13 マジ
という訳で今日の僕は、肩の力を抜きまくって、終日ハンモッカーサイリ、の予定。
朝からゴロゴロゆらゆらしているうちに、いつの間にやらもうじきお昼。
「確かに肩の力を抜けとは言ったが、極端過ぎやしないか、サイリ殿」
いついかなる時にも全力で。
それが、たったいま作った我が家の家訓なのですよ、イリーシャさん。
「じゃあ、どんな時にも全力で良いなら、ネコミミネコしっぽも解禁して良いよね」
それはそれ、これはこれですよ、スーミャ。
そもそも、あの魔性のアイテムは危険過ぎるのです、主に僕の精神の安寧の面で。
「……そんなに似合わなかったのでしょうか、私たちには」
違いますよ、プリナさん。
めっちゃ似合い過ぎてたのが大問題なのですよ。
そもそも、ああいうスペシャルなグッズは、特別な日にこそ身に着けるべきモノなのです。
日常的にアレされちゃったら、穏やかな日々が非日常に侵食されてしまって、
つまりは、もったいないお化けが出ちゃうよって話しなのです。
「良く分からんが、サイリ殿がアレを嫌いじゃないということは分かったぞ」
ご明察、恐れ入ります、イリーシャさん。
そういうわけで、今日はみんなで穏やかな日常を楽しむ方向で。
以前、黒猫ベルちゃん成分摂取禁止を宣言された傷心混乱状態の僕にトドメを刺しかけたあのにゃんこグッズ。
アランさんが獣人さんいっぱいの街オーバンにお出かけした際に購入してきてくれたおみやげでした。
装着した人の感情に合わせておみみやしっぽがぴくぴくぴーんと動いちゃうという、とんでも魔導具。
……本当にとんでもない破壊力でしたよ、アランさん。
フルリちゃんやゼシカさんにも、すっごくお似合いでしたね。
でも、あんなアブないグッズ、普段使いは勘弁ですよぅ。
「では、お昼はアラン家流ねこまんまにしましょうか」
もしもし、プリナさん?
「ありもののお惣菜をご飯に乗せるだけ、という、アランさんたちが旧シナギ邸で男性のみの会合を開く際の定番メニュー、だったそうです」
プリナさんとしては珍しいチョイスですね。
「殿方の気持ちを知りたいのなら殿方の身になりきって行動すべき、と、リリシアさんたちもおっしゃってました」
えーと、一口に殿方と言っても千差万別なわけでして。
いえ、アランさんと一緒にされるのは不本意だってわけじゃ無いのです。
それに、ねこまんまは嫌いじゃ無いですよ、僕。
「じゃあスーミャは、『収納』保管庫に隠しておいた取っておきのカレーをかける!」
もしもし、スーミャ。
カレーをご飯にかけると、ねこまんまじゃなくてカレーライス……
「……早い者勝ち、だな」
ちょっと、イリーシャさん。
目がマジですよっ。
「保管庫にはカレーの他にもいろんなお惣菜が盛りだくさんですし、もちろんご飯もたくさんありますからね」
了解です、プリナさん。
つまりは、争奪戦上等ってことですね。
それでは、各自戦闘開始!
……
皆さん、思い思いのお惣菜をご飯にトッピング。
とっても楽しいお昼となりました。
まさかスーミャがカツカレーを知っていたとは……
お片付けも済みましたし、
それでは、恒例のお昼寝ハンモックタイムに。
「満腹ではあるのだが、食べてすぐ寝ると牛になると聞いたことがあるような……」
その言い伝えは、捉えようによって意味が変わってくるのですよ、イリーシャさん。
「?」
つまり、牛になると言うのが、肉牛なのか乳牛なのかが問題かと。
肉牛であれば、もちろん栄養の行き先が心配なのですが、
もし乳牛なら……
「より豊満になる、と……」
ごくり
「「「お休みなさいっ」」」
我が家は今日も、平常運転で平穏なのです……




