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【アンチ・ルーツ・ワールド】  作者: 一般的製作者
3/7

第三話・穢れた真紅は異形と共に

ちょっと遅れました、しかも少し短い

「オイオイマジかよ…人が化け物になっちまった、まさかさっき撃った奴も元々は人だったわけか?」

そんな軽口を叩きながらも、フギンは銃口を少女であった異形に向ける。

 周囲にはもう人はいない、異形に恐れをなして逃げ出したのだろう。

この場所にはもはや異形とフギンのみが存在している。

 

 少しばかりの静寂ののち、フギンは引き金に指をかけ、発砲した。


 一撃、放たれた弾丸は異形の頭部を穿ち…粉砕した。

異形は地に伏し、やがて動きを止めた、絶命したのだろう、少し前までは普通の日常を送っていたであろう少女であった者は、今となっては腐りはてた肉塊である。

  「ハぁ…なんたってこんなことになっちまったんだ。」

 フギンは自らの不幸を嘆くように、自らが終わらせたものを慈しむように、目の前に横たわる二体の肉塊に所持していたライターを使い火をつけた。

  「この調子じゃあ弔いをしてくれる人なんていないだろうからなぁ、お前たちの命脈を絶ったものとして俺が弔わせてもらう。」

 そういうとフギンは踵を返し、自らの城へと帰ろうと足を踏み出す、すると何かが軽く足にぶつかる。

ふと気になり足元を見ると、そこには小さなロケットペンダントが落ちていた、最初の騒ぎで誰かが落としたのだろうか、深く考えずペンダントを拾う、するとロケットの金具が壊れているのだろうか、ロケットが開きかけている、少し気になり、中を見る。

 

 そこには一枚の写真、写真は家族写真のようであり、幸せそうな夫婦と娘と思わしき少女が写っている、少女の顔には見覚えがある、先ほど異形へと変異し、自らがとどめをさしたあの少女で間違いない、察するに、このペンダントは少女のものなのだろう、ふと、母親と思わしき人物の胸に美しい真紅のブローチがついていることにフギンは気が付く。

 そしてフギンは苦虫を嚙み潰すような表情をし、ロケットを閉じ、足早に帰路をたどるのであった。


   ~ゆがんだままで生きるのと、ゆがみを嫌い死すること、どちらが正しいかは分からないが、今回は死することが救済となったのかもしれない~


来週は土曜日に出します

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