第四話・国連直轄機関false
少し遅れました
蚕の市での事件ののち、フギンは恐るべき情報を入手した、世界各国でフギンが倒したような化け物が、大量に発生し、少なくない数の犠牲者も出ているという。
これは不味いと、思いながらも自分1人ではどうしようもない、と思い、とりあえずはこれからのことを考えよう、とフギンが思った頃。
家の扉が叩かれる、万が一のことを考え銃に手を当てながら扉を開く。
扉の向こうには3人の屈強な男と、1人の若い女がいた。
見たところ敵対の意思は無い。
「どちら様で?私に何か御用ですか?」
フギンはにこやかに問いかける。
そう言われると、女が前に出て、
「あなたがマカリウス・K・フギン殿で間違い無いでしょうか?」
そう、問いかけてくる、嘘を吐く意味もなし、フギンは素直にそうだ、と短く答える。
「で、私がフギンであるわけですが、どのようなご用件で?長くなるようならば上がってください、立ち話もなんなので。」
そう言うと、ならばお言葉に甘えて、と女と男1人が上がってくる。
場所は少し変わってリビング、少しばかり重い空気の中で、女が口を開く。
「私達は国連直轄機関false、今回世界中で発生している突発的未確認生物多発事件に関して調査を行っています、今回あなたの元を訪れたのは、私達の調査の補助、主に武力的な側面での協力をお願いしたいからです。」
と、簡潔に要求を伝えてくる。
「なるほど、傭兵として私を雇いたいと、そう言うわけですか、しかしfalseというと、国連直下の秘密部隊、充分な戦力はお持ちだと思うのですが?」
そうフギンが問いかけると、女が。
「なぜあなたが我々の情報を持っているかは置いておくとして、今回の件は前代未聞の事件ですので、様々な戦場に赴き、多数の戦果を挙げてきたあなたに依頼をしたい、と言う訳です、どうやらあなたはあの生物を討伐した経験もあるようですし。」
「なるほど、事前調査は万全と言う訳ですが、しかも、ほんの少し前の事なのに。」
少しばかり、試すように、問いかける。
「見ていたんですよ、私の部下が。」
そう、挑発的に答える。
「そういえば、貴女の名前を聞いていませんでしたね、一方的に知られていると言うのは少しばかりイヤなのでね、依頼を受けるか否かはその後にお答えしましょう。」
そう、同じく挑発的に告げる。
「なるほど、そう言う事ならばお答えしましょう、私はエル・スピネルと申します、隣にいるのがボブ、それなりに優秀な護衛です。では、そちらの要求にも応えた事ですし、依頼を受けるかどうか、教えてくださいませんか?」
と、威圧的に告げてくる。
「エル・スピネル、良い名ですね、そうですね依頼は受けましょう、報酬もいりません、私も今回の件に関しては少しばかり思うところがありますので。」
「依頼を受諾して頂き、ありがとうございます、依頼の詳しい内容に関しては私共の作戦対策本部にて説明させて戴きます、それと、報酬に関しては依頼する側としては出させて戴きますので、後々相談させて戴きます。」
そう言うと、フギンとスピネルは手を交わし、一時的に別れて行動することにした。
〜この物語の本筋が動き出すようだね、観測者として楽しませてもらうよ〜
次はなるべく頑張ります。