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【アンチ・ルーツ・ワールド】  作者: 一般的製作者
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第五話・馨しく香る異形の城

遅くなりました

falseから依頼を受けることにした翌日、フギンは彼らの用意したプライベートジェットに乗って、彼らの作戦本部となっているfalseの支部へと向かっていた、飛行機から降り、用意されていた車に揺られること数時間ほど。

 falseの言う作戦本部は酷い様相を呈していた、元々は綺麗だったであろう外壁は肉塊に塗れ、いくつかの大穴が開いている始末、内部からはおよそ人間のものとは思えぬ鳴き声が聞こえ、疑う余地もなく作戦本部…REM対策本部と銘打たれたその場所は、ほかならぬ異形共によって攻め立てられ、陥落寸前の状況に陥っていた。

 

「オイオイマジかよ、まさかあの肉塊にこんなことができる知性があったってのか?」

思わずフギンは言葉を漏らす、無理もない、この支部が対策本部として使われることが決まったのはつい最近であり、それを知っているのもfalseの関係者と自らだけであったはずなのだ、しかし現状を見るに異形…RottenEvilMonstarと名づけられたそれらは自ら達の脅威となりえるこの対策本部の情報を手に入れ、襲撃する知性と社会性があり、それをもってこの場所を襲撃したことは明らかである、しかして彼の持つ無線機に反応があった。

 この無線機の周波数を知っているものは今のところはフギンに依頼をしてきたあの女性、エル・スピネルのみ、そして現在彼女はこの建物の内部にいるはず、おそらくは内部でREMと交戦している合間に、隙をついて自らにSOSを発するために無線を鳴らしたのだろうとフギンは理解した、しかしその通信は繋がる前に途絶えてしまう、それと時を同じくして、数発の銃声が響く、それは建物の屋上付近から聞こえてきた。

 それをフギンは彼女が未だREM達と交戦していることの証左であると受け取った。

「仕方ない、行くか!」

その言葉と共に彼は愛銃を手に異形共の住まう城となったそこへ駆け出し、そして内部へと侵入した。


 異形の城へと侵入し、そして最初に感じたものは悍ましいほどの死臭であった。

「分かっていたことではあったが、この臭いはちとキツイな、ハぁ…全く気が滅入るってもんだ。」

そして彼は背後に銃を向け、即座に発砲する。

「これで一匹っと。」

ドサリ…と何かが倒れる音が響く、フギンはそれに目を向けることなく、建物の屋上を目指し、歩を進めるのだった。




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