私はシュレディンガーの猫なんで、もう一方の私は幸せにしていることを願います。
ここはどこだろう?
何故私はこんなところにいるのだろうか。
目が覚めるとそこは見知らぬ部屋の中でした。
どこ? ここ?
辺りを見渡してみても、変わったものなんてありません。
と思ったけど、ありますね。変わったもの。
机の上には一枚の紙と、一つの装置のような物。
私はベッドから起き上がり、その紙を手に取りました。
(この装置にある、二本の導線。どちらかを切ったら毒ガスが噴出される。導線を切った場合数分後に扉の鍵が開く。)
この部屋にあるのは、たった一枚の扉。
それ以外には窓もなく、密封されています。
毒ガスの方を切ったら死んでしまうのでしょうか?
それすらも私にはわかりません。
怖いですね。
二本の導線の前に立って、私は震えました。
二分の一で私は死ぬ?
嫌だ。
しかし、それ以外には出る方法はなさそうです。
ですが切れるわけはありません。
導線の前に立ってどのくらいの時間がたったでしょうか。
時計も無いのでわかりません。
お腹が減りました。喉も乾きました。
でも、まだ勇気はでない。
それからまたどのくらいの時間がたったのか、意識が朦朧とします。
導線を切らなくてもどうせ死ぬので、切る勇気が出てきました。
どちらにするか考える余裕もなく、適当に決めました。
動線にペンチを当てます。疲弊仕切っているため。うまく力が入りません。
全体重をかけて力を入れたところ。
パチンッ 切れました!
が、
あらら、外れだったようです。
シューという音とともに、部屋に煙が充満していきました。
数分後という時間に望みをかけましたが、まあ、無理でしょう。
私は二分の一の確率に負けてしまったようです。
苦しいですね。
しかし、
もう片方の導線を選んだ私は、外に出て幸せに暮らしていくでしょう。
そう、思いましょう。
霞む視界の中、私は笑いました。