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10 普通


 無事に我が家に到着。


 やっぱり落ち着きますね、我が家。


 手際良く洗濯物を取り込んでいるプリナさんに、ただいまのご挨拶。


 

 そして、みんなでゆったり午後のお茶。


 良いですね、我が家で家族そろってリラックスタイム。



 今日の出来事を、プリナさんに、ゆるりと報告。


 我ながらがんばったと思いますよ、柄にも無く。


 ……ですが、なぜか3人の視線がアレなのですよ。



「本当に良かったのか、サイリ殿」

「リーサリアさんは、サイリ殿のお役に立ちたいと……」


 いえ、イリーシャさん。


 健康になった上に若返ったリーサリアさんのこれからの人生は、もっと自由であるべきだと思いますよ。



「でもスーミャは、リーサリアお姉さんともっと仲良しになりたかったな」


 いえいえ、スーミャ。


 そもそも『ゲートルーム』で行き来自在なのだから、無理に同居しなくても会いたい時に会いに行けば良いのですよ。



「……サイリさんの普通って、どなたが基準なのですか」


 ちょっと、プリナさん。


 その話しを蒸し返してはいけませんよ。


 みんな違ってみんな良い、って言うじゃありませんか。



「でも、サイリさんはいつも、普通が一番、と」


 参ったな、どうも。


 じゃあ、これから僕が普通じゃないと思う方の例を挙げますので、そこから察していただければ。



「……どうぞ」



 えーと、まずは、ロイさんのところのヴァニシアさん、ですね。


 男性百人に聞けば、百人全員が普通じゃないって言いますね、間違いなく。



 それと、アランさんの奥さまのハルミスタさん。


 あの方も、明らかに普通じゃないな、と。



 うん、あと、片寄った方向からの例示ばかりでは失礼ですので、公平を期して。



 そうですね、モノカさん、でしょうか。


 あと、クロ先生も、ですね。


 風の噂では、おふたりは同盟を組んでいらっしゃるとか。


 同盟活動、ぜひ、がんばっていただきたいものです。



「?」


 はて、なぜかプリナさんがきょとん顔。


 僕らしくも無く熱弁したせいで呆れられたのでしょうか。



「普段は妙に聡いサイリ殿でも、こういうこともあるのだな」


 何ですか、イリーシャさん、したり顔で。


 ちょっと、プリナさんに耳打ちしてないで、言いたいことがあるなら堂々と。


 って、何でプリナさんが真っ赤になっちゃうんですか。



「何なの、イリーシャ?」


「スーミャは、もう少し大人になってから、ですよ」



 ……!


 ふむ、なるほど。


 性格上の"普通"について尋ねたプリナさんに、"普通"のお胸とは、をうだうだ説明しようとした僕。


 相変わらずですよ、空気読めないと言いますか、まともなコミュニケーションを出来ないと言いますか。


 スゴいチートが使えるようになったって、中身は相変わらずこんなもんなんですよ。



 でも、だからといってこのままで良いなんて考えないのが、今の僕なのです。


 自分の中身がすぐには変わらないなら、付加価値を増やせば良いじゃない。


 つまりは、現状維持型の引きこもりから、より良い引きこもりライフを目指すアクティブ引きこもりとなるため、足掻いてみよう、なのです。



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