17 ※ 裏話 ※
--- 第49話の直後のお話し ---
どうも、アランです。
今日はエルサニア最南端の街オーバンに来ております。
カミス君とヴォルさんとリルさん、先ほど元気に旅立ちました。
隣国キルヴァニアへの視察旅行だそうです。
ケモミミ王国、いっぱいモフってくるんだよ、カミス君。
「それで、何を企んでいるのですか、アラン様」
企むとはひどいな、ゼシカさん。
カミス君たちの旅の安全を願うのは、友人として当然じゃないか。
「なんでそんなにキョロキョロしてるんですか、ご主人さま」
キョロキョロとはひどいな、フルリ。
見たまえ、この大河の流れを。
これが太古の昔から大いなる水の恵みをもたらしてくれたヒルデュ河だよ。
この雄大な景色に敬意を払おうじゃないか。
「今日は彼女たちはいませんよ」
……?
「かっぱのお姉さま方をお探しのようですが、あの方達はイベントの際に派遣されるコンパニオンです」
…………!?
「『決闘』などの際の伝統を守るために続けられてきた慣習だそうですが、権利団体の圧力などで廃止が決定して、先日開催された『決闘』での姿が最後となったようですね」
マジですか、ゼシカさん!
「ご主人さま、ハダカのかっぱさんが見たかったのですか?」
……帰ろうか、フルリ。
……
満たされない心をケモミミ娘さんたちの愛らしい姿で癒しながら、オーバンの街をさまよう、傷心の俺。
ケモミミのウエイトレスさんをモフれちゃう喫茶店とかないのかな。
めっちゃ流行ると思うけどな。
いいなあ、あそこのお姉さんのうさみみ。
「不審な行動は、即、巡回騎士団に通報されますよ、アラン様」
騎士団にステキな乙女騎士様がいるなら、望むところだよ、ゼシカさん。
「ご主人さまのさまざまな欲求不満を解消するのもメイドの務めですよ、ゼッちゃん」
ありがとう、フルリ。
今度ふたりにケモミミグッズをプレゼントするから、ぜひ身に着けてほしいな。
「フルリお姉さまのケモミミ姿……」
おや、ゼシカさんの心が揺れまくりですね。
「ゼッちゃんには絶対にきつねさんのお耳が似合うのですっ」
さすがフルリ、分かってるね。
それじゃ、早速ですが、あそこのおみやげ屋さんにステキなケモミミグッズが無いか、ちょいと覗いてみましょうか。
「いらっしゃいませ」
うほっ、店員さんはわんこ系垂れミミですね。
詳しい種類は分からないですが、可愛いことは一目瞭然。
オーバン本当に良いところ、ですよ。
「何かお探しですか」
えーと、おみやげ用の付けミミとかってあります?
「こちらへどうぞ」
へえ、スゴい種類だね。
ネコミミ、イヌミミ、うさみみ、よりどりみどり。
「こちらは新商品の魔導ケモミミシリーズで、着けた人の気持ちを反映してぴょこぴょこ動くんですよ」
うはっ、どなたが発明したのかは存じませんが、まさしく天才の御技ですね。
それでは、ふたりはそれぞれお互いに、相手に似合いそうなおみみを選んでね。
「やっぱりゼッちゃんには、このきつねさんなのですっ」
うん、迷いのない選択、さすがフルリ。
「……」
ゼシカさんは……めっちゃ迷っていますね。
ネコミミとうさみみで真剣に悩む姿、かなり色っぽいですよ、ゼシカさん。
「両方……」
そうです、欲望のままに生きるのです、ここにはあなたを止める人は誰もいませんよ。
「こんにちはっ、アランさんたちもお買い物ですかっ」
うぉっとびっくり、
こんにちは、アリシエラさん。
えーと、ネコミミ標準装備のアリシエラさんがここに来たということは、ロイさんたちへのおみやげですか。
「はいっ、そうなんですっ」
「こちらで素晴らしい新商品が販売されたと聞きまして、ぜひおみやげにと」
「よろしければアランさんの慧眼で選んでいただけませんかっ」
よっしゃ、承りましたっ。
……
思いもよらぬ好機到来、この機会にロイさん宅のステキな皆さまにピッタリのケモミミを選ばせていただきましょうか。
まずは、リノアさん。
フェミニンマシマシ癒し系奥さまに似合うケモミミは……
ズバリ、きつねみみ。
リノアさんの豊かな女性らしさを引き立てる落ち着いたきつねみみ姿に、ロイさんも惚れ直しちゃうこと間違いナシッ。
次は、セシエリアさん。
知的クール系メガネ美人さんに似合うのは……
ズバリ、うさみみ。
セシエリアさんとゼシカさんはそっくりさんなので、ゼシカさんにきつねみみが似合うなら当然セシエリアさんにもバッチリなはず。
だが、あえて異なる方向の装いにチャレンジしたくなるのも、男心の妙ってやつなのさ。
そして、愛らしくもちょっぴりエッチなうさみみは、クールなセシエリアさんとのギャップが最高に魅力的であろうこと間違いナシッ。
さらに、ヴァニシアさん。
デンジャラスわがままボディを引き立てるのは……
ズバリ、わんこ系垂れミミ。
ヴァニシアさんと言えば姫騎士、姫騎士と言えば屈服、屈服と言えば首輪、首輪と言えばわんこ。
そして屈服の証しとも言えるであろう、垂れたお耳。
つまりは、わんこ系垂れミミこそがファイナルアンサー。
あのヴァニシアさんなら、喜んで普段使いしてくれるであろうこと間違いナシッ。
最後に、フィナさん。
ちっちゃくもキュートボディな妖精乙女に似合うのは……
ズバリ、片垂れうさみみ。
ポイントは視認性、ちっちゃなフィナさんを分かりやすく彩るには、大きなうさみみこそが最適、
ふわふわ飛び回る姿に合わせてゆらゆら揺れるうさみみには、みんなの視線が釘付け必須、
そして片側だけ垂れたお耳の愛らしさに、思わず二度見しちゃうこと間違いナシッ。
ひゃっほう、やりきったよ、俺。
どうよ、この完璧なセレクション。
この勢いでモノカさんたちのも選んじゃおうかなっ。
……
「どうしようゼッちゃん、ご主人さまが巡回騎士さんたちに連れて行かれちゃったのですっ」
「店内でエキサイトし過ぎですよ、アラン様……」
……
やれやれ、やっと解放されました。
巡回騎士団詰め所で、がっつりお説教されてきましたよ。
俺が特使公爵だとバレた時の、あの真面目そうな騎士のお姉さんのなんとも言えないまなざし、
ひさびさにキッツいご褒美でした。
釈放じゃないですよ、罪は犯していませんから。
ただ、はしゃぎ過ぎたことは反省せねば、ですね。
「お務めご苦労様でした、アラン様」
もしもし、ゼシカさん。
刑期を務めたわけではありませんよ。
「ご主人さまが社会復帰したのですっ」
もしもし、フルリさん。
釈放じゃありませんってば。
「すみませんでした、アランさん」
「私が無茶振りしたせいで……」
いえいえ、アリシエラさん。
あなたが気に病むことはないのです。
あえて言うなら、ケモミミの魔力に抗えなかった俺の罪、でしょう。
ちなみに、その大事そうに抱えているラッピングされた包みは。
「アランさんの尊い犠牲の賜物ですよっ」
「必ずやアランさんセレクトのケモミミを、我が家のみんなのおつむにのっけて見せましょうっ」
さすがはナイスバディネコミミ魔導具技師、その飽くなき探究心に感服なのです。
皆さんの素敵なケモミミ姿、ぜひ俺もこの目に焼き付けたいですね。
「申し訳ありません、アランさん」
「お爺ちゃんが残してくれた魔導映像記録装置はお屋敷監視用の大型装置で、今の私の技術では普段使い用での小型化も量産も難しいのです」
「マユリさんからも再三おねだりされているのですが……」
いえいえ、アリシエラさんのスゴいところは、決して諦めない不屈の技術者魂でしょう。
必ずやお爺さん作の銘品を超えるモノを生み出せると信じておりますよ。
「……ありがとうございます、アランさん」
「ご期待あれっ!」
元気に走り去ったアリシエラさん。
その後ろ姿には、元気に揺れるネコしっぽ。
ホントいいよね、ネコしっぽ。
「本当に視線が気持ち悪いですよ、アラン様」
うん、もちろん自覚してるよ、ゼシカさん。
通報しないでね。
それはそうと、
ほとぼりが覚めた頃に、みんなの分のケモミミ、買いに行かなきゃ。
あとがき
サイリさんは、筆の向くまま全力で走ってくれるのはとてもうれしいのですが、
他のキャラ向けに用意していたネタまで喰べちゃうのは、ご勘弁。
いや、使いづらくて寝かせていたネタまで拾ってくれて感謝、なのかも。
つまりは、これからもこんな感じでよろしくお願いします。
追記
現在の保留案件一覧
"カミスさんのキルヴァニアでの旅"
"顕現間近な"つくも神"の皆さん"
"アリシエラさんに匹敵する、謎の凄腕魔導具技師"
その他諸々、待機中
次話で拾われるかは、未定
"プリナさんのサイズが、以前のアランさんの見立てと違う"こと、
ごめんなさいプリナさん、要調整案件ですけど、このまま流します……




