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【アンチ・ルーツ・ワールド】  作者: 一般的製作者
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第二話・蚕の市

二話目です

 戦場よりホームタウン…ヨーロッパのとある大都市に存在する自らの城へと帰還したフギン。

城とは言っているがそこはどう贔屓目に見たとしても“廃墟”としか言いようのない建物であった、一応電気は来ているようだがその建物は人が満足に暮らしていくには苦しいものである。

 

 が、しかしフギンはそこが最も快適であるとでも言うように、隠しきれぬ程の歓喜を全身から漂わせ、その“廃墟”へと入っていった。


 “廃墟”の内部は外見からは想像もつかないほどに清潔に保たれており、小型のテレビとベッド、部屋の端には武器のラックが設置されている。

 

 彼はベッドに腰かけると、すぐ近くにある冷蔵庫の中から林檎を取り出し、そのままかぶりついた。

彼はそのまま林檎を食べきり、ベッドに横になり眠りに着く。


 ~閑話休題~


 翌日、フギンは目を覚ます、起き抜けに林檎を一つと思い、冷蔵庫に手を伸ばす。

冷蔵庫の扉を開け中を確認すると、なんと林檎は一つも残っていなかった。

 仕方がないと思い、冷蔵庫の中に残っていたもので軽い食事を作り、ふと思い出す。

今日は土曜日、この街における最大級の市場、“蚕の市”が開催される日であると。

 渡りに船と思い、フギンは準備を始める、腰に愛銃たる.500S&Wマグナムを下げ、財布とリュックサックを持ち、“蚕の市”へと出立した。


 “蚕の市”は、町の中央の広場で行われており、今回もまた盛況であり、非常に賑わっていた。

フギンは青果の店が集中しているあたりへと足を運び、林檎を買い漁っていた。


 そんな折、突如背後から悲鳴が響く、驚いたフギンがそちらを見ると、この現実に似つかわしくない異形の怪物が鎮座していた、その怪物は腐りかけており、悍ましい腐臭を放っていた、そしてこの怪物に似合わない真紅のブローチが何故かへばり付いている。

 そんな怪物の近くには未だ10にも届かないと思われる少女。

少女はとても怯えているようで、少しずつ近づいてくる怪物に気圧され、動けずにいるようだ。


 まずいと思ったフギンは腰に掛けていた.500S&Wマグナムを即座に構え、怪物に向け発砲した。


 乾いた銃声の後にグチャッ…と汚い音が響く。

放たれた弾丸は怪物の頭部に寸分の狂いもなく命中し、粉砕する。


それを持って怪物の命脈は閉じ、醜い内部を露出させながら地に伏した。

 

 怪物が一切動かなくなったことを確認すると、フギンは怪物に迫られていた少女の状態を確認しようと、少女がいた方向へと向き直る。

 少女は怪物の飛び散った肉片を浴びており、今にも泣きだしそうな様子で、怯えたような表情で、フギンを見ていた。

 ひとまず少女が無事であったことにフギンは安堵する。

しかしながら、そう思った次の瞬間、少女の肉体が変貌していく、肉体は肥大化すると同時に腐りかけ、急激な変化に伴う痛みに少女だったものは苦痛の悲鳴を上げる、やがてソレは変化を止める。

 それは先ほど頭部を打ち抜いた異形によく似ており、フギンは自らの失態を悟るのであった。


 ~一見正しいように見えた行動が、本当に正しいかどうかはわからない~



エタらないように頑張ります

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