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ヴィランたちの後日譚「所長の日記」  作者: 名利 杏樹
xx18年 8月分
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xx18年 8月29日

8月29日

朝4時にティムに叩き起こされた。昨日もらった白衣を着せられサンドイッチを左手、工具箱右手に例の心当たりの場所へ向かった。なんだか白衣のサイズがぴったりすぎる気がすることをティムに伝えると良かったと満足そうにしていた。


着いた場所はいかにも工場で、訪れたばかりの屋敷といい勝負の廃墟っぷりだった。今屋敷は主にワルドーのおかけで廃墟ではなくなっているが私が訪れた時の屋敷はそれはもう荒れまくりの廃墟だったのを思い出した。


そんな感じで昔、といっても約1ヶ月前を懐かしんでいたら先に様子を見に行っていたティムが帰ってきた。

とりあえず安全ということでティムを先頭に私、ワルドーの順で中に入り、弟くんの痕跡を探す。外観が工場だけあって中もベルトコンベヤーとかフォークリフトとかがボロボロで並んでいた。本物を見るのは初めてだ。


半日程度探索したが特に弟くんに繋がる情報は見つからずワルドーは悔しそうにしていた。ティムはずっと無表情だったけどどことなくイライラしてる感じがした。

とりあえず今日は一旦帰りまた明日探索をすると決めて工場から出ようとした時、床が抜けてワルドーが落ちた。めっちゃ焦ったが、ティムが無線でワルドーの無事を確認したあと、1階に戻るルートを伝えていた。プロ並みの手際の良さにびっくりした。私とティムが入口でワルドーが合流するのを待っていたときティムの方へワルドーから連絡が入った。


通信をきったティムがいきなり私を俵担ぎにして走り出して工場の中の方へ戻り始めたので何があったのか聞くと

「ワルドーがラークをみつけた。向かうぞ」

とだけ教えてくれた。いきなりすぎてうなづくくらいしかできなかったがこの担ぎ方はやめてほしい。お腹が痛いし、息がしづらい。


ロボットだから当たり前だけど走ったくせに息切れをおこしていないティムとは対照的に走っていないのにゼイゼイ言っている私をみてワルドーが不思議そうにしていた。その横に例の探していた弟くんのラークが錆びだらけの姿で倒れていた。意識はなし、機体はサビのせいでボロボロでところどころ穴が空いていた。これでは機体の修復は無理だ。ただ、かろうじてコアは無事そうなので回収し、一から機体を作り直す形で修理することになった。


コアを回収して工場を去る時、ワルドーは最後まで後ろを気にしているようだったし、反対にティムはあえて前だけを見ているようだった。

屋敷にたどり着くと既に真っ暗だった。

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