オーダーメイド防具
「お茶会って、何リットルお茶を飲むんだ?」
夕方、もう少しだと言う受付嬢に聞いた。
「確かにお茶も飲みますけど、貴族の方々の情報交換と、より高位の貴族へ嫁ぐ為の予備校みたいな集まりです。今回の様な大規模なものは年に数回ですが、数人での集まりですと、ほぼ毎日開かれているんですよ。」
予定の時間に戻って来た四人は、ドレスのままで、朝と同様にホールの視線を掻っ攫っていた。
「主催者の伯爵夫人に気に入られて、明日からも来て欲しいって言われてるの、光君をボッチにするの可哀想だから、毎日一人は残るから安心して!」
春菜は、伯爵家からの依頼書を提出してそのまま請負う手続きを済ませていた。
「では、鉱石系の採取はお二人ですね?」
受付嬢はテキパキと資料を用意してくれて、鍛冶屋が自ら採取に行く護衛を兼ねてダンジョンを攻める依頼を勧めてくれた。
ドレスのままで帰宅。明日からは伯爵家の馬車が直接迎えに来るそうだ。
「折角おめかししてるから、晩メシは俺が作るよ!」
「ウウッ!もう苦しいから着替えさせて!」
辛そうに部屋に帰って行った。
見慣れた姿で戻り、食事をして夏果と入浴、部屋までお姫様抱っこの約束。バスタオルを巻いて抱き上げると、バスタオルの中身が反応してしまい、落ち着きが悪かった。
「お風呂で1度鎮まってから移動するのが良いかも!」
明日からまた新しいルールがスタートするようだ。
そのまま夏果の部屋に泊まる。美少女に変身と言うか、元の姿になってら2巡目なので、落ち着いていられたが、夏果の一方的な攻め。少しだけ欲求不満感が残ったが、主導権を握った途端に終了って気もするので、これベターかもしれない、温もりと柔らかさ、滑らかさと甘い香を堪能して眠りについた。
翌日は、秋穂とギルドに向かう。鍛冶屋をピックアップしてダンジョンを攻める。他の三人は自宅で伯爵家の馬車を待っていた。
素材を自分で集めたいなんて、こだわりが強い偏屈なベテランを想像していたが、二十代半ばから後半?妙齢の美女と、弟子と言う、ハタチ位のこれまた美女が二人。
「美女四人っていうのが決まりなんですか?」
受付嬢は楽しそうに冷やかした。
途中、弁当を買ってダンジョンに潜る。鍛冶屋の三人は弁当持参、しばらく通う事になりそうなので、
「明日からは、お弁当作って来ましょうね!」
ダンジョンに到着、手続きをするとガイドマップが貰える。通常は階層が深くなるにつれ、魔物が強くなり、入手出来るアイテムもレアな物が期待出来るがここは、2階層から下は無数の洞窟があって、その一つ一つの難易度が想像出来ないらしい。前回は雑魚で大した物も出なくても、次に来た時には強力な魔物が待ち構えて居たりする。傾向としては深いほうが強力な魔物に出会えるらしい。そんな状況なので貰ったガイドマップはほとんど役に立たない。
早速5階層まで潜った。近い所から順番に攻めたが、5回に1度位でまぁまぁのアイテム、午前中20ヶ所攻めて、レアアイテムは1度きり。あまり効率良いとは言えないな。深けれゃオーケーってルールの方が気楽かもしれない。まぁ、魔力コントロールを練習するには丁度良いかな?
地道に攻めるが、意地の悪い事に、雑魚の洞窟でも、1度入ると最低でも5分位は出てくる事が出来ない。弁当を食べて午後の作戦会議。
「ここはね、そういう所だからね、数撃って当てるしか無いのよ!」
鍛冶屋の師匠、杏さんは当たり前のように、午後に向けてストレッチを始めた。
「せめて中の魔物の魔力が判ると良いのに!光樹、魔物のレベル読めるでしょ?」
「あっそれはですね、洞窟の入口に特殊な結界が張られてまして、中の様子が判らない様になっているのと、一定時間は出で来られない様になっているんです!」
鍛冶屋の弟子、菫が解説してくれた。もう一人の薫は黙って頷いていた。
午後はもう1階層降りて6階層。何となく魔力の違いを感じたので、外で感じたモノと実際の魔物の強さを確かめながら攻めて行った。午前中と変わらない収穫で早目のお開きにした。
鍛冶屋で三人を降ろして、家に帰る。二人で夕食の支度をしていると三人が帰って来た。食事をしながらお互いの仕事の報告、秋穂と入浴。
「少しは上達したわね。」
重ねた唇を離した時の一言だった。生活に慣れて来ると皆んな少しずつ個性を現してきた。秋穂は辛口と言うか、世に言う『ツンデレ』と言うカテゴリだろう。
「ハグしても良いわよ。」
湯に浸かりながら、ほんのり赤くなっていた。そこを指摘すると、
「お風呂で温まっているんだから当然ですわ!」
バッサリの一言だが、腕の中でウットリする表情は子供の様だった。
一人称が『私』で俺の事は『光樹』と呼び捨て。高圧的な態度と、前回の積極的な攻撃の記憶から、今夜も多彩な攻めを期待と言うか覚悟していたが、腕の中には元の世界なら即逮捕の少女。
「今夜はお任せしますわ。」
視線を合わさずに発した一言は、全くの別人に思えた。恥ずかしそうにする秋穂を洗う。本来の入浴の目的よりも、スキンシップがメインかな?泡を流してグッと抱き寄せた。秋穂の顔が更に赤くなり、抱き上げて湯に浸かった。浴槽に波を立て、その波が大波になった頃、秋穂に入る前の光樹が爆発、バスタオルが巻き易くなって、部屋を目指した。
ベッドまで運んだ頃には、光樹は復活を遂げていて、何とか雪辱を果たす、と思ったが、残念な結果に終わってしまった。
「そうね、当面は借金返済かしら?」
将来の希望を聞いた第一声。
「それから、冒険をしながら色んな所を観て回るのが楽しそうかしら?」
「じゃあ、方向的には今の生活で良いのかな?」
「そうね、3日間も独りで寝る事以外に不満は無いわ。毎晩じゃ無くてもいいから、ここに来た日みたいに皆んなで楽しむのも嬉しいわ!」
朝迄一対一で向き合うのが余韻を含め、深く濃く楽しめると、一泊交代制にしていたが、秋穂の好みでは無かった様だった。8つの肉塊も一つをしゃぶって、両手で揉んでも5つも余ってしまう。そんな計算で余り乗り気では無い、他の三人の意見も聞いて考えて見よう。取り敢えず、一巡してからと言う事にして灯りを消した。
翌朝、目を覚ますと秋穂はまだ眠っていた。湿り具合を確かめると十分な状態だったので、勝手にもう1ラウンドトライした。薄暗い灯りより、カーテン越しの朝日の方が明るく、秋穂の表情が良く見えた。朝の生理現象で光樹も準備万端、いざと言う瞬間、
「たとえ夫婦でも、同意無く犯されればレイプですよ。自覚有りまして?」
堪能とかって言うレベルでは無く、光樹も光樹も縮み上がった。
「冗談よ!」
何時ものツンデレに戻っていた。