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03 塗り塗り


 えーと、全身包帯まみれのちっちゃなミイラ娘は、イリーシャさんでした。


 どうやら日光耐性はあまり高くなかったようで、


 きっちりした革鎧装備だったにも関わらず、気が付いたら全身ヒリヒリのかゆかゆ。



 つい今しがた、例の即効軟膏を大急ぎでプリナさんに塗り塗りしてもらって、包帯でぐるぐるされてきたそうです。


 全身くまなく塗り塗り……



「スーミャも、プリナさんから塗り塗りしてもらうのが良かろう」


 うむ、珍しく気が合いましたね、イリーシャさん。



 では、そう言うことで。


 いってらっしゃい、スーミャ。


 お大事に。



「うん、プリナも家族だし」


 ふむ、素直で良い子なスーミャには、


 後でご褒美にアメちゃんをあげましょう。



 ところで、イリーシャさん。


 ミイラ姿がかなりアレなのですが、


 その日焼けって、いつ頃治りそうですか。



「私たちなら、今晩一晩で完治する」


 すごいですね、さすがは魔族屈指の強フィジカル種族。


 それでは、今後のこともありますので、日光以外にも苦手なこととかありましたら前もって教えていただけると対策をとりやすいのですが。



「いや、起きている時は魔力のガードが効いているから、日光が苦手というわけでは無いのだぞ」


 つまり、お昼寝で熟睡しちゃったのが運の尽き、と。



「……」


 誰だって失敗することくらいありますし、苦手や弱点だってありますって。



「弱点を知られるのは……」


 いえいえ、スーミャの平穏な暮らしを守るためにも、ぜひ。



「……致し方無し、か」



 ……



 ヴァンパイアさんたちの取り扱い注意事項、いろいろと教わりました。


 スーミャの健康と安全に協力してくれるなら種族も性別も問わず、という、イリーシャさんらしい覚悟完了っぷりですね。


 でも、スーミャは脇の下が格別に弱いとか、そういう情報は秘匿してあげるべきでは……




「塗り塗り完了!」


 スーミャは……ミイラにはなっていませんね。


 なんだか、リップクリーム塗りたてのくちびるみたいにお肌がツヤツヤしておりますが。



「今日はおうちの中で出来ることをしましょ」


 了解です。


 つまりは、それこそが引きこもり男の得意なフィールドにして独壇場。


 ではハンモックを取ってきて、優雅に室内でのお昼寝と洒落込みましょうか。




「「「……」」」



 アレな視線が日差しよりキツいのです……



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