイラ騎士さまは。
これってどう思いますか、スーミャ。
って、寝てるし。
居間のソファーでにゃんこみたいに丸まりながら、スヤッスヤですよ。
あまりにもスヤッスヤのツヤッツヤで、なんだかお人形さんみたいですね。
「……お触り禁止だぞ、サイリ殿」
やりませんって。
ってか、お静かに、ですよ。
どれ、うるさくしないよう、こっそりとお外に退散しましょうか。
「私は静かにスーミャを見守るのみ」
はい、不審者なミイラ娘さんは、室内で大人しくしていてくださいな。
……
プリナさんは、夕食の支度、
スーミャは、おねむ、
イリーシャさんは、いつもの通りのイリーシャさん。
ふむ、久しぶりにお外で静かな独り身、です。
なんやかんやとバタバタして午後のお茶も出来ませんでしたが、
夕食までの短い時間、有意義に使わねば。




