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大明外交

 残った整備士に戦車の構造について説明を受けた。動力は魔石に蓄えた魔力を使っているが、こちらでやっと実用化出来た蒸気機関では無く、エンジンに近い構造だった。ガソリンとは違い燃焼を伴わない為、戦車のように密閉性の高くても、放熱の考慮が要らないので、かなりの都合が良さそうだ。蒸気機関では巨大過ぎて、馬車に取って代わる事は叶わなかったが、このタイプならば可能性は大きい。

 20台のうち、研究用に1台バラして、4台を港の防御に配置、残りはブルドーザーや、農耕機械に改造した。徐々に全国に拡がっている、街道の整備に貢献してくれること間違いなし。


 通信兵からは、本土や、枚蘭との連絡手段について説明を受けた。遠話機と言って、念話を増幅して中継装置を経由して相手に届けるシステムらしい。こちらは新大明の設備を勝手に使っているそうだ。延期を申し入れた時は、中継装置に届く所まで、伝令を飛ばし、本国にお伺いをたてて、返答を貰って、また伝令が戻るまでが半日って事かな?このシステム是非導入したい。端末装置を調べ、複雑な術式を読み解いた。中継装置が無いので、端末同士をトランシーバー的に繋いでみると、見通し2キロ以上でもクリアな会話が出来た。建物なんかで視界が遮られても、殆ど変わり無く会話ができた。

 旧大明の艦隊撃破は、反りの合わない新大明にとっては朗報の筈、御左様なら中央に顔が効きそうなので、手元に残している旧大明の人達を手土産に、技術を提供して貰うか、北道にも通信網を拡げて貰う事を交渉して見るようと思っている。王家に提案すると、

「では、これを機に正式な友好国となりましょう、弟を全権大使として派遣します。先生、同行して頂けますよね?」

国王は一応『?』を付けてくれたが、拒否権は無いだろう。


 残していた輸送艦を、北道カラーの青白に塗って、冒険者ギルド、生活支援ギルドから船員を派遣してもらった。

 ワタシは単独で修行の時と同様、樽内から青林へ船で渡り、乗り合い馬車で御左様のある帝都に向かった。まぁ予定通り8日間で到着、遠話機で沖合に待機している輸送艦に到着を知らせた。船旅も順調だったようで、入港許可が下りれば2時間程で接岸出来るそうだ。

 御左様では、桜華師範に事情を聞いて貰うと、驚く程の速さで快諾、王城へ同行してくれる事になった。早速遣いを走らせると、小一時間で戻って来た。手紙を届けるには長く掛かったと思えたが、謁見のアポを取って来ていた。

「城の女性の殆どが、当道場の出身者ですからね、結構融通が効くのです。」

師範は極当たり前のように、午後の訪問を伝えてくれた。


 師範と2人て登城、直ぐに執務室に通された。大明の皇帝は、即位してまだ数年、アラサー位だろう。御左様仕込みの丁寧な挨拶をすると、用件は既に伝わっているので、

「畏まらなくて結構ですよ。私も長年気にしていた事が解決出来そうです。」

旧大明の輸送艦の入港を認めてくれた。早速連絡を取って、港に呼び寄せた。

 上陸し、捕虜と戦車を引き渡した。まぁ当然だろうが王弟殿下夫妻と一緒に晩餐に招待された。想定内の事なので、ドレスは用意していたが、妻達?いや、弟達は、タキシードを用意していた。子供達の分も用意していたが、今回は御左様で預かって貰う事になった。


 晩餐会では、予測していた息苦しさはそれ程でもなく、お約束の様に冒険談をリクエストされた。修行で来ていた時の事を話すと大明皇帝は、

「我が国でも活動出来るよう手配させよう、帰国前にギルドに顔を出して欲しい。」

 晴れて大明でも、冒険者活動が出来るようになった。ランクの制度は北道とほぼ同じで最高位のSランクにしてくれるとの事。期待していなかったご褒美だが、この国でも指名依頼が来るかも知れないと思うと少し気が重く感じた。


 本来の目的の外交は、王弟殿下と大明皇帝でサクサクと話を着けた。

 先ずは北道を国として認めて貰う。本来、大明が植民地にして、領土拡大を目論んでの派兵だったが、勝手に開拓、勝手に争い、勝手に纏まってしまったので、大明としては、国として扱っていなかった。事実上独立国家なので、認識を改める事になった。対等な国同士と言うことになり、呼び名も、ココの大明を『大明』、艦隊で攻めて来た方を『旧大明』で統一した。

 軍事同盟も結び、お互いの国が攻められた時には、協力して排除する事になった。旧大明が、南と西で睨み合っていた頃は、大明を脅かす様な余力は無かったが、今後はどうなるのかは解らない。迎撃出来る戦力は配備しているが、旧大明の急激な戦力増強に対応出来るのかは把握出来ていない。旧大明が隣国の大明では無く、遠く離れた北道を襲おうとした事から、圧倒的と言うレベルでは無さそうだ。

 北道を取って南北から挟撃するか、大明の戦力を北に分散させる計画だったと思われる。北道と大明が手を組むと、大明の戦力が南に集中出来るし、自慢の艦隊を殲滅した北道は脅威だろうし、輸送艦と戦車の技術流出があったので、三重苦状態だ。戦車を研究用に1台提供したので、対策は更に進むだろう。


 同盟の調印等の正式な手続きは追って調整する事にして、晩餐会を楽しんだ、南北に細長い大明は各地で色々な産物があり、帝都に集まって来る。更には異国からの輸入品もあり、珍しい料理がテーブルを埋めていた。舌と胃袋を満足させ、皇帝の合図で舞踏会に移行した。

 華麗に舞う貴族の方々に交じって、タキシード姿の冬馬に手を引かれダンスフロアへ。ダンスは目覚舎でマスター済みで、御左様程ではないが女性比率が高い為、男性パートも踊れるとの事。ワタシは女性パートは全くの初心者だったが、妻達?いや今は弟達のリードで心地よく踊ることができた。

 取り敢えず大明皇家からも、北道訪問の約束をして、和やかなまま、城から開放されることが出来た。


 城内の客間を進められたが、王弟と随行の役人達だけ残り、ワタシ達は街の宿をとった。子供達は滞在予定の1週間は御左様で修行なので、気兼ね無く夜を楽しめそうだ。

 部屋は8人位余裕の部屋。5人で楽しむパターンかな?期待していると、

「光菜達呼んで!」

春介の意外なひと声。ガッカリが伝わってしまったようで、

「しばらく離れていたし、ダンスがちょっとずつしか踊れなかったから、欲求不満なんだ、シェア出来る理性に自信が無いから、今夜は感覚をリンクして我慢してね。」

そういう事なら仕方がない、ひかりモードで分身した。

 分体とリンクした感覚は、幸せが、四連になったり四重になったりして、意識を保つのが難しくなってきた。失神してしまうと、分体は消えてしまうので、ギリギリのところでリンクを手放し、余韻を堪能しながら眠りについた。


 朝、早く目覚めたので、光菜とだけリンクして春介を攻めさせた。目覚めた春介の揺れがピークに達する前に、光菜を回収して仕上げを交代した。同じパターンで夏樹と秋太も味わい、冬馬の時にはちょっとタイミングがズレ光実で1ラウンドを終えていたが、回復魔法でしっかり揺らして貰って変則的な朝のおかわりを終了した。

次回は、11月23日の勤労感謝の日に投稿致します!

いつもの通り0時の更新です、よろしくお願いいたします。

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