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ヴィランたちの後日譚「所長の日記」  作者: 名利 杏樹
xx18年 9月分
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xx18年 9月3日

9月3日

昨日屋敷に戻ってきたあたりから妙にワルドーがピリピリしている。気になったので単刀直入に何か気に触ることをしてしまったか聞いたら、少し驚いた様子で

「見ず知らずのロボットに案内を頼むな、危ないだろう」

と注意された。それはまぁ、その通りなので素直に謝った。

でも見ていたのなら止めてくれればいいのに、と思わず愚痴ったら

「あいつらは人に危害を加えるような連中ではないとわかっていたからな」

とつぶやいてワルドーは残りのパーツを探しに出かけていってしまった。その割には呟く時の顔が怖かったのだがそこには触れないでおいた。


ワルドーが出かけた後はティムが修理してくれた研究室で昨日買ったパーツの確認とスペアボディの設計を行った。ティムはティムでパーツ集めがあるので作業は私とラボで進めた。

2人がいないおかげもあって予定よりスペアボディの設計が進んだので順調にいけば半月くらいで準備ができそうだ。


作業中に昨日あったことをラボに話した。

「シらないヒトにツいてイくのはカンシンせんなァ。しかし、イマのジダイにそこまでヒトにチカいロボットがいるのはメズラしいですネ」

とラボは親切なロボットたちに興味を持ったようで、私は今の時代のロボットの方が100年以上前のロボットより遅れていてもいいんだろうか?と疑問を持ってしまった。



本日分はもう特に書くことがないので、この前の続きでも書いておく。


ラボのお願いを聞き、とりあえずラボの言う通りに倒れていたロボットを修理していくとラボとは違う声がかすかに聞こえてきた。

どうも喋っているのは、修理中のロボットだとわかったのはだいぶ修理が進んでからだった。

人間でいうなら喉にあたるだろうスピーカー部分から必死に声をだしているみたいだったので、修理を進めていた部分を後回しにし先に喉の部分の修理を進めた。


喉の修理を終えたあとこのロボットがずっと「ハカセ、おれ、しねない」と繰り返し喋っていたことがわかった。普通ならきっとホラー体験なのだろうが、私は何を思ったのかそのロボットに、生きていたいのか、と尋ねていた。

すると、さっきまで単語をただ繰り返し喋っていただけのロボットの目が光った。この時はまだ目となるアイセンサーは壊れたままだったはずなので見えはしないはずなのに間違いなく私の方をじっと見つめていた。そして、

「ね、さ 。 おれ いき  たい」

と修理を終えていた腕を伸ばしてきた。


気づいたらその伸ばされた腕を私は掴んでいてそのロボット、イニティウムの修理を終えていた。

とりあえず、エネルギー不足で修理後なのに動けないイニティウムをラボに教えてもらった緊急用発電機に繋げ、私も持ってきた寝袋でそのまま寝てしまった。

ページがもうないのでとりあえずここまでにしておく。

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