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光樹?ひかり?

 翌朝、子供達と目を覚まし、キッチンに降りると、既に妻達が起きていて朝食の仕度は済んでいた。一緒に食べて、学校に送り出した。


「さて、試しますか。」

修行の成果を試してみる。ダブダブの服に着替えた。下着はトランクス。倉庫の床に魔力増幅の魔法陣を描いてその中に立つ。魔力反射の指輪、魔法連携のブレスレット、魔力抑制のネックレスを外しているのを確認して、自分を【鑑定】する。魔力、仙力、霊力、全て安定している。昂ぶりを抑え、光樹姿を思い浮かべ、全身を魔力で満たした。

 大掛かりな魔法を使ったり、掛けられたりする時には、目眩がしたり、形容のし難い不思議な気分になったりするが、殆ど?いや全く何も感じなかった。失敗かな?頭を掻こうと袖を捲ろうと思ったが、ダブダブで袖からは指先位しか出ていなかった筈が、手首までしっかり出ていた。

「「「「お帰りなさい、光樹!」」」」

どうやら、成功したようだ。


 祝福ムードでリビングに戻ると、

「昨夜のアレってどういうつもりですの?」

秋穂が口火を切って、4人掛かりの説教を喰らった。本体のワタシだけをホンモノ扱いしてくれるのは嬉しいので、正直な気持ちを伝える、

「正直ジェラシーってもんじゃ無いくらいの、葛藤で送り出したんだ。分体は自分自身だって自分に言い聞かせてね。いつもワタシばっか幸せ過ぎるからお裾分け?って感じかな?」

「そんな風に言ったら、私達が抱かれたがってるみたいじゃない!」

秋穂は口を尖らせたが、一応許して貰ったようだった。4人は相談して、ニッコリ頷くと、魔法連携の白いブレスレットを嵌めて、

「光君も着けてね!」

妻達は、背中のホックを外して、ベルトを緩めた。

「ひかりになって見て!」

言われるがままに変身、ワタシはまたひかりになって、妻たちは男性になり、満足そうな表情でブレスレットを外した。

「じゃあ、俺達、着替えてくるよ!」

冬実、じゃなく冬馬がリビングを出ると、皆んなついて行った。

 変身が自由に出来るのか、もう一度トライ。自己鑑定は異常無し、魔法陣を使わずに掛けてみた。あっさり成功。さっきは気になったけど、キチンと確かめる事が出来なかったトランクスの中身を調査。存在感が無い訳では無いが、何か違う気がした、長い間ひかりでいたせいで感覚が可笑しいのかな?直接握って確かめようとしたが、『握る』というより『つまむ』感じだった。サイズも、形状もキッズモード?いやベビーモードで真冬の厚着の時期は、排尿にも苦労するだろう。その他の使用目的には期待しないほうが良さそうだ。調査結果にがっかりしつつ、妻達(弟達?)とは異性でいたいのでもう一度変身して、またまたひかりになった。光樹の洋服しか持ってきていないので、部屋に帰って着替えることにした。

 四人とも好みそうな、露出多めのワンピでリビングに降りると、イケメンモードの、四人が待っていた。秋太はお見通しって表情で、

「変身、また、試したんだろ?」

「うん、あの後2回。」

夏彦は心配そうに、

「何か問題合ったようだね?」

返事に詰まると春介が、

「今、誤魔化そうとしただろ?」

またまた図星で、

「ひかりが隠し事なんて出来ないんだから、話してラクになれよ!」

冬馬にトドメを刺された感じで、光樹(・・)の状況を説明した。

「春樹達もそうなのかな?光樹のコピーだろ?」

「いや、大人だったよ。意識をリンクすると元の光樹みたいにすぐ終わっちゃうけど、リンクしなければ、無限かと、思うくらいの持久力なんだ、終わらないから意識をリンクしたら、すぐに終わったけどね。」

「へぇ~、そういう修行もしてきたんだぁ、そりゃ遅いわけだよねぇ!」

 出港を待つ最後の日に偶然呼べた事をアピールしたが、

「直ぐ終わっちゃった時と、そうでなかった時があったんだよね?幾つかな?ひかりの性格だと、四人公平にしたいよね?ってことは・・・、」

春介が指折り数え出した。勝手に推測されて、とんでもない回数を算出されるより、正直に話す方が良いだろう。ありのままを報告して、

「それでワタシだけ楽しんじゃったから、昨夜、分体を送り込んだの。」

何とかお許しが出て、胸を撫で下ろした。


「分体ちゃん達を呼び出してくれるか?」

「あ、うん。部屋で呼び出して、服着てからね。」

部屋に戻って分身する。ちゃん(・・・)だから、ひかりモードで良いよね?分体達は、クローゼットを探って身支度を整えた。光菜は光菜らしく春菜の好みそうな物を選ぶ。勿論、他の3人も同様で、呼び出した瞬間の、ただのコピーから、光菜、光果、光穂、光実に昇格した。

 再びリビングに戻ると、テーブルには5振りの短刀が並んでいた。

「なんか、凄い刀だね、親方の風格っぽくも見えるし、杏さんのスマートさも感じるかな?」

「おお、結構な目利きだな、実は・・・」

伏丘から薫さんが移動して来て、彼女の製作とのことで。妻達も同じものを持っていて、道場の事なども教えてくれた。

「それで、試し斬りも兼ねて、ダンジョンに潜ろうって話なんだ。ギルドも困っている低人気の依頼なんだけどこれからどう?」

分体達に留守番を頼んで速攻ギルドへ、サクサクと手続きをして、現場に向かった。

 樽内の山奥が目的地で橋とトンネルで出来た新しい街道を通って、港に行く途中、脇道に入って夕方着予定。

 順調に到着して、早速ダンジョンに潜る。外にもキャンプスペースはあるが、10階層に安全地帯があるので、そこまで潜る予定。

 刀の実力を試せるような手応えのある魔物には会わずに10階層に到着した。

「いい感じだな!」

ご機嫌の夏彦に、

「それ程の魔物いたかな?」

「ああ、鞘で叩いたりして強度を試したんだ、鍛冶屋で実験したけど、やはり試してみたいからな。ここ迄の雑魚なら鞘で撲殺だな。」


 テントを2張り張って、夕食を作る。いつものように、明日の朝と昼のおにぎりも作っておく。食事をしながら、ここまでの成果を確かめてみる。弱い魔物しかいなかったので、魔石も殆ど価値の無いものばかり。素材になるような物もゼロ。20階層辺りまでこんな感じらしい。

 言い出して良いか迷いに迷い、

「えっと、今回2泊だから、二人ずつ一緒に泊まってくれる?」

「泊まるだけで良いのか?」

秋太がハードルを上げた。遠慮しても恥ずかしがっても仕方がないので、思い切って、

「抱いて欲しいな。」

「カワイイ!耳まで赤くなってる!」

冬馬がキツイハグ、

「心配しなくても、俺達も久々で楽しみにしていたんだ。」

テント割は、春介と夏彦のテントに泊めて貰う。春介の腕にひょいと抱き上げられ、舌を絡めていると、いつの間にかスカートの中のその中から全身に幸せが伝わって、いつの間にか、一糸纏わぬ姿になっていた。ワタシの魂が異世界を彷徨っているうちに準備完了していたようで、交互に、全開モード。心配していたことが馬鹿馬鹿しいほどの幸せを満喫した。

次回は、11月3日の文化の日に投稿致します!

いつもの通り0時の更新です、よろしくお願いいたします。

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